更年期かな?と思い始めた頃、顔のほてりやのぼせで戸惑った経験ありませんか?
急なほてりやのぼせのホットフラッシュ、大量に汗が出るといったスウェッティングは、更年期の症状の中でも多くの人が悩んでいるポピュラーなものなのです。
ホットフラッシュの起きる原因と起きてしまったときの緊急対策、予防について紹介します。
ホットフラッシュはなぜ起きる?予防はできないの?
更年期の代表選手ともいえるホットフラッシュも、エストロゲンの急激な減少で自律神経が乱れることが原因です。自律神経が乱れるということは、交感神経と副交感神経がうまく調節できない状態!
- 交感神経-活動する神経
- 副交感神経-リラックス神経
自律神経は、体の状態を一定に保とうとする大事な働きがあります。真夏の40℃近い日でも真冬でも、人間の体温は一定温度を保たれているのはそのおかげです。
熱いときは血管を拡張させて熱を放出します。反対に寒いときは血管を収縮させて熱が逃げ行くのを防いでいます。
その調節がうまくいかなくなって、暑くもないのにのぼせたり汗が出てしまうわけです。
- 血管が拡張→のぼせ・ほてり
- 血管が収縮→冷え
ここで、見落としがちなのが冷えのぼせです。
更年期の冷えのぼせにご用心!
ホットフラッシュと間違いやすいのが「冷えのぼせ」です。これは冷え症が慢性化して悪化した状態です。50代の女性に多くみられる症状ですが、最近は20代でも目立っています。
これも自律神経の乱れが原因ですが、更年期のホットフラッシュとは予防や対策が違うので、自分がどちらなのか知っておくことが大切です。
冷えのぼせの特徴
- 上半身の冷えは感じないが手足がとても冷たい
- 気温の高いときや運動後に胸より上がカーッと熱くなって汗が多量に出る
- 手の平や足の裏にじっとり汗をかく
- 手足は冷えているのにのぼせのような感じになることがある
ひとつでも当てはまったら要注意です。
ホットフラッシュは予防できる?
ホットフラッシュをはじめ、更年期症状の多くは自律神経の乱れによるものです。その原因は卵巣で作られてきた女性ホルモン、特にエストロゲンの急激な減少。
卵巣機能の衰えは誰もが避けて通れない現実なのです。
そのため、予防としては根本治療であるホルモン補充療法(低用量ピルを含む)や、体全体を整える漢方療法、自律神経の乱れを少なくする訓練法や生活習慣が大事になってきます。
HRT(ホルモン補充療法)
急激に減少する女性ホルモンを外から補って、体が徐々にエストロゲンの少ない状態に慣れることを目的にしています。
誰でも受けられるわけでもなく、また日本では受けている人の少ない治療法ですが、ホットフラッシュなど自律神経失調症状には高い効果があります。
漢方療法
女性ホルモンの減少は自然なことととらえ、症状や体質にあった方法で不調を取り除きながら、体全体を整えていくのが漢方の考え方。HRTとの併用もできます。
自律神経のバランスを整える
自律神経の乱れる原因はホルモンバランスの崩れだけではありません。その人が生まれつき持っている体質も大いに関係しています。
さらに、性格やそのときの精神状態、環境や社会的ストレスも大きく影響します。更年期だから仕方がない、とあきらめないで、生活や環境を見直してみましょう。
ほてりやのぼせの緊急対策はコレ!持っておくと便利なアイテム
急なのぼせや顔のほてりは想像以上につらいですね。私もキッチンに立っていて急にホットフラッシュになったこと数知れず。そんなときは無理をしないで横になりましょうね。
とりあえず冷やして熱を逃がす
冷たいタオルで首筋を冷やすとだいぶ楽になります。他に冷やして良いのは顔、頭部、脇の下。手足の先は一時的ならOKです。
ただこのとき首の後ろは絶対に冷やさないように!自律神経をますます乱すことにもなりかねませんよ。お腹やお尻も冷やさないように。
外出時の注意点と便利アイテム
体を締め付けるデザインは避けましょう。通気性の良い天然素材がベストです。ポイントは襟元が詰まっていないこと。熱が逃げやすいデザインが良いです。
重ね着でこまめに温度調節できことも大事です。ストールやカーディガンを活用しましょう。
私が重宝しているのが扇子。お気に入りの扇子にアロマを香らせて仰ぐだけで気分も落ち着きます。
おすすめのアロマ
リラックス効果として使いやすいのがラベンダーです。その他、ペパーミントなど爽快感のあるアロマもおすすめ。
発汗抑制作用のあるセージはホットフラッシュ対策に特におすすめです。フローラルウォーターを持ち歩いていれば、いざという時にシュッとひと拭き!
