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更年期の諸症状を市販の漢方薬で乗り切る!賢い選び方を紹介!

更年期障害の漢方療法

更年期の症状と漢方は相性がいいと言われています。婦人科でも更年期障害の治療で処方されることもありますね。

 

でも、なかなか病院へ行く時間がとれないという人も多いはず。今回は市販の漢方薬の選び方を紹介します。

 

市販の漢方薬でも自分に合ったものを!

 

更年期を迎えると、大なり小なり女性は不定愁訴とよばれる不調が起きてきますね。寝ても疲れが取れない、なんとなく体が重いなど、病院に行くほどでもないけどなんとかしたいと思っていませんか?

 

そんなとき、思いつくのが市販薬ではないでしょうか?

 

薬局に行くと、更年期対策のサプリや医薬品が並んでいます。今回はその中でも、更年期と相性の良い漢方薬について紹介します。

 

更年期の症状は人によってさまざまです。体質や状態によっても合う合わないがあります。

 

  • 漢方薬を試してみたいけど何を選んでいいか迷う
  • 病院で処方されたけど効果がいまひとつで不安
  • 漢方薬局が近くに無い
  • 漢方薬局は入りづらい

 

こんな人にぜひ参考にしていただきたいと思います。

 

ドラッグストアで更年期対策といえばカミショウヨウサン

 

街のドラッグストアの漢方薬の陳列棚を見た人であれば、更年期対策といえば加味逍遙散(カミショウヨウサン)を真っ先に思い浮かべますね。

 

プレートだけみると1点押し!と勘違いしてしまうほどです。確かに、更年期障害対策のファーストチョイスといわれる漢方薬なので試してみる価値はあります。

 

実際、私もしばらく飲んでいました。そのおかげか、ホットフラッシュや関節痛はとても楽になりました。

 

加味逍遙散(カミショウヨウサン)は10種類の生薬が配合されていて、幅広い作用を持っていること、特にイライラや不安感など精神神経症状に効くことも特徴です。

 

覚えておいて損は無い!女性の三大漢方薬

 

上記の加味逍遙散(カミショウヨウサン)を含めて、ぜひ覚えておいて欲しい漢方薬が3つあります。

 

更年期障害だけでなく月経困難症など女性ならではの悩みに用いられるものです。たいていのドラッグストアに置いてあります。

 

  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
  • 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

 

 

パッケージには更年期に、とは書いていないものもあるのでメモってくださいね。裏書には書いてありますが字が細かいですから。

 

三大処方についての詳細はこちらの記事を参考にしてください。

 

 

 

漢方薬はオーダーメード!あなたの更年期症状に合うのは?

 

漢方薬は更年期障害にはこの処方!と決まっているわけではありません。同病異治という言葉があらわすとおり、いわばオーダーメードの治療法です。

 

Aさんにはよく効いたけどBさんには効かない、ということがあるのです。

 

実際に漢方に詳しい婦人科医や薬剤師さんなどは、証を立ててその人に合った漢方薬を処方してくれます。自分の証や状態はどうなのか見極めて選んでくださいね。

 

実証タイプの更年期症状別おすすめ漢方薬

 

漢方に詳しい婦人科医や漢方薬局で、実際によく処方される漢方薬を紹介します。まず、比較的体力のある実証タイプの人によく用いられる漢方薬です。

 

症状 漢方薬名
のぼせ・ほてりが強く赤ら顔。イライラして落ち着かない人 黄連解毒湯(オウレンゲドクトオウ)
のぼせ・不眠・肩こりで興奮しやすい人、便秘症の人 三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)
下腹部に圧痛があり便秘症の人 通導散(ツウドウサン)
頭痛・のぼせ・めまい・足腰の冷え、便秘の人 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
精神不安による動悸、不眠、便秘 柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレウトウ)

 

 

