更年期の動悸・息切れはなぜ起こる?原因を知っておこう!
何もしていないのに突然心臓がバクバク・・・驚きますよね。何か病気の予兆ではないかと心配になります。でも、実は更年期の症状でも案外多く聞かれる訴えなのです。
胸がバクバクするほかに、胃のあたりがなんとなくスッキリしない・ムカムカするといったこともあります。更年期になぜ動悸や息切れが起こるのか、その原因と対策を知っておくと安心です。
今回は更年期症状としての動悸や息切れの原因と対策について、そして他の病気の可能性について紹介します。更年期以降、女性は病気のリスクが高くなりますので、ぜひ知っておいてください。
更年期に突然動悸や息切れが起こる主な原因は自律神経の乱れによるものです。自律神経失調症の症状ともいえます。女性ホルモンと自律神経の関係を簡単に説明します。
エストロゲン不足と自律神経の関係
卵巣機能が衰えてくる閉経間近、卵巣はそれまでのように女性ホルモンを作ることができなくなります。特にエストロゲンの不足は女性の体をとても不安定にさせます。
ホルモン分泌の司令塔である視床下部は、体内のエストロゲンが少ないことをすぐさま察知して「もっと出せ!」と指令を出しますが、卵巣にはそれに答えるだけの力が残っていないので、やっぱり足りません。
それでも視床下部はどんどん指令を出し続けヒートアップしていきます。次第に視床下部は混乱してきますが、その混乱が同じ中枢をもつ自律神経に飛び火してしまうわけですね。
動悸はなぜ起こる?更年期障害の動悸の特徴は?
自律神経の乱れが動悸を引き起こすことはわかりました。ところで、動悸が起こる原因やシチュエーションを考えてましょう。
動悸ってどんな症状?
胸がドキドキする・ドクンと胸の中ではじけた感じがするなど、心臓の鼓動を自分で感じることをさします。
これは人によって感じ方はさまざまなようで、胸をドンドンとたたかれていると感じる人もいます。
どんなときに動悸がする?
健康な人でもこんなときは動悸が感じられますね。
- 運動をしたとき
- 緊張や不安を感じたとき
- 興奮したとき
- 脱水や熱中症になったとき
- 血圧が上がったとき
- 飲酒や喫煙
- 自律神経の乱れ・・・など
これらは病気を起因としない動悸で生理的な現象です。運動をしたときや緊張・興奮で交感神経が一時的に優位になっても、ふつうはしばらく経つと治まります。
更年期の動悸の特徴
更年期症状としてよく聞かれる動悸で特徴的なのは、 何もしていないのに突然胸がドクドク・・・ 運動もしていないし、特別興奮したり緊張したわけでもないのに症状がやってくることです。
さらに、就寝中に突然動悸がして目が覚めてしまうということもあるのです。
本当に更年期障害?他の病気が原因の動悸も!
更年期の症状としても動悸や息切れは起こりますが、当然すべてがそうとは限りません。閉経以降、エストロゲンがわずかになった女性の体は、さまざまな病気のリスクが高くなっています。
不整脈があるときは要注意!
更年期以降は心疾患にかかる人も増えてきます。動悸や息切れとあわせて不整脈がある場合はきちんと診察を受けましょう。
不整脈とは?
不整脈は脈が飛ぶことだけではありません。脈が早かったり遅かったりした状態も不整脈です。
- 頻脈(ひんみゃく)・・・脈が速い
- 徐脈(じょみゃく)・・・脈が遅い
- 期外収縮・・・脈がとぶ
通常、私たちの脈は50~100回/分です。アスリートなどはスポーツ心臓といって、1分間の脈拍が少ない人が多いそうですね。
ほとんどの不整脈は他の症状が伴わなければ特に心配はないそうですが、怖いタイプの不整脈もあります。
注意すべき不整脈
- めまいがしたり急に意識がなくなる・失神する
- 脈拍が1分間に40回以下で動くと息切れやめまいがする
- 突然激しい期外収縮がおこり心臓の動きが不規則になり、頻脈(1分間に150~200回以上)になる
上記のような不整脈のときは注意が必要です。
更年期は狭心症や心筋梗塞などの心臓病に気をつけなければいけませんので、不整脈があるときはまず検査を受けるようにすると安心です。
その他の考えられる動悸の原因
心疾患以外にも、動悸や息切れを起こす原因があります。
- バセドウ病・橋本病など甲状腺疾患
- 高血圧
- 貧血など
また、肥満も動悸を引き起こす原因になります。無理なダイエットは健康を損ないますが、更年期には美容と健康のためにも、特に適正体重を心がけましょう。
更年期障害が理由の動悸、治療は必要?どんな方法がある?
一通り検査を受けて、他の病気が原因ではない場合は特に治療の必要はありません。更年期の症状が落ち着いてくれば自然に治まります。
ただ、つらい時にはHRT(ホルモン補充療法)や漢方療法など更年期の治療を選択するのも方法のひとつです。
自律神経調整剤を使って治療する場合もあります。薬を飲まなくても、自律神経を整える生活習慣やリラックス方法を生活に取り入れることも有効です。
ストレスが大きな原因になっていることも!
女性ホルモンのエストロゲンの減少は、体の自然な変化なので致し方ないことですが、更年期といえば人生の中でもストレスの多い年代です。
ストレスが大きな原因になっていることもあります。
その場合、自分ひとりで抱え込まずに専門家を頼りましょう。精神安定剤での治療や、カウンセリングを受けるだけでも気持ちが楽になります。
更年期は小休止の時期!少し気を抜いたくらいがちょうどいい!
なんとなくだるい、やる気がおきない、急なのぼせなど更年期の症状はあっちにもこっちにも現れます。でも、そうそう休んでいられないのが40代50代です。
仕事人としても、妻としても母としてもまだまだ忙しい! 責任感の強い人であればなお更、更年期を理由に手を抜くことはできないのではないでしょうか?
でも、体が大きく変化する時期ですからスローダウンも必要です。生活や考え方を少し見直してみましょう。
- 睡眠をしっかりとって疲れをためない
- 適度に体を動かす
- 1日のうちで少しでも良いのでリラックスタイムを!
- 気分転換できる方法を見つける
一人でできるストレス解消法があれば良いですね。たまには気のあった友人とのティータイムも気分転換になるのでは?
過呼吸に注意!
動悸や息切れがしたときは、大きく深呼吸をしてリラックス。気持ちを落ち着かせましょう。症状が重いときは過呼吸になっていることがあります。
その場合の対処法を紹介します。 紙袋を口にあててゆっくり粋息を吸いましょう。このとき、ビニール袋は使わないでくださいね。窒息の危険性があります。
紙袋がないときは、自分の両手で口と鼻を覆って呼吸を。
まとめ
動悸や息切れも更年期障害の中で比較的多い症状です。私も突然ドクン!と心臓が波打つ経験をして焦ったことがあります。
しばらく安静にしていたら収まるのですが、やはり気持ちの良いものではありません。息切れもあぁもう歳だから…と違う意味で落ち込んだりしちゃいませんか?
更年期障害であれば一時的なものなので自然に収まっていきます。ただ、先述したように別の病気(高血圧やバセドウ病など)が原因のことも。おかしいと思ったら診察を受けるようにしましょう。
そして大切なことはストレスを溜めないことです。