パンくずリスト
  • ホーム
  • 更年期と女性ホルモン

カテゴリー:更年期と女性ホルモン

記事一覧

更年期以降は病気のリスクが高まる!?閉経後の女性が気をつけたい病気は?

更年期と女性ホルモン

 

女性の寿命は伸びていて、閉経を迎えてから30年以上の余命があります。大きく変化した自分の体のことを理解することは、老年期を素敵な円熟期にすることができます。

 

今回の記事では、閉経後の女性の体と気をつける病気を紹介します。

 

女性の体はエストロゲンで守られてきた

 

誰にでも訪れる更年期。複雑な気持ちを抱く女性も多いです。少なからずショックを受ける人もいるでしょう。

 

「生理がなくなって楽よー」という先輩からの言葉も素直に受け取れないことも…。

 

もう女として見られないのでは? という不安は、当事者になると思いのほか精神的にダメージを受けてしまうものです。

 

でも、女優さんやタレントさん、そして身近にも更年期を過ぎてもなおイキイキと輝いている女性がたくさんいます。

 

更年期以降はエストロゲンの働きによって守られてきたさまざまな病気のリスクが上がることは事実です。高血圧になった、骨がもろくなった、という話は聞いたことがありませんか?

 

女性の守り神!エストロゲンの偉大なる働き

 

エストロゲンは女性ホルモンのひとつです。ホルモンの特徴として特定の器官で作られ特定の器官で作用するということが挙げられます。

(成長ホルモンは別です。これは全身に作用します)

 

ホルモンが作用するためには、その刺激を受け取るレセプター(受容体)が必要です。 エストロゲンの信号を受け取り活用できるようにする受け皿(受容体)は全身にあります。

 

その機能も多岐にわたっていますが、よく知られているのが乳腺を発達させたり排卵などの生殖機能ですね。

 

また、骨を丈夫に保ったりコレステロールを調整するなど、女性はたくさんの恩恵を受けてきました。

 

では早速、卵巣からのエストロゲンの分泌がなくなることで起こる病気のリスクを見ていきましょう。

 

閉経後に気をつけたい病気

 

更年期障害の代表選手のホットフラッシュなど自律神経の乱れが要因となっている不調は、体がエストロゲンが欠乏している状態に慣れてくれば次第に治まっていきます。

 

でも、重要なのは、エストロゲンによって守られてきた女性の体は更年期以降一気に病気のリスクが高まるということです。特に顕著なのが骨と血管です。

 

骨粗しょう症

 

女性は老年期になると骨粗しょう症になる人が多いことはずいぶん知られてきました。エストロゲンは骨を丈夫に保つ作用があります。

 

骨は破壊と再生を繰り返しています。骨を壊す細胞を破骨細胞、作る細胞を骨芽細胞とよび、この二つをコントロールしているのが骨細胞です。

 

破骨細胞の働きに骨芽細胞が追いつかなくなると骨量が減少していきます。これが進んだ状態が骨粗しょう症です。

 

エストロゲンはこの破骨細胞を調整する働きがあることがわかってきました。具体的には、破骨細胞に細胞死を引き起こさせ、数や寿命を調整しています。

 

閉経後にエストロゲンが減少することによって、今まで抑制されてきた破骨細胞が暴走を始めます。

 

その結果、骨の再生が骨の破壊に追いつかなくなり骨量が減少していきます。 この状態は閉経後10~15年ほど続き、閉経後骨粗しょう症とよびます。

 

この時期を過ぎても安心できません。その頃は加齢による腸管などの老化によってカルシウムを上手く取り込めなくなり、慢性のカルシウム不足になっていきます。

 

体がカルシウム不足になると、それを補うために骨からカルシウムが溶け出します。この状態が続くと緩やかに骨量が減っていきますが、この状態を老人性骨粗しょう症といいます。

 

結局のところ、女性は更年期以降、骨がもろくなっていくわけです。

 

脂質異常症(高脂血症)

 

