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カテゴリー:更年期の心の不調の原因と対策

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40代~50代のうつ気分、本当に更年期障害?うつと女性ホルモンの関係

更年期の心の不調の原因と対策

 

女性のライフステージの中でも、更年期はうつ病を発症しやすい時期でもあります。

 

今のうつ状態が更年期障害によるものなのか、それとも本格的なうつ病なのか見分けるのはなかなか難しいのですが、今回は女性ホルモンとうつの関係を中心に女性のうつ病について紹介します。

 

女性のうつ病の特徴は女性ホルモンの影響!

うつ病を発症する頻度は、男性より女性のほうが多く、なんと約2倍と言われています。比較的軽い抑うつ状態が長期間続く気分変調症や、非定型うつ病も、男性の4~6倍です。

 

その要因のひとつが女性ホルモンの影響と言われています。

 

エストロゲンは脳の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの働きを調整する作用があるので、エストロゲンの分泌が不安定になるとこれらの神経伝達物質もバランスを崩し、情緒不安定になってしまうのですね。

 

  • ※セロトニン→情緒を安定させる・痛みを感じにくくする・気分をシャキッとさせる
  • ※ノルアドレナリン→興奮や神経の高ぶりを鎮める(増えすぎると不安感が増長される)
  •  

女性がうつ病を発症しやすい時期は?

 

女性の一生でエストロゲンの影響を受けやすい時期はうつ病にかかりやすいといえます。それは主に以下の4つの時期です。

 

  • 月経が始まる思春期
  • 出産から6ヶ月から1年以内
  • 閉経前の更年期
  • 老年期

この中で産後うつ・更年期うつといったワードはよく聞きますね。一番多いのは想像通り「産後うつ」です。次いで老年期、そして思春期と更年期です。

 

更年期うつ病に関しては、閉経前のほうが発症しやすいといわれていて、エストロゲンが不安定な時期であることが関係しています。

 

閉経後は、微量ではあるけれど量は一定しているのでホルモンの変動がきっかけである情緒不安定は起こりにくくなるからです

 

どんな状態になったらうつ病?うつ病の診断基準

 

ここで、うつ状態とうつ病について診断の目安を紹介します。

 

以下のうち、1または2を含む症状が5つ以上、2週間以上続けてほとんど毎日(ほとんど1日中)ある場合うつ病の可能性が高いといえます。

 

  1. 憂うつで気分が落ち込んだ日が続く
  2. ほとんどすべての活動において、興味や喜びが著しく減退している
  3. 著しい体重減少、または体重増加。または、ほとんど毎日の食欲減退または食欲増進がある
  4. 不眠または睡眠過多が続いている
  5. 動作が緩慢になった、または落ち着きをなくしている
  6. 疲れやすく、気力が減退している
  7. 無価値感、罪悪感が強くなる
  8. 思考力や集中力、決断力が低下した
  9. 死にたいと思い、死ぬ方法を繰り返し考える

 

 

米国精神医学会より:DSM-Ⅳ-TRより 強いストレスにさらされると、誰でも憂うつな気分になりますね。ただ、通常はその感情は次第に落ち着き、平常心に戻ります。

 

うつ病の場合は、その状態が長く続いて日常生活に支障があるかどうかです。

 

また、うつ病では睡眠障害も必ず伴います。うつ病の場合は夜中や早朝にかけて目が覚めてしまう中途覚醒が特徴とされています。

 

また、1日のうちで変化するのも特徴で、たいていは朝起きたときから午前中にかけてもっとも具合が悪く、午後から夕方にかけて和らいでいきます。

更年期の体の不調は仮面うつ病かも!?

 

仮面うつ病という言葉を聞いたことはありませんか?これは、体の不調が心の不調を隠してしまっている状態のことです。

 

言葉のイメージから、仮面をかぶったように無表情になった状態と誤解している人も多いかと思いますがそうじゃないんです。

 

軽いうつ病の場合は、気分の落ち込みなど精神状態よりも「頭が重い」「めまいが酷い」「手足が痺れる」「腰が痛い」「動悸や息切れがする」といった、体の不調を訴えることも少なくありません。

 

これって更年期障害と重なる症状ですね。実際に更年期障害の治療で婦人科を受診して、カウンセリングを受けていく中でうつ病がわかるケースも少なくないのです。

 

うつ病はどうして発症する?うつ病になりやすい性格ってある?