大量の汗をかいて恥ずかしい!スウェッティング対策
ほてりやのぼせといったホットフラッシュと、そこに大量の汗が噴出すスウェッティングが起こる場合もあります。
顔や胸より上にだらだらと汗が滝のように流れることも。 本人がつらいのはもちろん、人の目が気になって恥ずかしいという人も多いですね。
そのせいで外出も気が引けてしまったりするのは避けたいです。
外出時の汗対策を万全に!
これはホットフラッシュ対策と同じで、通気性の良いデザインを選んで重ね着を!脇の汗染みが気になるときは汗取りパットを使いましょう。
吸湿性のあるハンカチ(大き目が良いです)を数枚持ち歩くようにしましょう。
緊張でさらに汗をかいてしまうことも!
恥ずかしいと思うと緊張してますます自律神経が乱れてしまいます。事前の汗対策をすることで安心感にもつながります。
それに、汗をかいても案外まわりの人は気にしていないものです。ハンカチでこまめに汗を拭うようにしましょう。
お気に入りのハンカチや扇子を揃えて小物を楽しむくらいの気持ちでいましょうね♪
自律神経を整えることが予防に!簡単訓練法を紹介
自律神経を整える方法に、自律訓練法というのがあります。これはベルリン大学のシュルツ氏が考案したもので、1回3~5分でできる方法です。更年期の女性にはぜひ覚えて欲しい訓練法なので紹介します。
自律訓練法の流れ
7段階の標準練習から成り立っています。自律訓練法では、標準練習のことを公式と呼んでいます。
- 背景公式(安静練習)・・・気持ちが落ち着いている
- 公式1(重感練習)・・・両腕・両足が重たい
- 公式2(温感練習)・・・両腕・両足が温かい
- 公式3(心臓調整練習)・・・心臓が静かに規則正しく動いている
- 公式4(呼吸調整練習)・・・呼吸が楽だ
- 公式5(腹部温感練習)・・・胃のあたりが温かい
- 公式6(額部涼感練習)・・・額が涼しく、心地いい
最後に、消去動作をします
- 両手を強く握ったり開いたりする
- 両手を組んで大きく伸び
- 首や肩をよく回す
その他、体をほぐして自己催眠状態から覚める動作をします。
自律訓練法のポイント
安静練習は椅子に座った状態、または仰向けで手足を軽く開いた上体でリラックスします。できるだけ静かな場所で、時計やベルトははずします。
公式1のとき、最初は「右手が重い」(※利き手から)次に「左手が重い」「右足が重い」「左足が重い」と続きます。
このときの注意点は、「~重い」と頭の中で唱えたら、同じようにすることです。「~重たくなる」など変えるのはNGです。
慣れてくると両手が重い・・・でも良いです。公式2も同じようにします。最初は公式1と公式2ができればOK。それだけでリラックス効果があります。
時間の目安は3分~5分。うまく感じることができなくても終了します。これは公式1と2だけでも、公式6まででも同じです。
まとめ
更年期の女性の約半数が経験するといわれているホットフラッシュ!そのつらさはまわりの人には分かりづらいことも悩みどころです。
治療法としてはHRT(ホルモン補充療法)が比較的効く症状でもあります。あまりに頻度が多く症状も重い場合は婦人科で相談してくださいね。
漢方薬で体のバランスを整えることも効果的です。 また、ストレスも自律神経の乱れの元です。今回紹介した自律訓練法はぜひ役立ててください。
ホットフラッシュやスウェッティングを気にし過ぎることもさらに症状を引き起こす要因になります。気にし過ぎないことも大切ですよ。
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