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50歳代から急増⁉帯状疱疹は免疫力の下がる更年期を襲う痛い症状!悪化させないためには?

更年期の体の不調の原因と対策

 

帯状疱疹という皮膚病を知っていますか?これは、水ぼうそうにかかったことがある人であれば、だれでも発症する皮膚病です。

 

水ぼうそうは約9割の人が子供の頃にかかるといわれています。


帯状疱疹は、はじめの頃は皮膚にチクチクと刺すような痛みがあらわれますが、更年期には皮膚が過敏になって少しの刺激でも痛みや違和感を感じることがありますね。

 

つい見過ごしてしまいがちですが、そのチクチクは帯状疱疹の初期症状かもしれません。今回は、帯状疱疹とはどんな症状で注意するべき点を詳しく紹介します。

 

帯状疱疹と水ぼうそうの関係は?


先ほども書いたように、水ぼうそうはたいていの人が子供の頃にかかりますね。軽く済んでしまう人も中にはいますが、水ぶくれができて痒みをともなうことが多いなんとも辛い感染症です。


水ぶくれをつぶすと痕が残る!と言われた記憶があります。わたしは一箇所目の横に残ってしまいましたが・・・。


帯状疱疹のウィルスはヘルペスウィルスの1種で、この水ぼうそうと同じものです。初感染したときは水ぼうそうになります。


水ぼうそうは一定期間が過ぎると症状はなくなりますが、ウィルスは治ったあとも脊髄の神経節に潜んでいるのです。


それが、加齢やストレス、疲労などで免疫力が低下すると再び活性化してしまうのですね。


水ぼうそうにかかったことがある人は誰でも発症の可能性があるのです。

 

更年期の皮膚のピリピリと似ている?帯状疱疹の症状は?


帯状疱疹は体の左右どちらか一方に、ピリピリ・チクチクと刺すような痛みを最初に感じ、数日後には、水泡をともなった赤い発疹が帯状にあらわれます。


水ぼうそうにかかったときのウィルスは、神経細胞の中で大人しくしていますが、免疫力が落ちたときに一気に増殖し、神経を伝って皮膚に水ぼうそうと同じ発疹を作ります。

 

神経に添って広がるために帯状にひとかたまりにできるのですね。

 

帯状疱疹は強い痛みをともなう


帯状疱疹は水ぼうそうと違って神経に起こる病気なので、強い痛みをともないます。

 

私の母も50代のはじめ、まさに更年期にかかったことがありますが、痛みが強く眠れなかったほどだと言っていました。そのときの痕は今でもうっすら残っています。

 

 

帯状疱疹は体のどこに出る?


帯状疱疹の特徴は、体の左右どちらかに神経に沿って帯状に出ることです。体のどの部位にもあらわれますが、多いのは胸から背中にかけてです。


全体の半数以上が上半身にあらわれます。


目の周りにもあらわれやすく、その場合角膜炎や結膜炎を引き起こしたり、顔面麻痺を引き起こすこともあります。


また、部位によっては排尿障害や手足の運動麻痺が起こることもあるので注意が必要です。

 

帯状疱疹はどれくらいで治る?


帯状疱疹の皮膚症状は通常、水泡からただれ状になり、かさぶたとなって治っていきます。その間おおよそ3週間です。

 

ただ、皮膚症状が治っても後遺症が残る場合があります。

 

帯状疱疹の後遺症とは?


皮膚症状が治ってもピリピリした痛みがしばらく続くことがあります。これは、帯状疱疹後神経痛という後遺症で、帯状疱疹にかかった人の約2割に起きると言われています。

 

後遺症が残るのは、高齢者や体力が落ちている時、皮膚症状や痛みが強い場合に起きやすくなります。発症時の痛みは皮膚症状が強く出ますが、後遺症の痛みは神経の損傷によるものです。

 

更年期症状とストレスが免疫力を落としていませんか?


帯状疱疹にかかりやすい年代は60歳代を中心に、50歳代~70歳代に多く見られます。また、女性のほうが発症率が高いということです。


帯状疱疹の罹患率については、宮崎県で実施された宮崎スタディや日本皮膚科学会の調査などがあります。

 

それらを見ると、発症している年代は50代以上で全年代の7割以上を占めています。

 

帯状疱疹の罹患率は50歳から急上昇


50歳代といえば更年期の後半です。閉経してエストロゲンの恩恵もほぼなくなった頃です。骨やら血管やら気をつけることはありますが、体の抵抗力も落ちていませんか?


更年期を襲うストレスを振り返ってみましょう


40代後半から更年期の不調がボチボチ始まる人が多いです。

 

急なほてりやのぼせ、夜中でも目が覚めてしまって睡眠不足になっていませんか?

頻繁に起こる動悸や頭痛、耳鳴りでいつ症状が出るか過敏になっていませんか?

 

寝込むほどではないけれど、こんな不調が長く続くことはかなりのストレスです。

 

そして、精神面でのストレスも免疫力を落とす大きな原因です。子供の反抗期・・・わかってはいるけどイライラしたり落ち込んだり…。子供の巣立ちも淋しさとともに大きなストレスです。

 

更年期に理解のない夫も!男性は妻の不調に関しては鈍感です。それどころか不機嫌になったりしますよね。そうでない優しい男性がパートナーであれば、それはとても幸せなことです。


家庭のことをそれまで必死にこなしてきた女性は、自然と波風立たせないような思考回路になっていることが多いです。

 

そのせいで、自分が無理をしていることに気づくのが遅れがち。まずは自分自身を労わりましょう。

 

風邪の治りが遅いなと思ったら黄色信号


よく「母になると風邪を引かなくなる、1日寝てればケロッと治る」・・・なんて言いますね。確かに病は気からと言いますが、それは若いときのこと。

 

更年期は体が大きく変化するときです。自律神経の乱れは免疫力にも影響します。


私自身、50歳を過ぎてから風邪が長引くようになりました。熱が下がっても何日も頭痛が残ったりすっきりしない状態が続きます。

 

この時期に無理をすると、更年期障害が悪化したり、長引くこともあります。無理は禁物です。

 