 

現代人のうつ病はストレス過多によって発症することがほとんどです。誰でもがかかる危険性をはらんでいるわけですね。

 

同じストレスにさらされてもかかる人とかからない人がいます。 うつ病にかかりやすい気質はあります。一般的には、

 

  • 几帳面で真面目
  • 責任感が強く、融通が利かない
  • 人に頼られると嫌と言えない
  • 自己評価が低い
  • 執着心が強く、一度起こった感情が冷めにくい

 

このようなタイプの人がかかりやすいと言われています。ただ、うつ病がなぜ起こるのか、その原因やメカニズムは正確にはわかっていません。

 

もともとの性格や考え方の傾向、そして環境要因が複雑に絡み合っているのです。

 

うつ病は強いストレスや環境の変化が発症の要因

 

うつ病は、決して心が弱い人がかかる病気ではない、誰でもそのリスクはあるということはずいぶん知られるようになってきました。

 

まじめで何事もこつこつ取り組む人がかかりやすく、現代のように社会構造などが急激に変化する時代にはストレスも大きくなることはうなずけます。

 

更年期にうつ病の発症が増えるのは、今までと環境が大きく変わることも要因なのです。

 

更年期にありがちな環境の変化、ストレスになってない?

 

更年期世代は夫の定年退職や異動がある人もいますね。夫婦二人で過ごす時間に変化が出てくると、やはりストレスになります。夫原病なんて言葉も流行りましたね。

 

親の介護問題も持ち上がる頃でもあります。夫の両親の介護であっても実の親であっても介護は大変です。頑張り屋さんほど、自分ひとりで抱え込んでストレスを溜め込むことになりかねません。

 

最近は高齢出産も増え、まだまだ思春期の子どものいる人も多いです。反抗期でもありますし、教育についても頭の痛い問題です。

 

更年期は喪失の時期!環境の変化を上手に乗り切りましょう

 

家庭では、子どもが独立する人も多く、母親としての喪失感を感じる人もいます。いわゆる空の巣症候群ですね。

 

また、更年期になって急にシワやたるみが気になってきた、白髪が目立ってきたなど容姿の衰えを実感して、女性としての自信も失いがちになります。

 

実際に親や親しい友人の死を体験して、ひどい喪失感を感じることも増えてくる年代です。

 

こうした環境の変化は誰にでも起こること。この変化をどう上手く乗り切るかが、更年期やポスト更年期を健康で楽しく過ごすかのポイントになります。

うつ気分や軽度のうつ状態はセルフケアで改善

 

本格的なうつ病になる前に、知っておくと便利なうつ気分の改善法を3つ紹介します。

 

有酸素運動で気分爽快

 

運動は健康に良いことは確かなのですが、うつ病には特に有酸素運動が効果があります。

 

ウォーキングや水泳など普通の呼吸をしながら持続的に行う軽い運動が有酸素運動です。 有酸素運動が、脳のセロトニンを増やしたり、ベータエンドルフィンという麻薬様物質を促して気分を良くするのでは、と推測されています。

 

週3回以上体を動かすことが理想ですが、やらなければ!とストレスになっては元も子もありません。週末だけ運動をすることから始めても良いですね。

 

更年期以降の健康のためにも、運動の習慣をもつことはおすすめです。

 

不眠に効くバレリアン

 

ドイツで行われた不眠症患者を対象にした研究で、高い効果があると報告されたハーブサプリがバレリアンです。

 

これは、セイヨウカノコソウというハーブで古くから薬草として使われてきました。不眠症・神経過敏・不安に効果があるとされています。

 

独特のにおいがあるので、コーティングされた錠剤が良いかもしれません。

 

抗うつハーブのセントジョーンズワート

 

セントジョーンズワートは欧米では抗うつハーブとして一般に親しまれているハーブです。うつ気分を解消してくれることからサンシャインハーブとも呼ばれています。

 

軽症から中程度のうつ病に対しては、抗うつ剤(SSRI)とほぼ同等の効果があることが研究によって確認されています。

 

ただ、効果を実感するまでに2週間程度かかるので焦らずに続けてみましょう。

 

注意点があります。セントジョーンズワートは一部の薬の効果を低下させるという報告があるので、薬を飲んでいる人は医師に必ず相談してください。

 

更年期うつ病の治療の方法は?どの診療科で受ける?