高脂血症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪が正常値を超えて高くなった状態をいいます。

 

自覚症状はないので健康診断のときなどに発覚することが多いのですが、放っておくと動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。

 

高血圧症

 

一般的に女性は血圧が低いことが多いのですが、更年期に血圧が高くなることがあります。これは、自律神経の乱れで常に交感神経優位になっていることが大きな原因と考えられ、通常は更年期を過ぎれば落ち着いてきます。

 

しかし、更年期以降に高血圧症になる女性もいるので注意が必要です。高血圧も動脈硬化を進ませる原因となります。

 

糖尿病

 

エストロゲンが減少すると内臓脂肪の蓄積が加速されるため、更年期以降に糖尿病を発症する女性が増えています。

 

糖尿病は、遺伝因子、過食、運動不足が原因と考えられていますが、エストロゲンの減少も要因のひとつです。

 

狭心症・心筋梗塞

 

心臓の冠動脈が動脈硬化になると血液の流れが悪くなります。心臓の筋肉が酸素不足になり激しい胸痛の発作がおこります。

 

これが狭心症発作で、一過性のもので10分以内に治まります。

 

さらに症状が進むと冠動脈が完全に詰まって血液が流れなくなり、次第に心臓の細胞が壊死していきます。これが心筋梗塞で命に関わる怖い発作です。

 

女性は閉経後、エストロゲンの欠乏によって心血管系の病気のリスクが高くなります。

 

脳梗塞・脳出血

 

脳の血流が詰まって血流障害を起こすことで脳の機能に障害が起こるのが脳梗塞です。

 

脳出血には脳内に血の塊ができる脳出血と、脳の表面を血液が覆うくも膜下出血があります。 以前は脳出血が多かったのですが、最近は脳梗塞が増えています。

 

脳出血は高血圧が引き金になりますが、治療薬の開発や減塩の浸透によって減ってきたと思われます。代わって動脈硬化を要因とする脳梗塞が増えているのです。

 

女性特有のがん

 

子宮がん(子宮体がん、子宮頸がん)や卵巣がんについても注意が必要です。

 

卵巣がんは更年期以降の女性に多く発症しています。

 

子宮体がんは子宮内膜がんとも言います。エストロゲンによって増殖した内膜は月経という形で排出されていましたが、閉経後はそれもなくなります。

 

エストロゲンは微量でも体内に存在するので、閉経後もエストロゲンの刺激によって子宮内膜が増殖し子宮体がんが発生しやすくなるのです。

 

まとめ

 

女性の体はエストロゲンによって守られてきました。こうして振り返ってみると、鬱陶しいと思っていた生理も愛おしくなりませんか?

 

閉経後はその恩恵がなくなり、女性の体は病気のリスクが高まります。そのことを意識して生活習慣を改めたり、健康診断を受けるなどしてしっかり予防したいものです。

 

そうすれば、シニア世代になってもいきいきと輝く未来が見えてくるはずです。

更年期以降の女性の体はどう変化する?女性ホルモンのエストロゲンはなくなっちゃうの?

更年期と女性ホルモン

更年期以降、エストロゲンは急激に減少していき、閉経を迎えると卵巣からの分泌が一切なくなってしまいます。

 

まずはエストロゲンが減少することによって起こるさまざまな不調、かかりやすくなる病気などを知っておきましょう。

 

閉経したらどうなる?女性の体に起こるさまざまな変化

 

エストロゲンは女性にとってとても大切な役割を担っています。卵巣から分泌され始めて初潮を迎え、妊娠しやすい状態や妊娠の継続という生殖に深く関わることはもちろん、女性の美容や健康に大きな貢献をしています。

 

  • 丸みを帯びた女性らしい体を作る
  • 妊娠・出産といった生殖機能
  • 生活習慣病などの病気のリスクを軽減

 

女性が男性に比べて高血圧などの生活習慣病が少ないこともエストロゲンによって守られているからなのです。

 

閉経を迎えると卵巣の機能は完全に停止します。卵巣で作られる女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンも作られなくなってしまうのですね

 

ところで、更年期障害で悩む女性が増えたのは近年になってからです。それは、日本人の平均寿命と大きく関わっています。

 

現代日本人女性の平均寿命は?

