
大豆製品に多く含まれる大豆イソフラボンは、更年期だけでなくすべての年代の女性におすすめです。特に更年期に必要な理由とどのくらい摂れば効果的なのかを紹介します。
大豆イソフラボンは更年期障害に有効なことが実証されている
更年期障害にはアレが効く、これが良い・・・と、サプリ市場ではさまざまな成分がそれとなーく有効性をうたって紹介されていますが、実は臨床試験などによって明らかになっている成分は案外少ないのです。
大豆イソフラボンはその中でも、作用が明らかになっている数少ない成分です。
そもそも、大豆は畑の肉と言われるほど栄養価が高いことはよく知られていますね。たんぱく質が豊富に含まれていることからそう呼ばれるようになりました。
しかも、大豆に含まれるたんぱく質はコレステロールや中性脂肪を下げる効果があるのです。それだけではない大豆の魅力を紹介します。
大豆は完全栄養食!上手に摂取しよう
大豆には豊富で良質ななたんぱく質だけでなく、三大栄養素のひとつである脂質も含まれています。それも、多価不飽和脂肪酸という悪玉コレステロールを減らす効果があるものです。
また、食物繊維や鉄分、ミネラル、ビタミンも豊富に含まれています。 更年期障害の緩和に大豆イソフラボンをすすめていますが、それだけではなく健康増進のためにも大豆製品はぜひ積極的に摂っていただきたい食品です。
大豆食品の豆知識
身近な食材である大豆製品についてまとめてみました。知っているようで知らない豆知識があるかもしれませんね。
大豆が原料の食品といえば、豆腐・納豆・おから・豆乳などはスーパーでも同じ場所に並んでいるのでわかりやすいですね。
大豆そのものを使った料理といえば煮豆です。お惣菜コーナーには必ずをいっていいほど用意してありますね。
ビールにはなくてはならないおつまみの枝豆、家計にやさしい野菜の筆頭のもやしも大豆製品です。枝豆は大豆になる前の若いうちに摘み取ったもの、もやしは芽が出たものです。
発酵食品の味噌や醤油も大豆が主原料です。日本の食卓には欠かせない調味料です。
こうしてみると、本当に大豆は日本人にとって当たり前のように身近にある食品なわけです。 さて、では大豆の栄養を効率よく摂るにはどの食品が良いのでしょう?
栄養価・吸収率ともに納豆が最強!
ご想像の通り、納豆が一番のおすすめ食品です。まず、栄養価から考えてみます。 栄養価を最大限に摂るには、やはり原料を丸ごと食べたほうがよいです。
すっかりおなじみになった豆乳は、十分に水を含ませた大豆を絞って作ります。途中加熱しますが、ここでは作り方は割愛します。 絞った残りがおからです。
この場合、たんぱく質や脂質は豆乳へ、食物繊維はおからに分かれます。豆乳をベースに作る豆腐や湯葉も同様です。
では、煮豆でも同じではないかと思われますが、実は大豆そのものは消化に悪いのです。せっかく食べても消化され、吸収されなければ元も子もないですね。
その点納豆は発酵させることによって吸収率をアップさせます。発酵の過程でビタミンやミネラルが増えますし、納豆菌は胃酸で死滅することなく腸まで届き、腸内環境を改善させるのです。
ちなみに、後ほど詳しく説明しますが、吸収されやすくなった状態をイソフラボンアグリコンといいます。味噌や醤油はアグリコン型です。
大豆そのものよりずっと吸収率はよいわけですが、量を摂るには塩分が多すぎますね。
更年期におすすめの大豆イソフラボンとは?