 

先ほど紹介したセルフケアはあくまで本格的なうつ病になる前のものです。日常生活もままならなくなるほどの状態であれば、迷わず受診しましょう。

 

更年期世代であればまずは婦人科

 

更年期の症状では、多くの場合うつ症状を伴います。だるさや倦怠感、頭がずっと重いといった症状は多かれ少なかれ感じている人は多いはず。

 

それが、単にエストロゲンの減少によるものなのか、純粋なうつ病なのか見分けるのはとても難しいのが現状です。

 

更年期外来や更年期治療に長けた婦人科医であれば、心の不調がうつ病によるものかどうか常に意識して診療にあたります。

 

うつ病や不安障害は専用の心理テストで判定できますし、必要と判断すれば精神科や心療内科を紹介してもらえます。

 

女性の場合、うつ病に見えてもHRT(ホルモン補充療法)で症状が改善されることも多いし、軽いうつであればカウンセリングや抗うつ剤、漢方薬での治療をそのまま婦人科で受けることもあります。

更年期うつ病に使われる薬は?

 

うつ病の治療は抗うつ薬を使った薬物療法が基本になります。タイプによって薬の種類や量は違いますが、更年期に一般的に使われる薬を紹介します。

 

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
 

多くの抗うつ薬は、神経細胞から放出された神経伝達物質が神経細胞に再び取り込まれることを防ぐことによってその量を増やします。

 

脳の情報伝達を活発にすることによってうつ症状を改善するわけです。 SSRIはセロトニンの再取り込みだけを阻害する薬です。

 

副作用として消化器症状が現れやすく、胃の粘膜を保護する薬を併用することも多いです。また、他の薬と影響しあうので服用中の薬がある場合は医師に必ず伝えましょう。

 

このSSRIは比較的よく使われる抗うつ薬ですが、ほてりやのぼせなどの血管運動障害にも効果があることがわかっています。

 

 

うつ病の治療には睡眠薬との併用も

 

うつ病にはほとんどの場合不眠が伴います。治療では、抗うつ薬と睡眠薬を併用することもあり、実際に抗うつ薬を減量していく上で、睡眠薬を使った群の方が減量達成率が高いという報告もあります。

 

睡眠薬は作用時間の長さによって、短時間型、長時間型などに別れ種類もたくさんあります。医師の処方を守って適正に飲んでいれば、薬が増えていってやめられなくなるといってことはありません。

 

ただ、心理的な依存性があることは否定できません。

 

 

うつ病の薬物治療で注意すること

 

うつ病の治療では、主に抗うつ薬と睡眠薬が用いられますが、不安や緊張感が強いときには抗不安薬をプラスすることもあります。

 

抗不安薬は比較的すぐに効きやすく、不安感が解消されたと感じる人が多いようです。反面、薬に依存しやすくなるといったリスクもあります。

 

抗うつ薬は効果を実感するまでに2~3週間かかるので、焦らず根気良く治療していくことが必要です。 その他注意点です。

 

飲み方や副作用をしっかり理解する

 

処方された薬の特徴や服用上の注意、服用期間、副作用などの説明はしっかり聞きましょう。分からないことがあれば必ず質問しましょう。

 

勝手に薬を止めない
 

良くなってきたからといって薬の量を自己判断で減らしたり中止しないようにしましょう。

 

副作用などは正直に伝える

 

抗うつ薬にはいくつか種類があるので、副作用で使いにくい場合には他の薬に変えて治療をします。 また、服用量は効果と副作用のバランスを見ながら決めていきます。心配なことがあれば何でも医師に伝えましょう。

 

まとめ

 

気分が落ち込む、特に何もないのに不安感が・・・、最近眠りが浅くて夜中に目が覚めてしまう。これらは更年期の症状としてもよく耳にします。

 

また、そうした自覚症状はないけれど頭痛やほてりなど更年期障害にありがちは体の不調として現れることも少なくありません。

 

更年期には体の不調だけでなく精神面も不安定になることを自覚して、積極的にリフレッシュの習慣をつけるようにしてください。

 

それでもなんかおかしい、という場合はまずは婦人科でいいので医師に相談しましょう。

些細なことで落ち込む!更年期の不安感やうつ気分の解消法

更年期の心の不調の原因と対策

更年期のうつうつ気分はなぜ起きる?複雑に絡み合う2つの原因

 

特に思い当たることはないのに、最近なんだか気分が晴れない・・・更年期の女性によくみられる心の症状です。うつうつとした状態が何日も続くなんてつらいですよね。

 

もともと女性は「うつ」になりやすい傾向があります。それは女性ホルモンの影響によるものです。うつと女性ホルモンは、思春期から更年期を通して影響しあうのです!