 

日本は長寿国であることは知っていますよね。2020年の調査では女性87.74歳 男性81.64歳 となっています。男女ともに過去最高を更新しました。

 

ちょっと豆知識、平均寿命とは?

 

平均寿命というのは、その年に死亡した人の平均年齢と勘違いされやすいのですがまったく違います。算出には複雑な試算方法がありますが、0歳の平均余命のことです。  

 

平均余命とは、その年齢の人が平均してあとどのくらい生きられるかを示したものです。厚労省の発表する平均余命表がありますので令和2年簡易生命表を載せておきます。 この

 

令和2年簡易生命表(男)
令和2年簡易生命表(女)

 

表からも、女性の平均閉経年齢は50歳前後なので、それ以降の人生は30年以上あると考えられるわけですね。

 

昔の女性には更年期はなかった?

 

さて、今を生きる女性にとって避けて通ることができない更年期ですが、それは近年になってからの概念です。

 

平均寿命が50歳を超えたのは戦後

 

今でこそ長寿国と言われている日本ですが、平均寿命が50歳を超えたのは戦後になってからなのです。

 

明治以前の日本は、乳児死亡率が高かったことが大きな要因で、今では信じられない年齢が平均寿命でした。

 

女性は出産も命がけ

 

例えば、平安時代の貴族の平均寿命は男女ともに20歳代と言われていますが、乳幼児死亡と出産時の女性の死亡がかなり多かったためです。

 

実際に20歳くらいまで生きた人の寿命は長かったそうです。ただ、その比率はかなり低いものですし、出産を経験した女性の割合はもっと低くなります。

 

更年期を経験しなかった理由

 

平均寿命が50歳を超えたのは戦後のことなので、閉経するまで存命していた女性の数が少なかったのは事実です。更年期を迎える前に亡くなる人が多かったわけです。

 

人生の3分の1はエストロゲン微量時代

 

女性の平均寿命は87歳となり、現在閉経年齢を迎えた女性も30年以上の余命があります。30年といったら人生の3分の1を占めます。

 

ダンベルを持つシニア女性

 

閉経後エストロゲンはゼロになる?

 

エストロゲンは主に卵巣で作られますが、実は妊娠中の胎盤や副腎でも生成されます。

 

閉経によって卵巣はエストロゲンを作ることはなくなりますが、副腎(主に副腎皮質)でも作られます。

 

といっても、副腎からエストロゲンが分泌されるわけではなく、副腎皮質ホルモンのアンドロゲンが変換されてエストロゲンになります。(アンドロゲンは男性ホルモンです。)

 

閉経後にまったく女性の体からエストロゲンがなくなってしまうわけではありませんが、その量はほんのわずかになってしまうのです。

 

閉経後は病気のリスクが高くなる

 

更年期は女性の体にとって大きな節目です。閉経後はエストロゲンによって守られてきた鎧がはずれて、骨粗しょう症をはじめ、高血圧や糖尿病など病気のリスクが高くなってしまいます。

 

こちらの記事を参考にしてください⬇

 

 

 

更年期の不調を上手に乗り切ることは、その後の30年を健やかに過ごすためにとても重要になってくるのです。

 

まとめ

 

閉経を迎え、卵巣からのエストロゲン分泌はなくなりますが、体からまったく消えてしまうわけではありません。微量ながら副腎でも作られます。

 

ただ、その量はごく微量でそれまで受けていた恩恵はなくなってしまうと考えたほうがいいでしょう。

 

それでも現代の女性は平均寿命まで30年という長い期間を過ごすことになります。更年期は心身をしっかりメンテナンスして素敵な円熟期を迎える準備期間と言えそうです。

女性の守護神!エストロゲンが減少するとどうなる?更年期以降の病気のリスク

更年期と女性ホルモン

 