帯状疱疹になってしまったら?治療と注意点


帯状疱疹にかかってしまったらなるべく早く治療を開始しましょう。発疹ができて3日以内が目安です。皮膚がチクチクして変だな、と思ったら注意して見ていて下さい。

 

わき腹や背中側は自分ではなかなか見られないかもしれないので、パートナーやお子さんに確認してもらってくださいね。

 

帯状疱疹の痛みは人によってかなりキツイので、重症化させないことがポイントです。

 

帯状疱疹の治療


治療には抗ヘルペス薬が使われます。抗ヘルペス薬はウィルスの増殖を抑え急性期の皮膚症状や痛みを和らげます。

 

また、痛みがひどい場合は消炎鎮痛剤を用いたり、神経ブロックという治療が行われることもあります。

 

外用薬(塗り薬)を使う場合もあります。これは皮膚の症状や痛みを改善させる・他の人に移さないよう皮膚を覆う効果があるためです。

 

 

かかったときの注意点


帯状疱疹は免疫力が低下したときを狙ってきます。ということは、疲れているんです!

 

まずは安静第一に過ごすことが大切です。家事も仕事も手を抜きましょう。重症化させて後遺症(帯状疱疹後神経痛)になったら、それこそ何年も痛みを引きずることになってしまいます。


かかってしまったときの注意点です。

 

  • 安静に過ごす・無理をしない
  • 患部は冷やさない
  • 水ぶくれはつぶさない

 

また、帯状疱疹はそれ自体は他の人に移ることはありませんが、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児には移ることがありますので注意しましょう。

(水ぼうそうを発症させる、という意味で、帯状疱疹になるわけではありません)

 

免疫力を落とさない!更年期の健康管理


更年期に限らず、健康的な生活を送るために言われていることは以下の3つです。

 

  • 栄養バランスのとれた食事
  • 適度な運動
  • 規則正しい生活

 

これらに加えて欠かせないのがストレス解消!

 

更年期の食事のポイント

 

バランスの良い食事は健康の基本です。子供も手を離れて夫も残業や接待でひとりで食事をすることが多くなると、つい手抜きになりがちです。


でも、見方を変えれば自分のために自由に献立を考えられるのです。家族に不評だった大豆製品や肉中心だった食卓も自由に選べます。

 

更年期以降気をつけなければならないのが「肥満」「コレステロール」「骨粗しょう症」です。これらの予防に気をつけながら、バランスの良い食事が理想です。


ひとことで言えば、野菜をたっぷり!タンパク質は魚介類や大豆製品から、さらにビタミンA、C、Eなど抗酸化ビタミン・カルシウム・食物繊維・骨粗しょう症予防にビタミンDが不足しないようにしましょう。

 

更年期に始める運動


今までスポーツをしてきた人は別ですが、いきなりハードな運動は逆効果です。更年期に始める運動は体に負担がかからない適度な運動にしましょう。


特に更年期に運動がすすめられるのは、適度な運動は心肺機能を高め健康増進に良いからです。また、体を動かすことは心身のリフレッシュにもなります。


さらに、血流が良くなり骨を作る骨芽細胞を刺激して骨量の増加も見込めます。骨粗しょう症予防にもなるのですね。運動のポイントは、

 

  • 長く続けられる
  • 関節や靭帯に負担がかからない
  • 適度に心拍数を上げるもの
  • 楽しみながらできるもの

 

例えば、ウォーキングや軽いジョギング、水泳、ヨガも人気です。心拍数の目安は、50歳の女性で1分間に120~140を維持する程度の負荷が理想です。

 

規則正しい生活で自分のペースを貫こう!


更年期・・・アラフィフですね。仕事を持っている人は責任ある立場で忙しいことと思います。でも!少しペースを緩めましょう。人材育成と思って部下に仕事を任せる勇気も必要な時期では?


主婦の人は、まずしっかり睡眠をとりましょう! 一番先に起きて一番最後に寝る-こんな生活を何十年も続けていませんか?

 

更年期の不調も実は睡眠不足が一番の要因だった、なんてこともあります。

 

ストレス解消はまずリラックスする感覚を取り戻すことから


ストレス解消法、これは現代人にとって永遠のテーマではないでしょうか?

 

「没頭できる何か」が見つかれば最高です。それが難しいときは、何もしない時間を贅沢タイムとして持ってみましょう。


一緒に暮らす誰かがいる人は、一人のとき「何か」をしようと躍起になっていませんか?

 

散らかっている部屋を片付けておこう、埃がたまってるから拭いておこう、シンクを磨いておこう・・・家事は次から次へとやることが見えてきてしまうものです。


ある程度整っていれば大丈夫!そのくらいの気持ちで、何もしないで好きな飲み物でも口にして静かな時間を過ごしてみましょう。

 

体からも心からもスーッと力が抜けていくのを感じることって大切です。

 

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まとめ


今回は更年期の女性に発症しやすい帯状疱疹についてまとめました。母をはじめ友人にも発症したことがきっかけです。

 

仕事と家庭を両立させて、いつも元気な人たちです。でも、がんばりすぎはやっぱりよくありません。

 

わたし自身、更年期にさしかかり風邪の治りが悪かったり、夕方になるとだるくて家事をするのも億劫なことがあります。

 

更年期は自分の体を労わって生活習慣を見直す時期でもあります。


帯状疱疹は誰でも発症するリスクがあります。日本人の9割が水ぼうそう罹患者ですから。免疫力を落とさないよう、生活習慣の見直しとストレスコントロールがとても大切です。

閉経後は要注意!骨粗しょう症(骨粗鬆症)が更年期以降急増する理由は?

更年期からのアンチエイジング

一般的に言われている更年期は45歳~55歳です。骨粗鬆症なんて、もう少し上の世代のことだと思っていませんか?ちょうど母親の年代、70代後半から80代くらいの。

 

ところが、更年期を迎えた頃から骨は徐々に弱くなっていくんです!