 

  • 月経前不快気分障害(PMDD)
  • 産後うつ
  • 更年期うつ

 

どれも女性ホルモンの仕業ですね! こんな症状ありませんか?

 

更年期うつ予備軍チェック

 

  • 朝目覚めたときから憂うつな気分になる
  • 出かけるのが億劫になった
  • 人と話すのが面倒くさくなった
  • おしゃれをする気が起きない
  • 今まで好きだったことに興味がなくなった
  • 急に不安な気分になって心がざわざわする
  • 将来のことが無性に不安になる
  • たまらなく孤独感を感じる
  • 急に涙があふれて止まらなくなる

 

エストロゲンの急減は心にも大きな影響を!

 

更年期には、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少します。体がエストロゲン不足に慌てている状態です。

 

更年期の不定愁訴の原因のほとんどがこのせいです。 憂うつな気分になるのも、エストロゲンが減って自律神経が乱れることが原因のひとつなのですね。

 

 

自律神経失調症の心にあらわれる症状にも不安感が多いです。 エストロゲンについてもうひとつ言われているのが、セロトニンのと関係です。

 

セロトニンは幸せホルモンとよばれる分泌物のうちのひとつです。

 

(3つの幸せホルモンとはセロトニン、ドーパミン、オキシトシンです。)

 

セロトニンとは?不足するとどうなる?

 

セロトニンは心のバランスをとるホルモンで安定のホルモンともよばれます。

 

極度のストレスがかかったときには、カッーッと衝動的になったりひどく落ち込んだり・・・そんなときセロトニンが分泌されてそれらの衝動を抑制する働きがあります。

 

このセロトニンが少なくなると、ストレスに対する抵抗力がガタッとなくなってきてしまうのです。今までだったら上手に解消できていたストレスにも、大きなダメージを受けてしまうように!

 

悲観的な考えが続くと、うつ病やパニック障害などを引き起こすリスクも高くなります。

 

エストロゲンとセロトニンの関係

 

エストロゲンは、セロトニンを活性化させる作用があります。

 

更年期にエストロゲンが急激に減少することで、安定のホルモンであるセロトニンの働きも悪くなってしまっているのです。

 

もともと、女性はセロトニンを消耗しやすいのです。それは、脳の構造に関係しています。女性は男性に比べて、右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)の一部が太くなっています。

 

それは何を意味するかというと、耳や目などからの情報を観察する能力に優れているのですね。でも、そのおかげで色々なことに思考をめぐらせて、それがセロトニンの消費につながってしまうのです。

 

思いをめぐらすということは、大なり小なり不安やストレスを感じるってことですから。

 

憂うつ感につながる外的要因が多いのが更年期世代!

 

そして忘れてはいけないのが、40代後半から50代はストレスフルな年代ということ。家庭を持っている人は、何かと変化の起きるときではないでしょうか?

 

 

家庭内のさまざまな変化が起こる年代が更年期

 

子供が大学生くらいになればもう母親業は終盤です。就職や結婚で独立することもあります。いわゆる「空の巣症候群」になる人も少なくありません。

 

パートナーは働き盛りを過ぎ、定年が近づいてくると経済的にも心配なことが増えてきます。それまでうまく役割分担できていた夫婦関係も見直す必要が出てきます。

 

夫が定年後、一緒にいる時間が長くなって精神的なストレスから病を引き起こすことも。夫原病なんていう言葉も聞きますね。

 

親世代が何かと病気になることも増えてきます。介護の問題も大きな負担です。

 

あちこち不調を耳にしない?病気が身近に感じられる頃

 

そして、同年代の友人知人から健康上の悩みを聞くことが多くなるのも50代!

 

ガンや心疾患など重篤な病気もそうですし、40代女性にバセドウ病や橋本病など甲状腺の疾患が増えてきます。

 

更年期の不調も重なって、自分の健康が不安になる時期でもあるのです。

 

仕事を持つ女性にとっても更年期はつらい時期!