体力が中程度の中間症の人におすすめ漢方薬

 
症状 漢方薬名
皮膚がカサカサして色艶が悪く、のぼせのある人 温清飲(ウンセイイン)
慢性の関節痛・手足の荒れ・皮膚の乾燥など 麻杏ヨク甘湯(マキョウヨクカントウ)
急性の皮膚湿疹・じんましんなど皮膚トラブルのある人 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

 

 

虚証の人の更年期症状によく用いられる漢方薬

 

体力が中程度以下の人に向いている漢方薬です。

 

症状 漢方薬名
冷え・しもやけ・手足がほてり、唇が乾く人 温経湯(ウンケイトウ)
神経が高ぶってイライラする人・不眠 抑肝散(ヨクカンサン)
めまい・ふらつき・立ちくらみのある人 半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)
体力がなく神経過敏で気分がすぐれない・胃腸の弱い人 香蘇散(コウソサン)
冷え・頭痛・腰痛・胃腸炎 五積散(ゴシャクサン)
体力がなく貧血気味、動悸・息切れ・神経過敏の人 柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)
皮膚の乾燥・貧血気味・手足の冷え・臍上に動悸 四物湯(シモツトウ)

 

 

虚証の人の体力増強によく用いられる漢方薬

 

虚弱体質で元気がなく疲れやすい人、病後など体力の向上に用いられる漢方薬の代表はこちら。

 

  • 十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)
  • 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
 

また、冷えが強くしもやけができるほどの人、冷えによる下痢や下腹部痛のある人には

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)

こちらの漢方薬がよく効きます。

 

ちょっと独特の苦味があるので錠剤がよいかも。

 

漢方薬の剤型の種類について知っておきましょう

 

漢方薬の薬の形状は、湯剤(とうざい)、散剤、丸剤、膏剤、エキス製剤などがあります。 湯剤とは煎じ薬のことです。

 

漢方医の処方に基づき、生薬を漢方薬局で調合してもらいます。服用も手間暇かかるため、現実問題として難しいです。オーダーメードという点では一番なのですが。

 

今一般的なのはエキス製剤といわれるものです。煎じ薬をフリーズドライしたもので、湯剤と薬効はほとんど差がありません。服用が楽で保存や携帯に便利です。

 

ただ、製造過程で有効成分が損なわれるため、煎じ薬よりは効果が少なくなることは否めません。

 

市販薬の形状は顆粒・錠剤が主流

 

処方される漢方薬はほとんど顆粒になっていると思います。市販の漢方薬は顆粒のものや錠剤タイプがあります。

 

例えば、私も飲んでいる桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)で言えば、ツムラは顆粒・クラシエは錠剤タイプです。

 

漢方薬の服用方法

 

本来はエキス製剤の服用方法は、コップ半分以上のお湯によく溶かし、少し冷ましてから飲みます。

 

でも、漢方薬の味が苦手な人も多いと思います。その場合は、口にふくんで白湯か水で飲んでもかまいません。

 

それでも、どうしてもダメな人は市販薬の中には錠剤になっているものもありますのでそちらでも良いと思います。

 

ちなみに、ツムラの漢方薬はすべて顆粒です。処方のものより細長いスティック状なので、口にふくみ易いです。

 

漢方薬(エキス製剤)の保存方法は?

 

エキス製剤は吸湿性が高いので、直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所で保管します。通常はアルミシートで包装されています。

 

アルミ包装を開封してしまった場合は、タッパーなど密封性の高い容器に乾燥剤と一緒に入れて保管します。

 

もし、湿気で黒く固まってしまっていたら、カビが発生していることがありますので飲むのは止めましょう。

 

まとめ

 

更年期は不定愁訴のオンパレードです。そういうときに漢方は効果を発揮します。婦人科や更年期外来でも、HRTと並んで漢方は二大治療法となっているくらいです。

 

市販薬を購入する場合でも、処方される場合でも漢方について少し知識を持っておくと理解が深まります。

些細なことで落ち込む!更年期の不安感やうつ気分の解消法

更年期の心の不調の原因と対策

更年期のうつうつ気分はなぜ起きる?複雑に絡み合う2つの原因

 

特に思い当たることはないのに、最近なんだか気分が晴れない・・・更年期の女性によくみられる心の症状です。うつうつとした状態が何日も続くなんてつらいですよね。

 

もともと女性は「うつ」になりやすい傾向があります。それは女性ホルモンの影響によるものです。うつと女性ホルモンは、思春期から更年期を通して影響しあうのです!