 

今回は、女性の宿命ともいえる骨粗鬆症とはどんな病気か?その先にある本当に気をつけなければならないリスクについて詳しく説明します。

 

体を支えるだけじゃない!最も重要な骨の役割


骨の役割は、脳や内臓を守る保護組織、体を支える支持組織だけではありません。もちろんそれらも大事な役割を担っていますが、もっと重要なのはカルシウムの貯蔵庫としての役割です。


カルシウムは生体の維持に欠かせない成分です。正常な生命活動を維持するためには、血中のカルシウム濃度は厳密に一定の割合を保つ必要があります。(8.5~10.0㎎/dl)

 

血中濃度の変化がもたらす体の不調


カルシウム濃度が一定の値を10%程度前後するだけで、さまざまな症状が出てきます。

 

  • 低下→知覚障害や筋肉の痙攣
  • 上昇→意識が薄れてこん睡状態に

 

カルシウムを摂取する方法は食べ物を食べることによって腸管から吸収されることです。排出は便や尿です。

 

このバランスが取れていることが大事なのですが、必ずしも必要なカルシウムを摂取できるとは限りません。食事から足りていないときもあれば、絶食しているときもあります。

 

このことからも、生体には食物からのカルシウム摂取(供給)がなくても、血中のカルシウム濃度を一定に保つメカニズムが働いていることがわかりますね。

 

血液中のカルシウムが低下すると、貯蔵庫である骨からカルシウムが取り出されるしくみになっているのです。

 

骨粗鬆症ってどんな病気?閉経後の女性に多いのはなぜ?


骨は固いというイメージがありますね。体を支える支持機能としての役割があるので確かにその通りです。

 

ただ、骨は一度作られたらずっとそのまま固定されている無機質なものではなく、常に代謝をしています。

 


どういうことかというと、骨は絶えず古くなると壊され、新しく再生を繰り返しています。骨も皮膚や血液と同じように新陳代謝を繰り返しているのです。

 

これを骨のリモデリング(骨改造現象)といいます。

 

骨吸収と骨形成のメカニズム


骨のリモデリングには3つの細胞が関わっています。

 

骨は古くなったり血液中のカルシウムが足りなくなったりすると骨を破壊する細胞がくっつきます。→破骨細胞


破骨細胞は強い酸性の物質を分泌して骨を削り、中のカルシウムを取り出し、血液中に吸収します。(骨吸収)

 

削られた部分には今度は骨を作る細胞が働きます。→骨芽細胞

 

骨芽細胞は削られた部分にカルシウムを塗り固めるように骨を作っていきます。(骨形成)


このふたつの細胞(破骨細胞と骨芽細胞)をコントロールしているのが骨細胞です。

 

 

骨のリモデリング

 

骨の新陳代謝に異常が起きると骨粗鬆症になる


骨吸収と骨形成がバランス良く働いていれば、骨は健康を保っていられます。ところが、このバランスが崩れ、骨吸収に骨形成が追いつかなくなるときがあります。

 

そうなると、骨の削られたままの部分できてしまいます。穴があいて細く、弱くなってしまうのですね。これが骨粗鬆症なのです。

 

健康な骨と不健康な骨

 

骨粗鬆症とは骨がもろくなり骨折しやすくなる病気

 

女性ホルモンは骨の健康に欠かせない!エストロゲンの作用とは?


女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、丸みを帯びた体型を作ったり、皮膚や髪を艶やかにするといった「女性の美」に大きく貢献しています。


さらに、エストロゲンの働きは骨や血管を丈夫に保つという、女性の健康に欠かせない重要な役割も担ってきました。

 

閉経を迎えて分泌量が激減することによって、さまざまな病気のリスクが高くなります。
そのひとつが骨粗鬆症のリスクです。

 

エストロゲンが骨の健康にどう貢献してきたか


骨を強く保ち守ってきたとは具体的にどう作用していたのかみてみましょう。

まず、骨は骨吸収と骨形成という新陳代謝を繰り返していることは説明したとおりです。

 

エストロゲンは骨が削られるのを食い止める

 

エストロゲンには、骨を壊す破骨細胞を減らし骨形成をする骨芽細胞を増やす作用があります。

 

「破骨細胞を減らす」というのは、エストロゲンが破骨細胞の細胞死(アポトーシス)を引き起こして数や寿命をコントロールしていることが分かっています。

 

 

エストロゲンはビタミンDを活性化させる

 

骨の形成に欠かせないのがビタミンDです。ビタミンDはカルシウムを効率よく吸収するために必要不可欠なビタミン。


食事から摂ったカルシウムは小腸で吸収されます。このとき吸収を助けるのがビタミンD。カルシウムを運んだり、骨に沈着するときにもビタミンDが必要です。

 

ビタミンDは食べ物から摂取したり、日光を浴びることによって体内で生成されますが、しかしそのままでは骨を作る働きはしません。

 

そのためには活性型ビタミンDに作り変えられる必要があります。

 

体内に入ったビタミンDは、まず肝臓で活性化します。続いて腎臓で2回目の活性をして活性型ビタミンDになりますが、このときに働くのがエストロゲンなのです。

 

エストロゲンは骨を守るホルモンの調整役!

 

血液中のカルシウム濃度が一定に保たれている仕組みを簡単に説明します。


血液中のカルシウム濃度が低くなると、副甲状腺から副甲状腺ホルモンが分泌されます。このホルモンは骨を溶かしてカルシウムを血液中に取り込ませるよう働きます。


血液中のカルシウム濃度が高くなると、今度は副甲状腺ホルモンが減ってカルシトニンというホルモンが増え、骨の溶かし出しにストップをかけます。


エストロゲンは副甲状腺ホルモンの分泌を抑制して、カルシトニンを活性化させる作用があります。こうして、骨からカルシウムが過剰に溶け出すのを防いでいるのです。

 

更年期の女性に関係の深い閉経後骨粗鬆症


このように、女性ホルモンのエストロゲンは骨の健康を保つために直接的あるいは間接的に重要な働きをしています。

 

エストロゲンが激減する閉経後の女性が骨粗鬆症になりやすいのはこのためです。

 

骨粗鬆症にはいくつかタイプがあります。その中でも更年期を迎えた女性の骨粗鬆症を「閉経後骨粗鬆症」と呼びます。

 

 

骨粗鬆症のタイプ

 

  • 閉経後骨粗鬆症―骨粗鬆症は加齢にともなって増えていきますが、思春期や出産後に起きることもあります。これらもエストロゲンの欠乏が原因となっているので、閉経後の女性の骨粗鬆症を「閉経後骨粗鬆症」と呼びます。