 

仕事を持っている女性は職場でもさまざまな問題にぶつかるときです。がんばって働いてきた結果としての昇進は嬉しいものです。

 

一方、管理職になったら責任も重くなります。女性というだけで部下や同僚に気を使う必要があるかもしれません。

 

パートであっても新人の指導役を任されたりといったことが多くなります。そうでなくても職場での人間関係はたいへんです。

 

こうした人間関係のストレスに、仕事でのミスやトラブルが重なると自信を無くしてしまいますね。必要以上に落ち込んでしまうことも。

 

更年期のうつ状態はどこからがレッドゾーン?治療法は?

 

このように、更年期にはなんとなく気力が出ない、不安感、気分の落ち込みといった心の不調が出やすくなります。

 

ただ、その悲観的な感情が更年期の体の変化によるものだけなのか見極めることは大切です。女性のうつ病は男性の2倍、特に20代と40代後半から50代に多く発症しています。

 

日常生活に支障が出るようなら迷わず受診

 

不安感や孤独感、気分の落ち込みが激しく、布団から出られない・人と会うのが怖いなど日常生活に支障が来たしたら迷わず医療機関へ。

 

うつ状態が更年期の症状だけでなく、うつ病など心の病であるかもしれません。どの科を受診して良いか迷うときは、婦人科・心療内科・精神科など行きやすいところへ行きましょう。

 

HRT(ホルモン補充療法)で症状が改善されることも!

 

更年期の不調が大きなストレスになっていることもあります。ホットフラッシュや冷えで眠りの質が落ち、睡眠不足が続いたりすることも影響しますから。

 

不足したエストロゲンを外から補うことで、自律神経失調症状はずいぶん軽減されます。これで心の不調が改善されることもあります。

 

HTRが効かない・症状が重いときはカウンセリングを

 

HRTでも心の不調が治らないときは、カウンセリングによる治療も必要になります。カウンセリング技術を持つ婦人科医にめぐり合えれば一番ですが、そうでない場合も心療内科など紹介状を書いてもらえます。

 

 

第三者に話を聞いてもらうことが大事

 

精神科というと抵抗を感じる人もいるかもしれませんね。でも、現代は多大なストレスに取り囲まれています。

 

多かれ少なかれ誰でも悩み、不安を感じたりうつ状態になったりします。 恥ずかしいと思うことなんて全然ないです。

 

あなたが精神的に弱いわけでもありません。第三者に話を聞いてもらうだけでも心はずいぶん楽になります。

 

更年期のうつうつを改善する日常生活のポイント

 

医療機関での治療とともに、心のケアで大切なのは自分自身の在り方です。日常生活で注意することをはじめ、お助けアイテム、心の持ち方について紹介します。

 

アロマの力で不安を吹き飛ばす

 

 

気分が沈みがちなときは芳香浴でアロマの力を借りましょう。 おすすめの精油はラベンダーやベルガモット、クラリセージなど。

 

電気のアロマポットは手軽に楽しめるので、ぜひ持っていて欲しいアイテムの一つです。

 

ハーブティーでリラックスタイムを

 

1日のうち15分でも良いのでゆっくりティータイムをとりましょう。そのとき飲むのはハーブティーがおすすめです。

 

ハーブの香りは大脳を刺激します。香りも楽しみましょう。

 

おすすめはセントジョンズワート、ハイビスカス、ジャーマンカモミール、パッションフラワーなどですが、ブレンドされた商品もたくさんあります。ネットで購入できますので活用しましょう。

 

不安感が襲ってきたらこのツボ!



