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更年期障害は男性にも起こる!その原因は?男性ホルモンの減少だけとは限らない!

男性更年期障害
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更年期障害は男性にも起こる!その原因は?男性ホルモンの減少だけとは限らない!

 

40代、50代の働き盛りの男性に突然起こる心身の不調。やる気がでない・だるい・眠れない・急にのぼせる…その症状はまさに女性の更年期障害とほぼ同じです。

 

男性にも更年期障害は起こる

 

女性の場合は、卵巣機能の低下による女性ホルモンの急激な減少という、はっきりとした原因がみられます。さらに、閉経も体の大きな変化を知るシグナルになります。

 

ところが、男性にはそういった明確な区切りがありません。そのため、あらわれる不定愁訴も更年期障害であることが見過ごされがちです。

 

さらにややこしいことに、男性更年期障害は必ずしも男性ホルモンの減少が原因ではないということ!

 

男性にとって男性ホルモンとは?心身に及ぼす作用

 

男性ホルモンの量を測る指標がテストステロンです。

 

男性ホルモン=テストステロンと書いてあることもありますが、正確には男性ホルモンの中で一番作用の強いものがテストステロンです。

 

テストステロンの役割

 

思春期になると女性はエストロゲンの作用によって丸みのある女性らしい体型になります。

 

同じように男性も思春期になるとテストステロンが急激に増え、ヒゲが生える・声変わりをする・筋肉が付きたくましい体型になるなど、男性らしい変化が起こります。

 

また、テストステロンは外見上の変化だけでなく性欲を向上させたり、前向きな思考など精神面での作用も大きいのです。

 

 

テストステロンのピークは20代!男性ホルモンの低下は仕方ない?

 

一般に、男性ホルモンのテストステロンは20から30歳でピークを迎え、その後徐々に低下していくといわれています。平均して年1%程度の減少で、それも個人差があります。

 

女性には閉経という節目がありますね。女性ホルモンのエストロゲンはそのライフステージによってぐーんと急激に減っていきます。男性にはそのような急激な体の変化はありません。

 

70代でも子供を作ることができるような精力盛んな御仁もいます。テストステロンの減少は個人差が大きいのです。

 

 

男性ホルモン低下を知るための問診表AMSスコア

 

性機能の低下から男性更年期を診断する問診表があります。AMSスコアと言われるもので、17項目の質問にその程度を5段階で評価するチェックリストです。

 

質問の回答はその程度によって以下の点数をつけます。合計点で重症度をみます。

 

なし=1 軽い=2 中程度=3 重い=4 非常に思い=5

 

症状 点数

総合的に調子が思わしくない(健康状態・本人の感じ方)

 

関節や筋肉の痛み(腰痛、関節痛、手足の痛み、背中の痛み)

 

ひどい発汗(思いがけず突汗が出る、緊張や運動とは関係なくほてる)

 

睡眠の悩み(寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、寝起きが早く疲れがとれない、浅い睡眠、眠れない)

 
よく眠くなる、しばしば疲れを感じる  

いらいらする(あたり散らす、些細なことにすぐ腹を立てる、不機嫌になる)

 

神経質になった(緊張しやすい、精神的に落ち着かない、じっとしていられない)

 

不安感(パニック状態になる)

 

体の疲労や行動力の減退(全般的な行動力の低下、活動の減少、余暇活動に興味が無い、達成感がない、自分をせかさないと何もしない)

 

筋力の低下

 

憂うつな気分(落ち込み、悲しみ、涙もろい、意欲がわかない、気分のむら、無用感)

 

「絶頂期は過ぎた」と感じる

 

力尽きた、どん底にいると感じる

 

ひげの伸びが遅くなった

 

性的能力の衰え

 

早朝勃起の回数の減少

 

性欲の低下(セックスが楽しくない、性交の欲求が起きない)

 

 

17~26点=なし 27~36点=軽度 37~49点=中程度 50点以上=重度

 

男性更年期障害とテストステロンの関係

 

男性の更年期障害は現在LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と表現されます。ざっくり言うと、加齢にともなって心身に起こるさまざまな不調ってことです。

 

最近では男性更年期外来を設けている病院もあらわれましたが、まだまだ少ないのが現状。一般的には泌尿器科が男性の更年期治療の最前線です。

 