高齢になれば誰でも病気のリスクは高くなっていきます。ただ、女性の場合は閉経によってエストロゲンの恩恵がなくなり、そのリスクはぐーんと高くなっていくのです。

 

今回はエストロゲンの役割と、更年期以降に気をつけたい病気について紹介します。

 

エストロゲンの働きは女性の一生に深く関わっている

 

女性ホルモンのエストロゲンは性成熟期を過ぎると急激に減少していきます。閉経によって卵巣からの分泌が完全になくなります。

 

やがてその状態に体は慣れていきますが、それまでに体にさまざまな不調が出てくるのです。 更年期とは女性の体が大きく変化する移行期。体や心理面でそれまでと違う不調が出て当たり前と言えるのです。

 

エストロゲンによって女性はさまざまな恩恵を受けてきました。エストロゲンの働きと女性の体との関係を知るとその有り難さがよく理解できます。

 

閉経によってエストロゲンはごくわずかな状態となり、その恩恵が受けられなくなってしまいます。

 

閉経後の更年期後期から老年期(円熟期の方が良いですね)の女性が健康を維持して生活していくためにも、女性ホルモンについて理解を深めておくことは大事です。

 

まず、女性の一生をエストロゲンの分泌量に主眼をおいて見ていきましょう。なんとなくわかっていることでも、再確認することで自分の体に起こっていた、または起こっている変化を素直に受け入れることができます。

 

女性の体に深く関係するエストロゲンの分泌量

 

卵巣からのエストロゲンの分泌は、初潮を迎える頃から始まります。閉経によって分泌はなくなりますが、ライフステージによって変化するエストロゲンの分泌量は女性の体に大きな影響を与えます。

 

思春期(8歳~18歳頃)

 

初潮を迎える頃に卵巣でエストロゲンが作られ始めます。初潮開始からしばらくは、卵巣の機能も未熟なので、月経周期も乱れがちで月経期間も長かったり短かったりと安定しません。

 

子宮もまだ未熟なので月経痛に悩まされることも多い年代です。数年経ちエストロゲンの分泌も安定して月経も落ち着き、卵巣や子宮の働きも成熟するまでの期間が思春期です。

 

性成熟期(19歳~40代半ば)

 

エストロゲンの分泌が安定し、月経周期も整ってきます。ちなみに、月経周期の正常な日数は25日~38日。24日以下の短い周期を頻発月経、39日以上あくことを稀発月経といいます。

 

性成熟期の前半は、体が妊娠出産にもっとも適した年代です。 早い人で35歳、遅い人でも40代になると徐々に卵巣機能は低下していきます。

 

エストロゲンの分泌も減少し始め、それまでエストロゲンの作用によって守られていた病気のリスクが上がっていきます。

 

更年期(閉経前後10年間:45歳~55歳頃)

 

閉経をはさんだ前後10年間が更年期です。一般的に45歳~55歳頃とされていますが、閉経年齢が人によって異なるので、早い人では30代後半、遅い人では60代で更年期を迎える人もいます。

 

この時期はエストロゲンが急激に減少します。その変化に体が付いていけずにさまざまな不調があらわれてきます。

 

老年期(円熟期)

 

更年期後、エストロゲンがほんのわずかしかない状態に体が慣れていきますが、それまでエストロゲンの作用によってガードされてきたさまざまな病気のリスクが高まっていきます。

 

特に骨量の低下は著しく、骨粗しょう症になる女性は70代以上では2人に1人と言われています。

 

エストロゲンの年代別分泌量

 

女性の体を守ってきたエストロゲンの働きとは?