急に不安感を感じてドキドキしてしまったら、大陵を押しましょう。

場所は左右の手首の手の平側の横ジワの中央です。 手首を曲げると出る2本のすじの中間。

押し方は、親指を大陵にあて手首をつかむように押します。 3分間繰り返します。

 

今の自分を認めてあげましょう

 

責任感が強い人や頑張り屋さんほど更年期に心の症状が出やすいです。今まで出来ていたことがうまくいかなかったりすると、自信を失って自分を責めてしまうことも。

 

体力も落ちて、そこに更年期の不調があれば若い頃のようにはいかないのは当たり前です。そんな自分を責めるのはやめましょう。

 

子供が巣立ったらそこまで育てた自分に誇りを持ってくださいね。

 

家事はそこそこに。今までがんばってきた人はたまには手抜きしましょう。お掃除ロボや食洗器など活用するのも良いですね。

 

自分を褒めてあげよう

 

更年期って思春期と似ています。些細なことで傷ついたり不安になったり。でも、親であったり上司であったり・・・50代にもなるとゆらぐ心情を正直に表すことは難しいです。

 

この年代の悲観的になる心は、女性ホルモンの仕業、そして取り巻く環境によるストレスが原因です。ストレスになる外的な要因を取り除くことはなかなか難しいかもしれません。

 

まず、今の自分を認めて何が起きても責めないことです。「自分はよくやっている!」と褒めてあげてくださいね。

 

そして、ハーブのティータイム、アロマ入浴など取り入れてしっかりリラックスする時間を持ちましょう。

 

好きなアーティストの音楽を聴くことでも、写真集を眺めることでもなんでも良いです。自分が心地良いと思える時間を大切にしましょう。

 

まとめ

 

更年期の心はとってもデリケートです。情緒が不安定になっていると自覚する女性も多く、イライラだけでなく不安感や神経過敏になっていると悩む人の割合も多いのです。

 

  • 気分が沈むことが多くなった
  • わけもなく不安感におそわれる
  • 急に涙が出て止まらないときがある

 

その他にも「何もする気が起きない」「たまらなく寂しい」などネガティブな感情に支配されてしまうことも多くなります。

 

何もやる気がおきなくて人と会うのも億劫になって外出もしなくなったり、布団から出られなくなって会社を辞めてしまったという人もいます。

 

専業主婦であっても、家事もできなくなったりすると怠けていると言われることも。そんな自分を責めて、さらに症状が悪化すると更年期うつになりかねません。

 

更年期の心の不安定さは思春期のそれとよく似ています。傷つきやすい繊細な時期なのだと自覚して、しっかりケアしましょう。

更年期にイライラするのはなぜ?原因とすぐできる解消法

更年期の心の不調の原因と対策

40代後半から50代の女性がちょっと機嫌が悪いと「更年期?」なんて言葉を言われたりします。それくらい更年期=イライラが定着しています。

 

女性ホルモンのバランスが崩れることによって、体だけでなく心にもさまざまな不調が現れてくるのが更年期の症状! 自分では感情のコントロールがきかなくなることも多くなります。

 

人によってイライラすることが多かったり、反対に憂うつな気分が続いたりします。 今回は、イライラして困っている!なんとか解消したい!という悩みに焦点をあてて、その原因と解消法を紹介します。

 

更年期にイライラしやすくなるのはなぜ?女性ホルモンをおさらいしましょう

 

更年期とは閉経をはさんだ10年間です。ポイントは閉経!月経がなくなるわけですよね。

 

月経が起こる仕組みはエストロゲンプロゲステロンというふたつの女性ホルモンの作用です。

 

生理が終わって排卵日まではエストロゲンが多い時期で(卵胞期)、排卵後から生理まではプロゲステロンが多いのです(黄体期)。

 

このように、ふたつの女性ホルモンは女性の体で常に一定というわけではないのです。

 

生理前にイライラしたことありませんか?

 

女性ホルモンのバランスが急激に変化することから、だるさや頭痛、イライラや憂うつ感などが起こるといわれています。これはPMSといって生理痛とは別のものです。

 

更年期に起こる不定愁訴もホルモンバランスが大きく乱れることが最大の原因です。そのとき、女性の体にはこんなことが起こっています。

 

脳がパニック!自律神経も大慌て?

 

初潮から20年以上、ずっと女性ホルモンを作り続けてきた卵巣も疲れてきます。35歳くらいから徐々にその機能は衰えてきます。

 

でも、まだその頃は女性ホルモン値にそれほど変動はありません。 ところが、40代も半ばに近づくと卵巣で作られるエストロゲンの量が急に減り始めます。

 

 

生体は常に一定の状態を保とうとする働きがあります。 ホルモンを監視しているのが脳の視床下部というところ。これが司令塔となって、足りないときは分泌を促します。

 

エストロゲンが足りない!と感じた視床下部はすぐ下の下垂体に卵巣にエストロゲンを出させろ!と命令を出します。下垂体は実働部隊というわけです。中間管理職?