 

  • 男性における骨粗鬆症―骨の構造は男女に差はありません。骨粗鬆症は女性に限った病気ではなく、男性でも骨粗鬆症になる人がいます。

    原因はやはり骨代謝異常ですが、男性の場合は男性ホルモンと女性ホルモンの両方が関わっているので「男性における骨粗鬆症」と呼んで区別しています。

 

  • 続発性骨粗鬆症―薬の副作用や甲状腺や関節リウマチまたは栄養不良で骨代謝異常が起こったりして発症する骨粗鬆症を「続発性骨粗鬆症」と呼びます。

 

 

副腎皮質ホルモン(ステロイド)と骨粗鬆症

 

副腎皮質ホルモンは骨芽細胞の働きを弱めます。関節リウマチやネフローゼなどの腎臓病、アトピーなどで長期にわたって大量にステロイド剤を服用していると骨が弱くなります。

 

 

骨粗鬆症はなぜ女性に多いのか?エストロゲン量の違い!?


男性も骨粗鬆症になることはありますが、その数は女性に比べて段違いに少ないのは事実です。その比率は女性6に対して1、50歳以上でみても約4%といわれています。

 

なぜ男性に骨粗鬆症が少ないのでしょう?骨も加齢によって弱くなるのは性差はないので、高齢になるにつれ発症率は近づいてくるはずですね。


それにもエストロゲンが関係しています。

 

一般的に男性のほうが女性より体は大きいですね。骨量も多いです。ただ、骨量と骨密度は関係ありません。男性のほうが骨が強いというわけではないのです


実際、40代の閉経前の女性と男性を比べてみると、女性の骨密度のほうが上回っています。

 

閉経後は男性より女性ホルモンの数値が低い!?


性ホルモンは男性ホルモン女性ホルモンがあります。男女ともにどちらも体内にあります。女性にも男性ホルモンが、男性にも女性ホルモンが存在しているわけです。


女性の場合、女性ホルモン(エストロゲン)は更年期以降急激に減少します。対して男性の場合はこのような変化はないので、閉経後の女性より男性のほうか血液中のエストロゲン量が多いのです。

 

例えば50代後半になると女性はE2が10pg/mgにまで減るのに対して、男性は30pg/mg程度です。


このように、50代以降の男性は女性よりも骨密度が減りにくいので、骨粗鬆症になりにくいといえます。

 

ただし、男性が骨代謝異常になり骨粗鬆症を起こすと、女性より重症化しやすい傾向があります。

 

骨粗鬆症になるとどうなる?気づきにくい骨折がQOLを低下させる

 

骨が弱くなり骨折しやすくなるのが骨粗鬆症です。骨折といってもポキッと折れるものだけではありません。

 

弱くなった骨が体の重みに耐え切れず、押しつぶされるように骨折することが多くなります。圧迫骨折といいますが、最初はなかなか気づかないことが多いのです。


こんな症状は要注意!

 

  • 背中が丸くなった
  • 身長が縮んだ
  • 背中や腰が痛い

 

 

骨粗鬆症で骨折しやすい部位


骨がもろくなって最初に起きる骨折は背骨、胸椎や腰椎です。骨量は閉経前5年くらいから減少していきます。早い人では50歳代後半に最初の椎間骨折が起きることがあります。

 

その後2箇所3箇所と骨折していくと、背中が丸くなり身長も縮み、普段どおりの生活がしにくくなっていきます。その他、骨折しやすい部位はこれらです。

 

  • 腰骨
  • 手首
  • 肩の付け根
  • 太ももの付け根

 

 

布団の上げ下ろしや、ちょっと手を付いたといった何気ない動作で骨折してしまうのが骨粗鬆症なのです。

 

骨粗鬆症は要介護や寝たきりの原因にもなる!死亡率も!?


日本人の寿命は戦後ぐんぐん伸びて、更年期は女性にとってのターニングポイントとなりました。


人生50年といわれた時代であれば、閉経を迎える頃にはすでに人生の幕は降ろそうかという時期ですが、今は残りの人生は30年以上です。


更年期は老後を考え出すときでもあります。誰でもが健康で楽しいシニアライフを送りたいと願いますね。寝たきりにはなりたくない・・・。


そのためには、骨を丈夫に保ち、寝たきりにならないことがとても重要なのです。

介護を受けている人が、その原因となった原因の第一位が脳血管疾患です。次いで高齢による衰弱がありますが、転倒や骨折で要介護になった人が多くいます。


寝たきりになった原因の第2位も「転倒・骨折」です。


最近、大腿骨頸部骨折が増えています。大腿骨頸部は足の付け根です。ここを骨折すると歩けなくなり、治療には入院とリハビリが必要です。

 

治療後も約30%の人に日常生活に支障が出るようになります。

 

 

骨粗鬆症の人は動脈硬化になりやすい?


最近では、骨粗鬆症と動脈硬化との関連も指摘されています。骨密度が低いほど動脈硬化の傾向があることが分かってきました。

 

動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞などの心臓血管系の病気を引き起こします。


これらの病気は寝たきりや要介護となるハイリスク要因です。死亡率もぐっと上がります。

 

将来の心臓血管系の病気のリスクを減らすためにも、骨粗鬆症の予防と治療は大切です。

 

 

骨粗鬆症になりやすい人とは?閉経以外の要因


骨粗鬆症は生活習慣病という位置づけです。WHOの治療基準をみてみましょう。

 

  • 骨密度が低いあるいは痩せている(BMIが18.5以下)
  • 50歳以降に骨折歴がある
  • 年齢
  • 母親に骨折歴がある
  • アルコールを1日2単位以上摂る
  • 喫煙
  • 治療でステロイドを使ってきた
  • 関節リウマチがある

 

※アルコールが2単位以上とは
・ビール・・・350ml缶3本
・日本酒・・・2合(360ml)
・ワイン・・・グラス4杯(480ml)
・ウィスキー・・・ダブルで2杯(120ml)
・焼酎・・・35度ロックで3杯(150ml)
・梅酒・・・ロックで8杯(400ml)

 