それもあって、『男性更年期=テストステロンの低下』と一元的に考えられがちですが、そうではないのがやっかいなところです。

 

テストステロンが基準値内であっても、更年期の症状が強く現れることが少なくないのです。

 

男性更年期障害はテストステロンの低下だけとは限らない

 

男性更年期障害と診断されるために、男性ホルモンのテストステロンの低下は必ずしも必須用件ではありません。

 

しかし一方で、テストステロン値が基準値を下回ると更年期障害が起こりやすいことははっきりしています。

 

ただし、ここでも注意が必要です。

 

テストステロン値が低いからと言ってそれだけで更年期と判断できるわけではないのです。そこで、男性更年期の診断には、問診と血液検査を総合的に見て判断します。

 

テストステロンの種類

 

体内のテストステロンは大きく3種類に分けられます。

 

  •  SHBG(性ホルモン結合グロブリン)
  •  アルブミン結合テストステロン
  •  遊離型テストステロン(フリーテストステロン)

 

このうち、性ホルモンとして活性を持つのがフリーテストステロンとアルブミン結合テストステロンです。SHBGは性ホルモンの分泌とその働きを邪魔する抗体です。

 

治療が必要とされるテストステロン値について

 

日本泌尿器学会では、血液中のフリーテストステロン値が8.5pg/ml未満で男性更年期の治療の介入基準としています。国際的には、総テストステロン値が300~320pg/mlとしています。

 

その理由は、欧米人が加齢とともに総テストステロン値が減少していくのに対して、日本人は総テストステロン値は変化せずに、フリーテストステロン値やアルブミン結合テストステロンが占める割合が減っているからです。

 

男性更年期障害の診断にはフリーテストステロン値が目安

 

男性更年期障害の原因は性ホルモンと環境要因+気質

 

男性の場合は性ホルモンの減少は緩やかで、一般的に更年期障害を起こしやすいのは50歳前後を中心に40~64歳と言われています。女性より幅広いですね。

 

原因は男性ホルモンの低下に加え、環境要因が大きく影響しています。

 

女性の場合もエストロゲンの減少は誰にでも起こりますが、更年期障害がすべての女性にあらわれるわけではないのと同じように、ストレスや気質によって不調の出やすい人とそうでない人がいるのです。

 

家庭や職場でのストレスが男性更年期障害の要因に

 

40代後半から50歳前後、会社では責任のある立場につき、肉体的にも精神的にも忙しい年代です。部下の指導だけでなく、中間管理職として上司と部下にはさまれてストレスも多いです。

 

少し上の世代は年功序列・護送船団方式と言われていた日本社会も、現代は成果主義、能力主義に変換し、毎日しのぎを削って働く必要もあります。

 

家庭でも、まだまだ子供の受験で悩むこともあるかもしれません。子育てが一段落してもそこから夫婦が向き合う必要も出てきます。

 

子供がいなくなって夫婦二人で向かい合うのが何年ぶり・・・ということも少なくないのでは?

 

男性更年期障害を起こしやすい性格は?

 

女性の場合と同じように、生真面目で責任感が強い人ほど更年期障害を起こしやすいです。

 

真面目で努力家であることは、社会人としても家庭人としても美徳ではありますが、それが強すぎて自己犠牲が多くなるとストレスはたまる一方です。

 

自営業であっても、仕事を着実にこなして取引先やお客様から信頼も厚く、勤勉実直なタイプの人が多いです。

 

迷惑はかけられない・・・といつもプレッシャーを感じているでしょう。

 

ストレスとプレッシャーは男性更年期障害の大きな要因

 

 

まとめ

 

男性の更年期は女性の閉経のようにはっきりした区切りがあるわけではありません。加齢に伴って性ホルモンは減少していきますが、それは通常とてもゆっくりです。

 

それ故、本人も家族も今ある不定愁訴が更年期障害だと気づくのが遅くなってしまうことがとても多いのです。

 

やる気がでない・なんとなくだるいといった精神症状が強かったり、AMSスコアにもあるように、性機能の低下(性欲の低下・勃起不全等)があった場合は、男性更年期障害を疑って専門医に相談しましょう。

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