 

下垂体は卵胞刺激ホルモンを分泌して卵巣にエストロゲンを出すように命令しますが、卵巣はもう十分な働きができなくなっています。

 

この一連の命令系統にはフィードバック機能があって、もう十分だと判断したときは分泌をストップさせ、足りないときにはもっと出せと促します。

 

卵巣は命令どおりの分泌をすることができなくなっているので、視床下部がいくら出せ出せと指令を出してもエストロゲン量は足りていない状態です。

 

そうなると視床下部はヒートアップしていきますが、それが続くと混乱を起こしてしまいます。 その混乱が、同じ中枢を持つ自律神経に飛び火してしまうのです。

 

更年期の症状といわれる不調の一部は、自律神経失調症状なのです。

 

イライラして何が悪い?更年期だもん、て言える?

 

誰でも職場や家庭で意に沿わないことがあったりするとイライラします。ただ、更年期の症状はそれまでは気にならなかったような些細なことでイライラしたり、急にカーッとなって声を荒げてしまったりすることが問題なのですね。

 

その情動を抑えられなくなるので、まわりの人も自分自身も戸惑ってしまうことが多いのですね。もともと怒りっぽい人は、そういう人なんだとまわりの人も半ばあきらめていますから。それはそれで問題ですが。

 

更年期のイライラの問題点を整理してみましょう

 

先に説明したとおり、更年期にはエストロゲンの急減という大きな体の変化があって自律神経失調症状が強く出てしまいます。

 

イライラの原因がそれだけの場合は、更年期が過ぎれば嘘のようになくなってしまうことが多いのです。安心してくださいね。

 

そうは言ってもイライラしてばかりは精神衛生上よくないです。できれば解消したいですね。イライラの最大の問題はこのふたつだと思いませんか?

 

  • イライラして当り散らしてしまう自分に自己嫌悪
  • 仕事や家庭での人間関係に支障がでる

 

更年期を自覚して開き直る!宣言するのも手立て

 

カッとなってしまう自分、イライラしてしまう自分を責めないことです。更年期は誰にでもやってくるんだ!と自分の変化を自覚しましょう。

 

その上で、まわりの人に言ってしまうのもひとつの手です。家庭では、「お母さん更年期でイライラしちゃう時もあると思うけど許してね」と言ってみては?

 

親身になって同情してくれなくても、イライラしているな、と察したらすーっと姿を消してくれると思いますよ。目の前にいられて怒りをぶつけてしまうよりずっとマシです。

 

職場ではちょっと言いにくいかもしれませんね。 更年期で「体調がすぐれなくて不機嫌なときもあるかと思いますが」・・・ というくらいソフトに言うことがコツです。

 

イライラしてしまったら!その時するべき解消法

 

まずは深呼吸です。これはよく言われることですね。でも、その前にちょっとしたコツを知っていると心が落ち着く早道になります。

 

自分のイライラの原因は?

 

 

これは、目の前で起こったことを受け止めるということです。例えば、帰宅した娘が制服もかばんもソファに投げ出したまま・・・。イライラして「片付けなさいっ!」つい怒鳴ってしまいますね。

 

まず、自分が怒っていることを感じましょう。 あ、私怒っているんだ。じゃあ、何に対して? その答えは、

 

  • 部屋が散らかっているのが気に入らない
  • きちんとできない娘に情けない思いになる

 

その他にもあると思います。どれもこれも!ということも多いかもしれませんが、ひとつずつ考えていきます。

 

解決策は、 自分のことは自分できちんとできる娘にすること、とすれば怒鳴って叱ってやらせても効果はないことは育児をしてきた中でよく知っているはず。 反抗期の子供に対しては逆効果でしかありませんしね。

 

どんなふうに言ったら効果的か?我が家は「とりあえずBOX」に子供の私物はポイポイ入れてまとめて渡します。言ってもなかなかやらないときは、さらにイライラの原因になりますから。

 

冷静なときに、あらためてどうして欲しいか伝えます。 これは我が家の日常風景ですが、イライラしたときは一旦自分の感情を整理します。感情から思考へいかにスライドさせるかがポイントです。

 

そして深呼吸。同時でも良いです。胸に手を当てて落ち着くまで深呼吸してみましょう。「まぁ、いいか」と思えるまで続けましょう。

 

その場から離れる(物理的に距離を置く)

 

職場などでイライラしたときは、いったんその場所から離れるのも効果的です。トイレに立つなどして距離をおきましょう。そして深呼吸です。

 

更年期のイライラ解消法!アロマ効果で気分を鎮めよう!