WHOの骨折危険率から考え合わせた治療開始基準を提唱しています。それらから危険因子として挙げられているのが上記の8項目です。


では、次に具体的に骨粗鬆症になりやすい人をみていきましょう。

 

体格や体質による要因


体格は骨量と関係があります。身長が高く痩せていない人は骨量が多いのが一般的です。それは、体重が重いと骨に負荷がかかり強度を増すからです。


骨量のピークは18歳ですが、最大骨量がどのくらいになるかは遺伝的な体質にかかわってきます。母親や祖母が骨粗鬆症になっていれば、最大骨量が低めである可能性が高いといえます。


また、若いときから些細なことで骨折をしたことがある人も要注意です。

 

  • 小柄で痩せている人
  • 母親が骨粗しょう症

 

初経や月経との関係

 

初潮が他の人より遅かった人は、エストロゲンの上昇が始まるのが遅かったといえます。そのため骨量のピークとなる時期に十分な骨量が得られていなかった可能性があります。

 

また、月経不順が長期にわたってあった人より、きちんと来ていた人の方が骨量の減少が少ないという調査結果が出ています。もちろん、これらは個人差があります。

 

両方の卵巣の摘出手術を受けている人は、卵巣から突然エストロゲンの分泌がなくなるので、急激な骨量の減少が起こります。

 

  • 初潮が遅かった・月経不順が長期間あった
  • 卵巣(両側)を摘出している

 

若い頃あまり運動をしていない


中高生の頃に十分な運動をしていないと、骨量のピークが低くなり将来骨粗鬆症になりやすいといえます。骨量のピークは18歳頃なので、それまでにいかに骨量を増やすかが決め手!


この時期は、良い食習慣と適切な運動で最大骨量を高めることが大事なのです。運動は、骨に重力の負荷がかかるようなものが骨を強くします。

 

  • 中高生の頃運動を十分していない
  • 若い頃から体を動かすのが苦手

 

骨粗鬆症の原因となる生活習慣


骨粗鬆症は生活習慣病です。遺伝や閉経といった身体的な要因は変えられませんが、生活習慣は見直すことができます。骨粗鬆症の原因と考えられる生活習慣はこれらです。

 

  • 過度なダイエット
  • カルシウム不足の食事
  • ビタミンD不足の食事
  • アルコールの摂りすぎ
  • 喫煙
  • ほとんど運動をしない・歩かない
  • 日光にあたらない

 

 

これらを踏まえて、骨を丈夫に保つために「運動」「栄養バランスの良い食事」「適度に日光にあたる」を心がけましょう。

 

 

40歳以上の人は骨粗鬆症検診を受けましょう


骨量の減少はじわじわ進みます。実際に骨粗鬆症による骨折が起こる前に十分な予防をしておくことが大切です。

 

そのためにも、40歳になったら自分の骨量を知っておきましょう。


会社勤めの人であれば、年に1度の健康診断に骨粗鬆症検診も含まれていると思いますが、そうでない人は市区町村の実施する健診や人間ドックを利用しましょう。

 

市区町村で実施している骨粗鬆症検診


老人保険事業の一環として、各市町村では骨粗鬆症検診を行っています。対象は40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の女性で、内容は問診と骨密度の測定です。


費用などは市区町村などによって異なりますので、居住地の保健センターや役所に問い合わせてみましょう。

 

 

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まとめ

 

女性ホルモンのエストロゲンは、骨を健康に保つために大きな役割を担っています。閉経を迎え、エストロゲンが一気に減少することによって、骨粗鬆症のリスクがぐんと高まります。

 

体の自然な変化に逆らうことはできませんが、生活習慣によって骨粗鬆症のリスクを減らすことは可能です。

 

健康寿命を伸ばし、生き生きしたシニアライフを目指したいものですね。

更年期の強烈なめまいは骨粗鬆症が原因?良性発作性頭位めまい症とは?

更年期の体の不調の原因と対策

 

更年期に起こる不定愁訴の中でも、めまいは比較的多く聞かれる症状です。めまいにはいくつか種類があります。

 

今回は「良性発作性頭位めまい症」について詳しく紹介したいと思います。

 

良性発作性頭位めまい症はメニエール病と間違えられる

 

めまいは比較的女性に多い症状です。その原因は個人差がありますし、年代によっても特徴がみられます。

 

急に立ち上がったときに眼の前が真っ暗になる「立ちくらみ」もめまいです。これは思春期の女子に多いことは知られていますね。

 

また、めまいといったら多くの人がメニエール病を疑いますが、診療を受けてメニエール病と診断されるのは10%程度ということです。

 

発症のピークは30歳後半~40歳代といわれています。

 

ストレスが大きな原因と考えられていて、仕事もプライベートも何かと忙しいこの年代に発症する人が多いのもうなずけます。

 

そういう点では、更年期もまさにストレス世代なので注意が必要であることに変わりはありません

 

メニエール病は内リンパ水腫が原因で起こります。これは、内耳の内リンパ液が水ぶくれを起こした状態です。

 

内リンパ液がなぜ過剰に増えてしまうのか、はっきりしたことはまだわかっていません。ただ、ストレスが要因になっていると考えられています。

 

このメニエール病と誤診されやすい病気に良性発作性頭位めまい症があります。実際に、内耳が原因で起こるめまいのうち約半分は良性発作性頭位めまい症です

 

更年期以降の女性が注意する良性発作性頭位めまい症とは?

 

良性発作性頭位めまい症」は近年増えている病気です。以前は高齢者に多くみられましたが、最近では若い世代の人にも発症することが多く、年代問わずめまいを訴えて受診する人の半数以上を占めているという医師もいます。

 

「良性」とあるように、特に命にかかわるような重篤な病気ではありませんが、発作時のめまいはぐるぐる回る回転性のもので、立っていられないほどの激しい症状がほとんどです。

 

良性発作性頭位めまい症になりやすい人
 
  • 運動不足の人
  • 頭を強打した人
  • 更年期
  • 加齢

 

これらの人が発症しやすいのですが、長期間病気で臥せっていたりマッサージ機を長く使用したことなどでも起こることがあります。

 

それは、この病気が内耳にある耳石がはがれてしまうことが原因とされているからです。

 

良性発作性頭位めまい症ってどんな症状?