 

女性ホルモンの働きは女性らしい体を作ったり、妊娠出産など生殖機能だけではありません。あんがい知られていない女性ホルモン、特にエストロゲンの偉大な働きを詳しく見ていきましょう。

 

  • 肌をきれいに保つ
  • 髪を艶やかにする
  • 骨を丈夫なまま保つ
  • 血管を丈夫に保つ
  • 脳の働きを活発にする
  • 精神を安定させる
  • 脂質の代謝をコントロールする

 

女性の肌は男性に比べて潤いがありますね。きめ細やかな肌や艶のある髪もエストロゲンのおかげです。

 

さらに、血管を丈夫に保ったり脂質の代謝にも関わっていて、同年代の男性に比べて高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病のリスクも軽減されているのです。

 

エストロゲンの恩恵がなくなると?

 

エストロゲンは女性の体を病気のリスクから守ってきました。閉経後、その恩恵がなくなるとどんな病気のリスクが高くなってくるのか知っておきましょう。

 

まずは一番注意するべきは骨粗しょう症です。

これについては別記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。

 

 

 

次に動脈硬化!動脈硬化を引き起こす原因となる病気と、動脈硬化から引き起こされる病気を分けて列記しておきます。

 

動脈硬化を引き起こす病気

 

  • 脂質異常症
  • メタボリックシンドローム
  • 高血圧症
  • 糖尿病

 

動脈硬化から引き起こされる病気

 

  • 狭心症・心筋梗塞
  • 脳梗塞・脳出血
  • 下肢閉塞性動脈硬化症
  • 腸間膜動脈閉塞症

 

女性特有のガンにも気をつけましょう

 

卵巣がん・子宮体がん・子宮頸がん

 

子宮頸がんは20代~30代が多いのは確かですが、60代で罹患したという例もあります。決してリスクはゼロではありません。

 

また、更年期以降はエストロゲンの減少によって萎縮性腟炎を起こしたり、尿失禁や頻尿といった症状も起こりやすくなります。

 

まとめ

 

更年期に差し掛かると頭を掠める「閉経」。ただ生理がなくなるというだけでなく、女性の体には様々な変化が訪れます。それも良くない方に!

 

残念なことに、これは自然の摂理なので避けることはできません。でも、自分の体がどう変化するのか、どんなリスクが高まるのかを知っておくことが大切です。

 

改めて体の変化に向き合い、更年期以降の人生を実りあるものにしていきたいですね。

更年期の不調の原因は女性ホルモンにあった!守護神とも言えるエストロゲンとは?

更年期と女性ホルモン

女性ホルモンという言葉は知られていますね。胸やお尻が大きい女性は女性ホルモンが多い、なんて言われたりしますが、まぁこれは都市伝説です。

 

このように、女性ホルモンの働きなど正しい知識がある人はあんがい少ないのです。でも!更年期障害にはこの女性ホルモンが大きく関係していることは本当。

 

現在更年期障害で辛い症状のある人も、更年期という年代に不安を抱えているプレ更年期の人も、女性ホルモンと心身の関係を知ることで、漠然とした不安を取り除くことができると思います。

 

では、女性ホルモンが女性の心身にどのような作用があるのか、詳しく紹介します。

 

女性の心身と深い関係!エストロゲンとプロゲステロンの働き

 

大きくわけて、女性ホルモンには2つの種類があります。

 

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

 

それぞれの役割を見ていきましょう。

 

エストロゲンは女性らしさを作るホルモン

 

まずは更年期の女性に一番関係の深いエストロゲンの役割から見ていきましょう。

 

女性らしい体を作る

 

思春期になると女性の体は丸みを帯びてきますね。また、女性は男性に比べて肌もしっとりしています。これらを促すのがエストロゲンです。

 

 

妊娠しやすい体の準備

 

エストロゲンは子宮にも働きかけます。排卵時には子宮頚管からの粘膜を増やして精子を受け入れやすくします。

 

さらに、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすくします。 ここまでの働きは比較的知られている女性ホルモンの働きですね。

 

これらは女性ホルモンの中でもエストロゲンの作用なのです。

 

 

エストロゲンは女性の守り神

 

さらに、エストロゲンには見えない働きもあるのです。女性は男性に比べて生活習慣病になりにくいと聞いたことはありませんか?

