更年期女性の悩みで、とにかく眠い!があります。ホットフラッシュや頭痛といった急性的な症状と違って、気力で乗り切ろうとしている人が多いのでは?
今回はなぜ眠気が襲ってくるのか、その解決法を紹介します。
見過ごしがちな倦怠感
もともと更年期というのは、ホルモンバランスが大きく乱れることで、体だけでなく心にもさまざまな症状があらわれます。
日によって症状がころころ変わるのも特徴です。 その中でも、慢性的に感じるだるさや倦怠感は見過ごしてしまう症状ですね。
もちろん、「体力がなくなったなー」程度で上手く乗り切っていく女性は多いのも確かです。 でも!
- 眠くて仕方がない
- 仕事中に居眠りしそう
- 夕方になると我慢できない眠気に襲われる
こんな状態が続くとつらいです。横になることが多くなると、家族にも怠けてるんじゃないか?なんて思われそうで、かえってストレスになることも。
更年期のモーレツな眠気の原因は?
なぜ、こんなにも我慢できないほどの眠気に襲われるのでしょう?歳をとって体力がなくなったせい?それとも何か深刻な病気?気になりますよね。
確かに、50代にもなれば若い頃のようにはいきません。20代の頃は学校や仕事帰りにちょっと遊びに行っても大丈夫だったし、睡眠不足が続いても週末に取り返せたし、徹夜だって!
もちろん、いくら若くても度を越えると不調は起きますよ。 ところが、更年期を迎えた現在は?
- 仕事と家事でクタクタ~。平日はまっすぐ帰宅よー。
- 週末に寝だめしても疲れが取れない!
- 徹夜なんてとてもできない!
体力がなくなったせい?でも、私たちの親世代、60代70代の女性ってパワフルだと思いませんか?徹夜はしないでしょうし、無理はしていないでしょうが。
更年期は心身ともに疲れている状態!その理由は?
まず、人が猛烈に眠くなるのはどんなときでしょう?特に女性特有の眠くなる原因があります。
- 睡眠不足
- ホルモンバランスが崩れたとき
- 精神的に強いストレスを感じたとき
上記についてはあとで詳しく説明しますが、まずそもそもなぜ人は眠くなるのでしょう?当たり前だ、眠らないと死んじゃう!
人間が眠くなるふたつの理由とは?
そう、生体を維持するために人は眠りますね。そこにはふたつの理由があります。
- 恒常性を維持するため
- 生体時計によるもの
恒常性を維持するというのは、脳や体が疲れたときに寝ること。脳は休ませないと死んでしまいますから。疲れてくると無意識に睡眠を促す物質が溜まってくるわけですね。
もうひとつが、疲れとは関係なく一定の時間になると眠くなるからだのしくみです。
健康な状態であれば、夕方から睡眠を促すメラトニンがどんどん分泌され、夜になると自然に眠くなるというわけです。
寝ているのに睡眠不足になる!?
十分な睡眠時間というのは人によって違いますが、最低でも6時間はとりたいです。え?足りない?まず、自分の眠りのタイプを知っておきましょう。
最近耳にするのがショートスリーパー、ロングスリーパーという言葉です。その人によってどのくらいの睡眠が必要かで分かれます。
- ショートスリーパー=6時間未満の睡眠で足りる人
- バリュアブルスリーパー=6~9時間で流動的な睡眠で大丈夫な人
- ロングスリーパー=9時間以上の睡眠が必要な人
このタイプは体質的なもので、無理に変えられるものではないといわれています。自分がどのタイプかは更年期世代であれば経験則で知っているかと思いますが、ここで再考してみるのもおすすめですよ。
入眠時間、起床時間、睡眠時間、目覚めたときの感覚、その日1日の体調やパフォーマンスを一定期間メモして自分の睡眠サイクルを確認しましょう。
女性ホルモンの乱れが睡眠の質を大きく低下!
そして!女性ホルモンに大きく関係する更年期ならではの睡眠不足の理由もあります。
- 夜中にほてったり汗をかいて起きてしまう
- 手足が冷えて寝付けない
睡眠の質が下がってしまうわけですね。そうなると、11時に布団に入って7時に起きたとしても、寝ているのにすっきりしない・・・という不満が出てしまいます。
女性ホルモンと睡眠は大きく関係しています。生理前に猛烈な眠気が襲ってきた経験、妊娠初期にやたら眠い「眠り悪阻」の経験がある人も多いと思います。
更年期の場合は、エストロゲンが急激に減少することで自律神経のバランスが乱れるからで、細かく言うと生理前のPMSや妊娠中とはちょっと異なる部分もありますが、女性ホルモンの仕業という意味では同じですね。
更年期世代ははストレス包囲網と知るべし!
ストレスによっても猛烈な眠気が襲ってくると先ほど説明しました。ストレスを受け続けると脳はクタクタに疲弊してしまいます。
人は防御本能として脳をクールダウンしようと眠気を引き起こすのですね。ストレス解消法には「寝ることが一番!」という人もいます。あながち間違っていません。
また、ストレスによっても自律神経が乱れます。緊張状態が続くということは、交感神経優位のときが多いということです。これが、寝つきが悪い、眠りが浅いの原因ともなってしまうのです。
昼間の眠気対策!更年期だからこそ心がけたいこと3つ!