 

まず、このめまいの特徴を知っておきましょう。頭位は頭の位置です。ある特定の位置に頭を持ってきたときに突然めまいが起こります。

 

めまいが起きる状況はこんなとき
 
  • 起床時に布団から起き上がったとき
  • 寝返りをうったとき
  • 高いところのものを取ろうと上を向いたとき
  • 急に振り返ったとき
  • 髪を洗おうと下を向いたとき
 

めまいの多くは回転性のもので、非常に強く症状が出ます。吐き気がしたり実際に嘔吐してしまうこともあるほどです。ただ、その時間は短く数十秒から長くて1分程度で治まります。

 

耳鳴りや耳閉感、難聴など聴力の異常は伴わないと言われていますが、臨床現場では必ずしもそうではなく、患者の中には耳鳴りなどを訴える人は少なからずいるようです。

 

ただ、このめまいは平衡感覚を司る前庭部分の異常で起こるもので、聴覚を司る蝸牛に異常が認められないため、耳鳴りなどは伴わないという見解が一般的なのです。

 

これがメニエール病と誤診される大きな要因となっています。

 

頭位めまい症の特徴

  • 特定の位置に頭があるときにめまいがする
  • めまいの強さは大きい(回転性が多い)
  • 短い時間で治まる
  • 聴覚の異常はない

 

良性発作性頭位めまい症の原因と骨粗鬆症の関係

 

良性発作性頭位めまい症は内耳にある耳石が剥がれ落ちて三半規管に入り込むことが原因で起こります。耳には音を聞くことと同じくらい大切な「平衡機能」という役割があります。

 

頭位めまい症発症のメカニズム

 

内耳にある前庭器官は地面に対する頭の位置を感じ取る器官で、耳石器と三半規管から構成されています。

 

 

  • 三半規管-体が回転する動きを敏感に捉える
  • 耳石器-上下方向・前後方向・左右方向の体の動きや重力を捉える

 

耳石器には水平の動きをキャッチする卵形嚢と垂直の動きをキャッチする球形嚢の2つの袋状のものがあります。

 

この中には内リンパ液と耳石が満たされていて、耳石が内リンパ液の中を動くことによって感覚毛が刺激されて位置を感知する仕組みになっています。


この耳石が何らかの原因によって剥がれ落ちて、三半規管の中に入り込むことでめまいを起こします。


三半規管は体が回転したことを感知するのでしたね。通常は頭を動かすと3つの半規管(前半規管・後半規管・外側半規管)でどの方向にどのくらいの加速度で回転したかを前庭神経を通して脳に伝えます。


ところが、耳石が混入してしまうと実際の姿勢と脳が受け取った情報との間にズレが生じます。平衡感覚は耳だけでなく、目からの情報や筋肉や神経など運動器官からの情報も併せて脳が判断するためです。


例えば、正常であれば頭を動かすと内リンパ液が流れ、静止すると内リンパ液も動かなくなりますが、異物が入ったことによってリンパの流れがかき乱されます。

 

実際は静止しているのに、内リンパ液の中の耳石が動いているので、脳は混乱してしまうわけです。


これが良性発作性頭位めまい症を発症するメカニズムです。耳石が完全に静止すればめまいは解消されるので、症状は数十秒から数分で治まるのです。


 

耳石は骨と同じ炭酸カルシウムでできている

 

良性発作性頭位めまい症になりやすい人で挙げたように、更年期に発症しやすいのですが、その理由のひとつにエストロゲンの減少による骨粗しょう症があります。


女性ホルモンのエストロゲンは、骨を丈夫に保つ作用があります。


骨は日々新しく再生されています。骨には破骨細胞・骨芽細胞・骨細胞があって、古くなった骨は壊され、新しい骨が作られます。

そのバランスがとれていれば骨は丈夫に保たれますが、更年期になってエストロゲンが激減すると、骨の破壊に再生が追いつかなくなり、次第に骨はスカスカになってしまいます。


これが骨粗しょう症ですが、耳石も更年期にはもろくなってはがれやすくなります

 

運動不足がさらにめまい症状を引き起こす

 

古くなった耳石は、自然に細胞内から離れますがやがて吸収されます。ところが、上記で説明したように三半規管に入り込んでしまった場合、やっかいなことになります。


耳石は小さな粒の集りなので、通常は三半規管に入っても動いているうちに砕けて吸収細胞に吸収されます。粒が小さいうちはリンパ液の流れを著しく乱すことはないのです。


ところが、運動不足で頭を動かさないでいると、いつまでたっても砕けることがなく、ましてや同じ場所に停滞していることによって大きな塊りになってしまうこともあります。


更年期の女性に発症が多いのは、耳石がはがれやすくなっていることに加えて運動不足が指摘されているのです。

 

良性発作性頭位めまい症と診断されたら?どんな治療がある?

 

めまいの診断はやはり専門のお医者さんに診てもらうのが一番です。良性発作性頭位めまい症は、発作が起きたときの状況や既往症などの問診と簡単な検査でほぼ診断がつきます。

 

めまいが起きたときの状況を冷静に把握しましょう

 

問診で重要なのは、どのような状態のときにめまいが起きたか、どのくらい続いたかです。良性発作性頭位めまい症の発作は、重篤なものではありませんが、発作の強さは強烈です。


吐き気や嘔吐を伴うと、脳に異常があるのではないかと不安になると思いますが、動かなければ次第に(数十秒から数分以内)治まってきます。


めまい専門医の著書にも、脳の異常であれば、それほど早い時間でめまい発作が治まることはほぼないので、安心して良いという見解がほとんどです。

 

めまいの検査で行われる頭位変換眼振検査とは?