さて、本題です。大豆製品は健康維持・増進に良いことはわかりきったことですが、更年期対策として推奨されている大豆イソフラボンについて詳しく紹介します。
大豆イソフラボンは大豆に含まれるえぐみ成分です。主に胚芽(胚軸)にあり、フラボノイドの一種。フラボノイドはポリフェノールの一種です。
ちょっと分かりづらいですね。簡単に説明すると、ポリフェノールはほとんどの植物が持つ色素や苦味成分をいいます。強い抗酸化作用があることが注目されていますね。
フラボノイドはその中の一種で、やはり同じように抗酸化作用や免疫力の強化、血液をさらさらにする効果など健康に良い成分が期待できることで注目が集っています。
フラボノイドのひとつにイソフラボンがあり、大豆や葛などのマメ科に多く含まれています。
2017年に葛の葉由来イソフラボンの誇大広告に関して太田胃散やニッセン、スギ薬局といった大手16社に対して、景品表示法に基づく措置命令を出されたことは記憶に新しいですね。
イソフラボンの中でも、大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た作用をすることから、植物性エストロゲンと呼ばれています。
植物性エストロゲンとは?
ちょっとここで植物性エストロゲンについて説明します。
フィトエストロゲンまたはファイトエストロゲンともいいます。 これは、科学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていることから、体内に入ったときにレセプター(受容体)にくっつき、見かけ上エストロゲンが増えた状態を作り出すのです。
植物性エストロゲンはイソフラボンだけでなく、亜麻仁やゴマに多く含まれる植物性リグナンやザクロに含まれるクメスタンが知られています。
ただ、現在のところ臨床試験で更年期症状に有効性が認められているのは大豆イソフラボンだけです。
大豆イソフラボンに期待できる更年期症状は?
大豆イソフラボンが体内でエストロゲンに似た働きをすることはわかりました。更年期は、エストロゲンが急激に減ることで、脳が慌てている状態。
その混乱が自律神経に飛び火して、自律神経失調症状を引き起こしているわけです。急なのぼせやほてりといったホットフラッシュや動悸、息切れ、冷えや便秘が代表的な症状です。
大豆イソフラボンを摂ることによって、植物性エストロゲンがレセプター(受容体)にくっつき、エストロゲンがあるかのように見せるので、能のパニックが抑えられるという仕組みです。
そのため、自律神経の乱れによる症状の緩和が期待できるのですね。
ラボンを使った臨床試験
- 2002年アメリカ 45~55歳の女性80人を対象に大豆イソフラボンは1日100mg4ヶ月摂取し、偽薬と使った群と比較 結果 クッパーマン指数(更年期症状の強さを測る指標)が改善、悪玉コレステロールの減少が認められた
- 2003年アメリカ 55~74歳の閉経後女性の記憶力が改善したという研究報告が発表された
更年期症状を改善するために摂るべき量は?上限はある?
日本では2006年に食品安全委員会が大豆イソフラボンの摂取量を1日上限30mgにすると公式に発表しました。でも、これは 食品以外からの摂取という意味です。
ところで、この30mgの根拠はなんでしょう?超えてしまうと体に悪影響が出るのでしょうか。
大豆イソフラボンを摂りすぎると体に悪い?
食品安全委員会のいう「1日あたりの上限量30mg」は食品以外からの摂取ですが、もうひとつ注目すべき点があります。それは、イソフラボンの型です。
アグリコン型とグリコシド型とは?
少し細かい説明になりますが、大豆イソフラボンには大きく分けてグリコシド型とアグリコン型があります。
ざっくり言うと、糖がくっついた状態がグリコシド型で、そこから糖がはずれたのがアグリコン型。
グリコシド型は大豆製品そのままの状態で、腸で糖がはずれてアグリコン型になって初めて吸収されます。 食品安全委員会のいっているのは、このアグリコン型の摂取量です。
アグリコン型30mgをグリコシド型に換算すると48mgになります。 一般に販売されているサプリメントはほとんど糖のくっついたグリコシド型ですが、最近はアグリコン型のサプリメントも増えてきました。
1日の上限30mgの根拠は?