気をつける3つのポイントはズバリこれです。
- 生活リズムを整える
- 適度な運動をする
- ストレス解消をする
1.生活リズム(睡眠リズム)を整える
50代、まだまだ忙しいです。仕事をしていれば責任あるポストに就いているかもしれませんし、家庭でも子育てが終わっていないことも。
最近は出産年齢が上がっているので、まだ中学生、高校生、小学生のお子さんがいてもおかしくない年齢です。そうなると更年期と子供の児童期・思春期が丸かぶりです。
最初はなかなか難しいかもしれません。主婦って寝るのは一番最後、起きるのは一番最初・・・自然にそうなっている家庭は多いです。でも!今は自分の健康管理が最優先ですよ。
- 決まった時間に布団に入る
- 決まった時間に起きる
- 朝日を浴びる
ポイントは3つです。休日はちょっと朝寝坊したいところですが、いつもの起床時間から1時間程度にしましょう。
目覚めたらはカーテンをすぐに開けましょう。朝の光はセロトニンを活性化させます。曇りや雨の日でも効果はあります。
2.適度な運動をして心地よい疲れを!
いくら人には生体時計が機能して、夜になると眠くなるといっても、やはり質の良い睡眠には適度な疲れは必要です。夜の寝つきをよくするためにも日中しっかり体を動かしましょう。
だからと言って、激しい運動は逆効果です。朝のランニングもやりすぎると日中の眠気を誘ってしまいますよ。ウォーキング程度の軽い運動がよいです。
また、スポーツにこだわらず体をよく動かす習慣づけをするだけでも効果はあります。スーパーまで早歩きをする、エスカレーターではなく階段を使う、家の窓をピカピカにするなど。
家事をちょこまかこなすとかなりの運動量になります。ただ、腰に負担がかかりやすいのが注意点です。柄の長いモップを使うなど、家事道具を工夫してくださいね。
3、ストレスを溜めない!楽しみを見つけましょう
40代、50代はストレスの多い年代です。子供の受験?親も気が気じゃありません。また、子供が就職や結婚で巣立ったりすると、心にぽっかり穴が空いて気力がなくなる「空の巣症候群」と呼ばれるうつ気分になることも。
老親の介護問題も持ち上がる頃ですね。養親であれ、実の親であれ介護はたいへんです。親の旅立ちが増えてくるのもこの年代です。
自分自身の更年期の不定愁訴も大きなストレスであることは言うまでもありませんね。 夫婦関係も見直す時期に来ているかもしれません。
今までのように、「私がやれば済むから」と雑事を一手に引き受けてきた主婦は、家族にヘルプを出してもよい時期です。
ひとつひとつ解決するには問題が多すぎて、何から対処してよいのか分からなくなることもあるでしょう。ぜひ、自分だけの楽しみを見つけてください。
趣味というはっきりしたことでなくても良いのです。この音楽を聴くとハッピーになれる、この映画を観ると元気になるなど。
小さなハッピーをたくさん持っておくのも良いですよ。 我が家ではこういう私のプチ気分転換を「ママのガス抜き」と呼んでます。
昼間にどうしようもなく眠くなったときの解決策
それでも日中眠くてどうしようもないときはありますね。そんなとき、目を覚ますいくつかの方法を紹介します。簡単にできますので参考にして下さい。
- 耳を引っ張る
- ガムを噛む
- カフェインを摂る
- 息を止める(できるだけ)
- ツボ押し
- 誰かと話す
どれも当たり前のことばかりでした?耳を引っ張るのは瞬間的に効果は高いですよ。人前でガムを噛めないときなどおすすめです。
眠気覚ましに聴くツボは中衝(ちゅうしょう)、老宮(ろうきゅう)、合谷(ごうこく)、百会(ひゃくえ)、天柱(てんちゅう)、晴明(せいめい)などです。 参考になる動画があるのでどうぞ。
天柱は後頭部の髪の生え際で、首の中心にある僧帽筋のすぐ外側にあります。緊張型頭痛にもよく効くツボです。
昼寝をする場合の注意点
それでもつらいときは昼寝もアリです。ただ、その際30分以上は寝ないようにしましょう。
ノンレム睡眠に入ってしまうと寝覚めたときにボーっとしがちですし、夜の睡眠にも支障が! 寝る前にカフェインを摂ると10~15分程度で起きやすいです。
布団で横になるのではなく、ちょっとうたた寝くらいにしておきましょう。
まとめ
更年期の眠気は尋常ではない時があります。眠くて眠くてソファに倒れ込んでしまうこともありました。
主婦であったり母であったり、また仕事をしているビジネスウーマンもふだんから寝不足気味ではないですか?
更年期は体の変化がある時期ではありますが、同時に今まで頑張ってきたからだのメンテナンス期間だと思って労ってあげましょう。