 

めまいの検査でたいてい行うのが眼振検査です。特殊な眼鏡を装着して、頭を動かしながらどの体勢で眼振が生じるかチェックする検査を頭位変換眼振検査といいます。


頭を動かした後で眼振が認められ、やがてめまいが軽減する場合には良性発作性頭位めまい症が疑われます。


眼振がしばらくたっても治まらずに続いている場合は、中枢系の病気の可能性があるので、脳神経外科や神経内科の受診が必要になります。

 

良性発作性頭位めまい症は耳石を取り除く理学療法

 

このめまいの治療は、基本的には三半規管に入り込んだ耳石を追い出します。どこに入り込んだかによってやり方が異なります。


めまいのタイプはおおまかに3つあります。

 

  • 後半規管型・・・前後方向の動きで起こる
  • 外側半規管型・・・左右の回転方向の動きで起こる
  • クプラ結石

 

クプラは半規管の膨れている部分(膨大部)にある神経で、ここに耳石がくっつくことによってめまいが起きます。この場合発作は2分程度続きます。


タイプを見極めたうえでエプレイ法、レンパート法、ブラントーダーロフ法など理学療法が行われます。

 

投薬は対症療法!根本治療にはならない

この病気のめまい発作は強烈なことが多いので、吐き気が強く嘔吐してしまう人もいます。その場合は脱水症状を避けるために点滴をしたり、吐き気止めが処方されます。


血液の流れを良くする血流改善薬や、また激しいめまいが起きるのではないかと不安感が強い場合には精神安定薬が処方されることもありますが、あくまで対症療法であって、めまいの根本治療ではありません。

 

良性発作性頭位めまい症は自分で治せる!?

 

このタイプのめまいは、三半規管に入り込んだ耳石を取り除くことで解消します。医師による治療(先述したエプレイ法など)も同じです。

 

寝返り体操で解消

 

そこで、自分でできるように考案されたのが寝返り体操です。寝返りをうつことによって、三半規管に入り込んだ耳石を排除したり、かたまりができにくくしてめまいを解消する方法です。


たくさんの動画がネット上アップされているので、わかりやすい動画を探してみてくださいね。今回は私が実際参考になった廣井整体院の動画を紹介します。

 

 

訓練によって平衡感覚を鍛える!?

 

三半規管に入り込んだ耳石除去する方法とは別に、「めまいに慣れる」という考え方もあります。実際、治療にも取り入れて、患者さんに実践してもらっている医師も少なくありません。


良性発作性頭位めまい症のめまいは、内耳のセンサーが誤った情報を脳に送ることから起こるので、そのセンサーを「ここまでは大丈夫。バランスは崩れていない」とプログラミングしなおすのです。


東邦大佐倉病院方式の良性発作性頭位めまい症の運動療法が有名です。


東邦大佐倉病院方式の良性発作性頭位めまい症の運動療法(PDFで開きます)

 

その他にも、めまい訓練法を推奨する医師も多く、荒療治じゃない!?と思われるような訓練法もあります。めまいを誘発して慣れる方法です。やり方は簡単です。

 

  1. めまいのする方へあえて頭を動かしてめまいを誘発します
  2. めまいが起こったらそのままにして治まるまで待ちます
  3. めまいが治まったら元の位置に戻します

 

これを何度か繰り返します。繰り返しているうちに、めまいのしている時間が短くなっていき、やがて誘発も出にくくなります。


最後に、テレビでも紹介されためまい訓練法を紹介します。
こちらも廣井整体院さんです。

 

 

 

頭位めまい症対策はセルフケアと予防

 

良性発作性頭位めまい症は命に関わる病気ではありませんが、めまいの症状は不快です。ましてこのめまいの多くが回転性の激しい発作なので、同じ体勢をとることが恐くなってしまいますね。


でも、発作が起きてからなるべく早く対処したほうが再発も少なく済みます。もちろん、脳の病気など他の重篤な病気が原因のめまいではないことを診断してもらってから、なるべく早めにセルフケアをしてくださいね。


更年期は特に耳石がはがれやすく、また運動不足が加わってこのめまいを引き起こす女性が増えます。めまい予防のためにもこれらのポイントは実践してください。

 

  • 運動不足を解消する
  • 筋肉・関節を柔軟にする(ストレッチ)
  • 同じ姿勢を長時間とらない
  • 寝返りのうてる寝具を選ぶ

 

耳石がたまらないようにすることが大事なので、こまめに体を動かすようにしましょう。運動不足は大敵です。

 

また、更年期以降の女性にリスクが増大する骨粗しょう症を予防することもめまいを起こさないようにする秘訣といえます。

 

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まとめ

 

今回はめまいの中でも更年期の女性に起こりやすい「頭位めまい症」について紹介しました。強烈な症状なのでびっくりしてしまいますね。

 

でも、耳石が原因であるこのめまいは気をつけることである程度は防ぐことができます。骨を丈夫に保つことと適度な運動でしっかり予防しましょう。

更年期の不調をツボ押しで解消!覚えておきたい3つの経穴と押し方

更年期障害の漢方療法

更年期に起こる不快な症状はホルモンバランスと自律神経の乱れによるものです。それにはツボ押しが効果的。

 

今回は基本の2つのツボと更年期障害に関係した3つのツボを紹介します。

 

ツボ(経穴)はどこにある?探し方のポイント

 

一般に「ツボ」と呼ばれているのは、漢方など東洋医学では経穴(けいけつ)といいます。中医学や漢方では経絡(けいらく)という概念があります。

 

経絡とは、体を縦方向に走る目に見えないつながりで、気血を一定方向にめぐらせる大切な働きがあると考えられています。

経絡は特定の臓器(臓腑)につながっていて、それが体の表面に反映され、それを治療することによって臓腑の異常も治ると考えるのです。

 

経穴はこの経絡の上にあって、特定の場所に対応しています。

 

指圧や鍼灸によって経穴を刺激すると、その刺激が経穴から経絡に伝わり、経絡が通過している臓腑に届き、働きを調節すると考えられています。

 

経絡・経穴といわれてもピンとこない人も多いですよね。経絡が何であるのか、明快にはなっていないことも事実です。

 

ただ、ツボを刺激することによって血液循環がよくなったり、その効果は認められています。

 

 

ツボへの刺激の効果
 
  • 血液循環の改善効果
  • 神経系への刺激による鎮痛効果
  • 内蔵機能や内分泌系の調整効果
  • 免疫力の向上

 

ツボ押しは科学的な治療法?西洋医学から見てましょう

 

ツボ(経穴)は東洋医学から生まれました。その数なんと3000以上もあると言われています。

 