 

アロマテラピーは日本語で芳香療法と訳されます。植物の力が凝縮された香りをかぐことで疲労回復やストレス解消、リラックス効果が高く、更年期の諸症状を緩和する効果が高いのでおすすめです。 アロマがどのように体に働きかけるか、簡単に紹介します。

 

鼻から脳へ伝わり心身へ作用

 

鼻くうの奥で感知されたアロマの情報は、電気信号におきかえられて脳に伝達されます。脳の大脳辺縁系や海馬、視床下部に伝わって心身へ作用するのです。

 

 

大脳辺縁系は感情、海馬は記憶、視床下部は自律神経やホルモン分泌、免疫の働きを調節しています。 それだけではなく、肺からも吸収されます。

 

ベースオイルで薄めたエッセンシャルオイルでマッサージすることでも効果が高いのです。

  • 肺粘膜から血管に吸収され各臓器へ
  • 皮膚から吸収して全身へ

 

イライラ解消におすすめのアロマエッセンス

 

エッセンシャルオイルにはそれぞれ効能がありますが、その人によって好きな香りもあるし、その日のコンディションによっても変わってきます。 基本は自分がそのとき心地よいと思える香りが必要としているということなのです。

 

とはいっても何を選んでよいか迷いますよね。 イライラしたときにおすすめのエッセンシャルオイルを一部紹介します。

 

  • イランイラン・・・アドレナリンの流出を抑え神経系をリラックス
  • クラリセージ・・・ホルモン調整作用にすぐれ更年期にはおすすめ
  • カモミール・・・高ぶっている神経や心を鎮める
  • ゼラニウム・・・鎮静作用、ホルモン調節作用もある
  • ペパーミント・・・怒りを鎮め精神的な疲労を取り除く
  • ラベンダー・・・ストレスを和らげ疲労を回復
  • サイプレス・・・イライラや興奮を鎮める

 

 

更年期のイライラ解消にはバランスの良い食事が基本!

 

イライラしていると「カルシウムが足りていないの?」と言われますよね。これ、ある意味正解です。でも、それだけではダメなのです。

 

カルシウムはマグネシウムとバランスを取り合って神経を調節しているので、同時にマグネシウムも摂る必要があるのです。

 

このように、イライラ解消にはこれが良い!不足分を補え!とたくさんの情報があふれています。それをひとつひとつ丁寧に実践していくことはなかなか難しいのが現実では?

 

もちろん、それができるのでしたらベストです。 イライラだけでなく、更年期の症状をなるべく軽く済ませるには食事はとても重要であることに変わりはありません。そこで、これだけは実践!というポイントをまとめました。

 

  • 野菜中心のバランスの良い食事
  • スナック菓子や甘い物、添加物の多いコンビニ食などは避ける

 

さらに、バランスの良い食事で特に気をつけたい7項目はこちら。

 

  1. 脂質を摂り過ぎない
  2. 糖分を摂り過ぎない
  3. 塩分を摂り過ぎない
  4. ビタミンを多く摂る
  5. カルシウムを多く摂る
  6. 食物繊維を多く摂る
  7. たんぱく質は植物性たんぱく質を中心に

 

スナック菓子などに含まれている食品添加物の中でも、リン酸塩はカルシウムの吸収を妨げるだけでなく、血中のカルシウム濃度も低下させます。控えましょう。

 

まとめ

 

更年期はホルモンのバランスが崩れることによって衝動的にイライラすることが多くなってきます。それに、40代50代は自分ではどうにもできないような様々なストレスにさらされる年代と言えるでしょう。

 

大事なことは、自分を責めないことです。もちろん理不尽に声を荒らげてしまったことに対して反省は必要です。

 

でも、真面目で誠実な人ほど自分を追い込みがち。更年期で過敏になっているんだ、とおおらかに構えて良いのです。

 

その上でなるべくリラックスした環境に身を置くことを心がけてください。今回紹介したアロマを使ったり気分転換でもいいです。バランスのとれた食事も忘れずに…。