食品安全委員会の出したこの数字には根拠があります。それは、イタリアで大規模に行われた研究結果によるものです。
5年間1日あたり150mgのアグリコンを摂取した結果、子宮内膜が厚くなる副作用がごく一部の人にみられました。これは、エストロゲン様作用によるものだと考えられます。
そして、日本人は日頃から豆腐や納豆といった大豆製品を多く摂っていますね。概算値で1日16~22mg程度と考えられています。
これにプラスする量として、アグリコン型で1日30mg以下であれば、イタリアでの研究の150mgの半量の75mgを超えないので安全だろうというのが食品安全委員会の見解なのです。
ただし、同委員会は「上限値を超えてもすぐに健康被害が出るわけではない」としています。
更年期障害に対する大豆イソフラボンの有効量は?
大豆イソフラボンの更年期症状に対する効果については、たくさんの研究が行われています。
これまでの研究では、ホットフラッシュなどの自律神経失調症状を抑えるための有効量は、グリコシド型で1日50mgといわれています。
大豆イソフラボンは、体内では24時間程度しかとどまりません。ということは、毎日摂取して効果が出るのですね。食品中のおおまかな含有量を紹介します。
- 豆腐-180g(1/2丁)に36mg
- 納豆-45g(1パック)に33mg
- 豆乳-200mlに50mg
- 煮大豆-50gに36mg
大豆イソフラボンのエストロゲン様作用は更年期の女性には嬉しい効果がたくさんあるので、是非毎日の食事に大豆製品を取り入れていただきたいです。
ただ、近年の研究によって明らかになった事実もあります。それは、大豆イソフラボンのエストロゲン作用は、エクオールという成分を作ることができるかどうかに左右されるというものです。
更年期症状緩和の鍵はエクオール!
イソフラボンには糖のくっついたグリコシド型と糖が取れたアグリコン型があって、腸で吸収されるのはアグリコン型であることはわかりましたね。
そのアグリコン型には3種類あります。
- ゲニステイン
- グリシテイン
- ダイゼイン
エクオールを体内で作ることができるかどうかは腸内細菌が決め手なのです。
エクオールって何でしょう?
エクオールはダイゼインがエクオール産生菌によって代謝されることによって作られます。問題なのが、だれでも産生菌を持っているわけではないということ!
ダイゼインをエクオールに変換できるのは、日本人女性の約半数といわれています。この数字は比較的多いほうで、日本をはじめ東南アジアでは古くから大豆製品を食べてきたことから、欧米人に比べて多いと推測されています。
しかし、近年食の欧米化によって若い人の大豆摂取量は減ってきています。そのため、20代女性ではエクオールを作り出せない人が増えてきているようです。
エクオールそのものをサプリで摂ることができる
せっかく大豆製品をたくさん食べても、サプリメントを飲んでも、エストロゲン様作用がそれほど期待できない人もいるわけです。
エクオールが作れるかどうかは簡単なキットで診断できます。 まずはキットを購入して自宅で尿検査をします。同封の返信用封筒で郵送すればあとは結果を待つだけです。
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キットは楽天やアマゾンでも購入できます。「ソイチェック」で検索してね。
エクオール産生菌があまり働いていなくて、イソフラボンを摂っても更年期症状の改善が期待できなくても大丈夫です。
今はエクオールになったサプリメントが販売されています。
※エクオールの場合は摂取目安量はイソフラボンに比べて少ないことが一般的です。
どちらかというと、現在の更年期サプリの代表選手はこちらのエクオールかもしれません。
まとめ
女性ホルモンのエストロゲンが急激に減っていく40代後半。さまざまな不調があちこち現れてきます。
今回紹介した大豆イソフラボンは、そんな更年期女性の「ゆらぎ」にとっても役立ちます。ポイントをまとめてみました。
- 大豆イソフラボンはエストロゲンに似た作用をする
- 更年期対策にはエクオールを作ることができるかが鍵
- エクオールを作ることができる人は日本女性の約半数
- エクオールとしてのサプリメントで効果的に摂ることができる
一般に販売されているサプリメントでは、摂取量をきちんと守っていればイソフラボンを摂りすぎることはありません。
サプリメントは気軽に試すことができるので、更年期の女性には特におすすめです。
ただ、大豆にはイソフラボンだけでなく栄養がたくさんあります。納豆や豆腐などの大豆製品を食事からも積極的に摂ることを忘れないでくださいね。