 

  • 月経前不快気分障害(PMDD)
  • 産後うつ
  • 更年期うつ

 

どれも女性ホルモンの仕業ですね! こんな症状ありませんか?

 

更年期うつ予備軍チェック

 

  • 朝目覚めたときから憂うつな気分になる
  • 出かけるのが億劫になった
  • 人と話すのが面倒くさくなった
  • おしゃれをする気が起きない
  • 今まで好きだったことに興味がなくなった
  • 急に不安な気分になって心がざわざわする
  • 将来のことが無性に不安になる
  • たまらなく孤独感を感じる
  • 急に涙があふれて止まらなくなる

 

エストロゲンの急減は心にも大きな影響を!

 

更年期には、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少します。体がエストロゲン不足に慌てている状態です。

 

更年期の不定愁訴の原因のほとんどがこのせいです。 憂うつな気分になるのも、エストロゲンが減って自律神経が乱れることが原因のひとつなのですね。

 

 

自律神経失調症の心にあらわれる症状にも不安感が多いです。 エストロゲンについてもうひとつ言われているのが、セロトニンのと関係です。

 

セロトニンは幸せホルモンとよばれる分泌物のうちのひとつです。

 

(3つの幸せホルモンとはセロトニン、ドーパミン、オキシトシンです。)

 

セロトニンとは?不足するとどうなる?

 

セロトニンは心のバランスをとるホルモンで安定のホルモンともよばれます。

 

極度のストレスがかかったときには、カッーッと衝動的になったりひどく落ち込んだり・・・そんなときセロトニンが分泌されてそれらの衝動を抑制する働きがあります。

 

このセロトニンが少なくなると、ストレスに対する抵抗力がガタッとなくなってきてしまうのです。今までだったら上手に解消できていたストレスにも、大きなダメージを受けてしまうように!

 

悲観的な考えが続くと、うつ病やパニック障害などを引き起こすリスクも高くなります。

 

エストロゲンとセロトニンの関係

 

エストロゲンは、セロトニンを活性化させる作用があります。

 

更年期にエストロゲンが急激に減少することで、安定のホルモンであるセロトニンの働きも悪くなってしまっているのです。

 

もともと、女性はセロトニンを消耗しやすいのです。それは、脳の構造に関係しています。女性は男性に比べて、右脳と左脳をつなぐ脳梁(のうりょう)の一部が太くなっています。

 

それは何を意味するかというと、耳や目などからの情報を観察する能力に優れているのですね。でも、そのおかげで色々なことに思考をめぐらせて、それがセロトニンの消費につながってしまうのです。

 

思いをめぐらすということは、大なり小なり不安やストレスを感じるってことですから。

 

憂うつ感につながる外的要因が多いのが更年期世代!

 

そして忘れてはいけないのが、40代後半から50代はストレスフルな年代ということ。家庭を持っている人は、何かと変化の起きるときではないでしょうか?

 

 

家庭内のさまざまな変化が起こる年代が更年期

 

子供が大学生くらいになればもう母親業は終盤です。就職や結婚で独立することもあります。いわゆる「空の巣症候群」になる人も少なくありません。

 

パートナーは働き盛りを過ぎ、定年が近づいてくると経済的にも心配なことが増えてきます。それまでうまく役割分担できていた夫婦関係も見直す必要が出てきます。

 

夫が定年後、一緒にいる時間が長くなって精神的なストレスから病を引き起こすことも。夫原病なんていう言葉も聞きますね。

 

親世代が何かと病気になることも増えてきます。介護の問題も大きな負担です。

 

あちこち不調を耳にしない?病気が身近に感じられる頃

 

そして、同年代の友人知人から健康上の悩みを聞くことが多くなるのも50代!

