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40代になって突然冷え症に!更年期の手足や腰の冷えは十分なケアを!

更年期の体の不調の原因と対策

 

東洋医学では冷え性も治療対象

 

冷え症は年代問わず多くの女性の悩みのひとつです。思春期を過ぎた女性の半数以上が冷えを感じているといいます。

 

また、最近は子どもの冷え性も増えていますね。 若いときはそうではなかったのに、更年期になって急に冷えに悩まされる女性も多いです。

 

もともと冷え症だった人はさらに重症化して「冷えのぼせ」という状態になってしまうこともあるので注意が必要です。

 

冷え自体は病気ではありません。でも、肩こりや頭痛、肌荒れや不眠など不快な症状につながります。

 

さらに、膀胱炎や関節リウマチなどの病気の原因にも! 冷えの原因と対策を紹介しますので、できることから実践してみてくださいね。

 

冷え症そのものは病気ではないと書きましたが、これは西洋医学でのことです。冷え症という病名がつかないという意味です。

 

そもそも病態としての定義がありません。本人が冷えていると自覚していれば「冷え症」なのですね。例えばこんな人は冷え症といえます。

 

  • 気温が特別低いわけでもないのに手足が冷たい、全身が冷えてつらい
  • 夜布団に入っても足が冷たくて眠れない
  • お腹を触ると冷えている

 

西洋医学に対して、東洋医学では冷え症は病気として治療の対象です。厳密には未病(発症にはいたらない病気の予兆)で、現代での予防医学ともいえます。

 

冷え症になる原因は?なりやすい人のタイプはあるの?

 

では、人はなぜ冷え症になるのでしょう?メカニズムをみてみましょう。

 

人間の体は気温が変化しても体温を一定に保とうとする機能があります。でも、これはあくまで生体維持のためです。脳や臓器を守ることが優先されます。

 

末端冷え症という言い方をするときがありますが、体の先端が冷えやすいのは当然のことです。血液を送り出す心臓から遠いから? その通りですが、もう少し詳しく説明します。

 

寒いときに手足が冷える仕組み

 

人間に体温を一定に保とうとする機能が備わっている理由は脳を守るためです。脳は44℃以上になると何かしらの障害が、33℃以下になると意識を失ってしまいます。

 

体温調節の司令塔は間脳の視床下部です。あれ?自律神経や更年期のキーワードのひとつですね。これについては後で説明します。

 

体が体温より低い温度にさらされると脳を守るために視床下部はふたつの指令を出します。

 

  1. 体から熱を逃がさないようにする指令
  2. 体内に熱を作り出す指令

 

このうち(1)の体から熱を逃がさないようにするために、毛細血管を収縮させます。

 

血流は熱を運びます。もともと皮膚の表面と手足の末端は熱を放出しやすいので、毛細血管を収縮させることで血流による熱の放出を抑えるわけです。

 

ちなみに、(2)の体内で熱を作り出すというのは、筋肉を振動させることによって起こります。寒さが増してくると体がぶるぶる震えてくるのはこのためです。

 

このように、人間は寒いときは手足が冷たくなって当たり前です。ただ、冷え症といわれるほどの状態になるにはいくつか原因があります。大まかに分けるとこれらです。

 

  • 倹約遺伝子の変異による遺伝的要因
  • 自律神経の乱れ
  • 冷えを引き起こす生活習慣

 

ひとつずつみていきましょう。

 

冷え症は遺伝する!?倹約遺伝子って?

 

まず遺伝的要因についてですが、冷え症に多いタイプに筋肉量が少ないなどの構造上の起因があります。男性より女性の方が冷え性が多いという理由もこれですね。

 

身体的な特徴は遺伝することは想像できます。しかし、近年の研究によって遺伝子レベルで冷え症になりやすい、すなわち冷え症は遺伝するという見解が出ています

 

肥満遺伝子って聞いたことありませんか?これは基礎代謝に関係する遺伝子で、現在で50を超える関連遺伝子が発見されています。

 

人間は苛酷な環境に追い込まれても生存することができるように、基礎代謝を落として生命活動を維持する機能があります。その遺伝子が肥満細胞が変異したもののひとつで、倹約遺伝子と呼ばれています。

 

その倹約遺伝子と冷え性がどう関係しているのか?気になりますね。 倹約遺伝子のβ3-ARの遺伝子変異は、交感神経の反応性を低下させると考えられています。

 

・・・なんのこっちゃ?ですよね。 かいつまんで説明すると、手足の末端に寒冷刺激を受けると交感神経が働いて血管がぎゅっと縮まります。

 

刺激がなくなれば交感神経活動は減少して血管は拡張するのですが、β3-ARの遺伝子変異を持っている人は、なかなか回復しないというものです。いつまでも手が冷たいままなわけです。

 

重度の冷え性は自律神経失調症?

冷え症の原因でキーワードともいえるのが自律神経の乱れです。ここまでで、冷えは血流が少なくなる状態だということは分かりましたね。 この血流に自律神経は大きく関わっています。

 

血行不良になる要因は他にもありますが、それはまたのちほど。 自律神経は呼吸や心拍、消化吸収、血流を管理しているとても重要なものです。

 

そして、外部環境の変化などから生体を守る恒常性の維持という欠かすことのできない役割も持っています。 気温の変化にも対応できるのもこの働きのおかげです。

 

更年期障害は自律神経失調症状のひとつ?

 

ホルモンバランスは自律神経と密接に関係しています。それは、どちらも視床下部が司令塔だから!

 

女性は毎月の生理周期でもホルモンバランスが崩れます。女性ホルモンのエストロゲンの分泌量に変動があるからですね。

 

更年期はエストロゲンが急激に減少する時期です。自律神経が乱れてしまうのはしかたないといえます。

 

冷え症の大きな原因は生活習慣!