 

エストロゲンには、コレステロール値を調整したり、骨を丈夫に保つ、内臓脂肪をつきにくくする、脳の活動を活発にするなどさまざまな働きがあるのです。

 

エストロゲンは女性の守り神

 

プロゲステロンは母なるホルモン

 

妊娠を維持し胎児を育てる

 

プロゲステロンは妊娠維持に欠かせないホルモンです。黄体ホルモンといったほうが馴染がある人も多いかもしれませんね。

 

黄体ホルモンは排卵後、女性の体が妊娠しやすいように子宮内の環境を整えます。 妊娠しなかった場合に子宮内膜の脱落を促して月経を起こすのもプロゲステロンの作用によるものです。

 

妊娠すると、胎盤を形成させたり乳腺を発達させたり、妊娠継続と出産のために欠かせない作用があります。

 

また、プロゲステロンには基礎体温を上げる作用もあります。 受精卵が着床して妊娠が成立するとプロゲステロンの分泌が続くため、月経予定日になっても高温期が続いていることが妊娠の兆候といわれるのはそのためです。

 

そもそもホルモンって何?

 

女性ホルモンの働きをざっと見てきたわけですが、そもそもホルモンって何でしょう?どんな働きがあるのでしょうか?

 

ホルモンの働き

 

ホルモンは体の代謝や神経伝達などを促したり、または抑制したり、体のさまざまな働きを調節する化学物質です。血液など体液で運ばれて、特定の器官で働きを発揮します。(成長ホルモンは別です)

 

ホルモンを作る内分泌腺

 

ホルモンは体内の内分泌腺で作られています。主な内分泌腺は、下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵臓、胸腺、副腎、性腺(精巣・卵巣)、松果体などがあります。

 

ホルモンの分泌量はほんのわずか

 

内分泌腺は導管を持たずに血液中に直接分泌されます。その量はごく微量で、女性ホルモンのエストロゲンを例にとると一生でスプーン1杯程度と言われています。

 

ところで、内分泌腺に対して汗や唾液、涙などは外分泌腺といいます。こちらは導管があり、腺細胞で作られた分泌物は導管を経て体の外や消化器などの体腔内に放出されるわけです。

 

更年期に起こっているホルモンの変化は卵巣機能の低下が原因

 

卵巣の衰え

 

女性ホルモンは卵巣で作られる

 

女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは主に卵巣で作られます。卵巣は言わずと知れた卵子の部屋ですね。動物が生殖のために持っている機能です。

 

なので、悲しいかな役目を終えるときが来てしまいます。

 

ホルモンとして耳慣れたインスリンは膵臓で、メラトニンは松果体、副腎皮質ホルモンは副腎で作られますが、病気でその機能を失うことは別として、ずっと働き続けます。

 

しかし、卵巣の機能は年齢とともに低下し、閉経を迎えると完全に停止してしまうのです。

 

エストロゲンの減少の原因は卵巣機能の低下

 

卵巣機能の低下は、早い人で30代後半遅い人でも40代前半頃から始まります。卵巣機能の低下の度合いや、エストロゲンの減少の度合いは人によって違います。

 

また、ホルモンバランスが不安定になることに対する感受性も異なるので、更年期の症状の出方や期間に差が出るのです。

 

更年期は体が慣れるまでの移行期

 

閉経によって卵巣機能が停止し、それ以降エストロゲンを分泌することはなくなります。その後は副腎皮質などからエストロゲンに似たホルモンが分泌されますが、その量はごくわずかです。

 

更年期後は、次第にエストロゲンの微量な状態に体は慣れていきますが、それまでの移行期間が更年期というわけです。

 

まとめ

 

私たち女性は長い期間エストロゲンに守られてきました。それが閉経とともにその恩恵を受けられなくなってしまうわけです。

 

それでも今は人生80年!エストロゲンが急激に少なくなる更年期には様々な不調が現れますが、この時期をうまく乗り越えることがアフター更年期を快適に過ごすコツともいえます。