歴史も古く、日本に伝わってきたのは5世紀か6世紀頃です。 701年に設置された典薬寮という医療機関には、すでに鍼師がいて宮中の治療を行っていました。

 

その治療効果は高く、日本でも漢方薬と同じように受け継がれてきています。 近年になって、目に見えない経絡や経穴という概念を科学的に解明しようという動きが高まってきました。

神経が集中する場所がツボ(経穴)

 

東洋医学の大切な概念に「気・血・水」があります。はエネルギーの流れで、経絡に沿って流れていると考えられています。

 

このを西洋医学の観点で見ると、神経系や消化器系に置き換えることができます。

 

体のあらゆる情報は脳が管理しています。「熱い・痛い・不快など」の情報を脳に伝えるのが神経です。

 

神経がしっかり働いていれば、脳に情報がスムーズに伝わりますが、流れが滞っていると脳に伝わらずに心身にさまざまな不調が出てきます。

 

最近では、神経が集中するところにツボは多く存在することがわかってきました。

 

集中しているということは、混乱や停滞が起きやすい場所ですね。そこを刺激することによって流れをスムーズにするのが鍼灸治療です。

 

ツボ押しは手軽にできるセルフケア

 

鍼灸治療は免許を持った専門家にお任せするとして、ツボを押したり撫でたりするセルフケアは手軽ですぐにできます。

 

体のエネルギーの流れが悪くなって起こる更年期障害にも、とても有効です。

 

ただ、やみくもに押しても効果は半減!正しい位置と押し方を覚えて効果的に実践してくださいね。では、まずはツボを探してみましょう。

 

ツボの探し方はあんがい簡単!骨が目印!

 

ツボは神経が集中している場所です。神経は骨に添って走っていることが多いので、骨を目印にツボを探すと見つけやすいのですね。

 

例えば、足の甲にある「太衝(たいしょう)」は精神を安定させ、イライラやのぼせを抑える効果があります。更年期のイライラ症状改善にも覚えておきたいですね。

 

親指と第2指の合わせ目の少し上あたり。親指の骨の内側を足の甲からたどってみてください。

 

 

もうひとつ!気の流れを良くする万能ツボの合谷(ごうこく)も覚えておきましょう。
 

手の親指と人差し指の合わせ目の少し上にあります。この場合も骨をたどっていって、人差し指側の骨のキワのややくぼんだ部分が合谷です。

 

このツボは脳内のエンドルフィンという痛みを軽減する物質が分泌されます。頭痛や耳鳴りにも効果があります。

 

ワンポイント

ツボにヒットすると、ツーンとした感じがします。「あ、そこそこ」という痛気持ちよいかんじ。

 

 

ツボの位置の計り方には目安がある

 

ツボの位置は、他にくるぶしから指4本分・・・といった説明が多く見られます。この場合、自分の指横幅を目安にします。

 

  • 指幅1本分-親指第1関節の幅
  • 指幅2本分-人差し指と中指を並べた幅。人差し指の第1関節のラインを見る
  • 指幅3本分-人差し指・中指・薬指を並べた幅。人差し指の第1関節のラインを見る
  • 指幅4本分-人差し指・中指・薬指、小指を並べた幅。人差し指の第2関節より少し下のラインを見る

 

ツボ押しの力加減は?何回押せば良い?

 

ツボ押しは強ければ効果が高いわけではありません。それどころか、筋肉を傷めてしまったり炎症を起こしていわゆる「揉み返し」ということにもなりかねません。

 

適度な強さが一番です。ただ、これも目的(症状)によって変えると効果的です。

 

じんわりリラックスモードとスッキリモード

 

疲れているときやだるさが取れないときは、押して気持ち良いと感じる程度の軽い圧で押します。リラックスして行うのがポイント。

 

押すときに息を吐き、戻すときに吸うようにしましょう。

 

息を吐くと副交感神経が優位になって体の力が抜けます。筋肉も緩くなってツボに入りやすくなります。

 

押すときはゆっくり、5カウントくらいで。離すときも同じようにゆっくり。

 

反対に、肩こりなどスッキリさせたいときはもう少し強めの圧で押します。イタ気持ち良い感じで。こちらも5秒キープします。

 

1つのツボを押す回数は2~3回

 

回数も多ければよいわけではありません。何度も押していると感覚が麻痺してしまいます。1つのツボは2~3回押すのが目安です。

 

更年期の症状におすすめのツボはこれ!

 

更年期症状はさまざまで不調の場所も人それぞれですが、この年代の女性に覚えて欲しいツボを3つ紹介します。

 

 

元気になる足の三里

足の疲れをとるツボとして知られていますが、胃腸の働きを高め体全体の治癒力を高めます。胃腸のツボは元気のツボでもあります。

 

奥の細道で知られるの俳人松尾芭蕉は、旅に出る前に足の三里にお灸をすえていたそうです。

 

ツボの場所は、膝の(外側)お皿の下から指4本分のくぼみのある場所。向こうずねの外側です。

 

冷えのツボ三陰交

婦人科系のトラブルにはこのツボです。三陰交は肝経、脾経、腎経の3つの経絡が交わるツボです。 下半身の冷えやむくみ、婦人科系の症状に効果があり「女三里」ともよばれています。

 

場所は内くるぶしの上から指4本分の高さのところ。ゆっくりリラックスして押しましょう。あまり強く押さないようにします。

 

元気の源!関元

こちらも婦人科系のトラブル解消によく効きます。生理痛を和らげるツボとして知られていますね。

 

関元とは「丹田」の場所です。お腹に力を入れて!と言う時は、この丹田をさしています。 場所はおへその下から指4本分の場所です。おへその真下です。

 

お腹周りはデリケートなので、力をあまり入れずに中指でゆっくり5秒押しましょう。10回くらいが目安です。

 

ここで紹介した3つのツボと、先に紹介した太衝、合谷は更年期の不調改善に効果があります。日頃からセルフケアしたい場所なのでぜひ覚えてくださいね。

 

 

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まとめ

 

更年期には不定愁訴と呼ばれるさまざまな不調があらわれます。治療が必要な場合もありますが、日頃のちょっとしたケアはとっても大事。

 

今回紹介したツボは特に更年期症状に効果があるので、ぜひ試してみてください。