 

遺伝的要因やホルモンバランスの乱れが冷え症の原因と聞くと、努力してもムダじゃないかと思われました?でも、これらはあくまで原因のひとつです。

 

それに、冷え症の原因は複数重なって起こりますが、その中でも生活習慣によるものが多くの割合を占めています。

 

良くない生活習慣を続けることによって、自律神経の乱れや血行不良を引き起こし、それが冷え症につながってしまうのです。 冷え症の人は特に以下の項目に気をつけてください。

 

  1. 睡眠はしっかりとる
  2. バランスの良い食事(偏食をしない)
  3. 体を冷やさない
  4. 体を動かす

 

暑いのに冷えてる?更年期女性に多い冷えのぼせに注意!

 

冷えのぼせとは、上半身はカッカとのぼせたように暑いのに手足が冷えている状態です。

 

これは冷え症が重症化したもの!50代女性がもっとも多く、次いで20代女性ということです。自律神経の乱れによる冷え症の典型例ですね。

 

更年期でホットフラッシュがつらいわ・・・という人も、実は冷え症になっているかもしれません。自覚症状のない人でも、ふだんから温めておきたい箇所を覚えておいてくださいね。

 

  • 首の後ろ
  • おなか
  • お尻
  • 足首

 

特に、のぼせやほてりが強いときはついつい首の後ろを冷やしてしまいがちですが、絶対だめです。冷やす場合は首の側面にしましょう。

 

更年期の冷え性を改善!絶対気をつけたい4つのポイント

 

若いときは冷えなんて全然感じなかったのに、更年期になって急につらく感じるほどの冷え性になった人もいると思います。ここでしっかりケアをしないと、症状の悪化や他の不調を招きかねません。

 

血流アップに適度な運動を

 

更年期の症状は冷え症だけではありませんね。頭痛や動悸がひどくて動くのもつらいときもあるかもしれません。そこまで酷くはないけれど、なんとなくだるくて体を動かすのが億劫だったり。

 

適度な運動は血流アップになります。ウォーキングはおすすめですが、日常生活でこまめに体を動かすようにするだけでも効果があります。

 

スイミングは体を冷やすので、冷えが気になる人は避けたほうが無難です。

 

一般に、男性より女性のほうが冷え性が多いといわれる理由のひとつに筋肉量があります。筋肉は熱を産み出します。

 

ムキムキになる必要はまったくないので!引き締まったきれいなふくらはぎを目指すのもよいのでは?

 

夏でもしっかり湯船につかりましょう

 

夏でもシャワーだけですまさないで湯船につかりましょう。

 

冷え症改善には半身浴が特におすすめです。ぬるめのお湯(38℃くらい)にみぞおちまで20分くらいつかりましょう。 その際、上半身を冷やさないように気をつけてください。

 

冬は前もって浴室を温めておくと良いです。肩にタオルをかけるなどして冷えないようにしましょう。

 

手軽にできるフットバス(足湯)もおすすめです。このときは40~42℃の熱めのお湯で。途中、冷めてきたらお湯を足してくださいね。

 

エッセンシャルオイルを1~3滴たらしてアロマバスを楽しむのも良いですね。 足湯におすすめのアロマはローズマリーとオレンジスイートです。

 

ローズマリーは若返り効果が有名です。甘くてフレッシュな香りのオレンジスイートは心も体も元気にしてくれます。

 

 

 

衣類は冷やさない!締め付けない!が基本

 

冷え症の人に薄着は禁物です。冷やさないのが一番です。ただ、更年期にはのぼせやほてり(ホットフラッシュ)、急に多量の汗が吹き出す(スウェッティング)という症状もあるのがやっかいですね。

 

やっぱりおすすめは重ね着です。襟元を締め付けるデザインの衣服は避けたいので、ショールは活躍します。

 

汗をかいたら必ずふき取りましょう。放っておくと冷えの原因になります。

 

また、血流を妨げないために体を締め付けるのもNGです。ガードルもやめておいたほうが無難です。インナーはほどよくフィットしたものを選ぶようにしましょう。ショーツはおへそが隠れるものがベストです。

 

靴にも気をつけましょう。ふくらはぎを締め付けるブーツ、かかとの高い靴も血行を悪くします。ちなみに、足の老化防止にはペタンコ靴も良くないです。ちょうどよいかかとの高さは身長の1.5%くらい。身長が160cmの人なら2.5~3cmです。

 

体を温める食材を摂りましょう

 

食事はバランス良く食べるのが基本ですが、冷え症改善のためにちょっと気をつけて摂りたいものを紹介します。

 

ただ、あれもこれもと食材を並べても覚えられないですよね。おおざっぱに体を温める野菜の特徴を紹介します。

 

  • 寒い地方で育つ作物
  • 冬が旬の作物
  • 地中で育つ作物
  • 暖色系の作物
  • 水分の少ない作物
  • 発酵しているもの

 

 

 

例外として、生の生姜は体を冷やすので熱を加えてください。トマトも鮮やかな色で一見体を温める野菜と誤解しますが旬は夏で水分が多く、体を冷やします。ただ、こちらも加熱するとあっため野菜に変わります。

 

まとめ

 

それまで冷えとは無縁だと思っていた人も、40代を過ぎ更年期にさしかかった頃に突然冷え性になることがあります。

 

「冷え」は東洋医学では未病に分類され、れっきとした治療対象。冷え自体も辛い症状ですが、放っておくと膀胱炎や関節リウマチなどの病気の原因にもなり得ることは先述したとおりです。

 

「冷え」を感じたら、今回紹介した対処法を参考にして悪化させないようにしてくださいね。