 

ガンや心疾患など重篤な病気もそうですし、40代女性にバセドウ病や橋本病など甲状腺の疾患が増えてきます。

 

更年期の不調も重なって、自分の健康が不安になる時期でもあるのです。

 

仕事を持つ女性にとっても更年期はつらい時期!

 

仕事を持っている女性は職場でもさまざまな問題にぶつかるときです。がんばって働いてきた結果としての昇進は嬉しいものです。

 

一方、管理職になったら責任も重くなります。女性というだけで部下や同僚に気を使う必要があるかもしれません。

 

パートであっても新人の指導役を任されたりといったことが多くなります。そうでなくても職場での人間関係はたいへんです。

 

こうした人間関係のストレスに、仕事でのミスやトラブルが重なると自信を無くしてしまいますね。必要以上に落ち込んでしまうことも。

 

更年期のうつ状態はどこからがレッドゾーン?治療法は?

 

このように、更年期にはなんとなく気力が出ない、不安感、気分の落ち込みといった心の不調が出やすくなります。

 

ただ、その悲観的な感情が更年期の体の変化によるものだけなのか見極めることは大切です。女性のうつ病は男性の2倍、特に20代と40代後半から50代に多く発症しています。

 

日常生活に支障が出るようなら迷わず受診

 

不安感や孤独感、気分の落ち込みが激しく、布団から出られない・人と会うのが怖いなど日常生活に支障が来たしたら迷わず医療機関へ。

 

うつ状態が更年期の症状だけでなく、うつ病など心の病であるかもしれません。どの科を受診して良いか迷うときは、婦人科・心療内科・精神科など行きやすいところへ行きましょう。

 

HRT(ホルモン補充療法)で症状が改善されることも!

 

更年期の不調が大きなストレスになっていることもあります。ホットフラッシュや冷えで眠りの質が落ち、睡眠不足が続いたりすることも影響しますから。

 

不足したエストロゲンを外から補うことで、自律神経失調症状はずいぶん軽減されます。これで心の不調が改善されることもあります。

 

HTRが効かない・症状が重いときはカウンセリングを

 

HRTでも心の不調が治らないときは、カウンセリングによる治療も必要になります。カウンセリング技術を持つ婦人科医にめぐり合えれば一番ですが、そうでない場合も心療内科など紹介状を書いてもらえます。

 

 

第三者に話を聞いてもらうことが大事

 

精神科というと抵抗を感じる人もいるかもしれませんね。でも、現代は多大なストレスに取り囲まれています。

 

多かれ少なかれ誰でも悩み、不安を感じたりうつ状態になったりします。 恥ずかしいと思うことなんて全然ないです。

 

あなたが精神的に弱いわけでもありません。第三者に話を聞いてもらうだけでも心はずいぶん楽になります。

 

更年期のうつうつを改善する日常生活のポイント

 

医療機関での治療とともに、心のケアで大切なのは自分自身の在り方です。日常生活で注意することをはじめ、お助けアイテム、心の持ち方について紹介します。

 

アロマの力で不安を吹き飛ばす

 

 

気分が沈みがちなときは芳香浴でアロマの力を借りましょう。 おすすめの精油はラベンダーやベルガモット、クラリセージなど。

 

電気のアロマポットは手軽に楽しめるので、ぜひ持っていて欲しいアイテムの一つです。

 

ハーブティーでリラックスタイムを

 

1日のうち15分でも良いのでゆっくりティータイムをとりましょう。そのとき飲むのはハーブティーがおすすめです。

 

ハーブの香りは大脳を刺激します。香りも楽しみましょう。

 

おすすめはセントジョンズワート、ハイビスカス、ジャーマンカモミール、パッションフラワーなどですが、ブレンドされた商品もたくさんあります。ネットで購入できますので活用しましょう。

 

不安感が襲ってきたらこのツボ!



急に不安感を感じてドキドキしてしまったら、大陵を押しましょう。

場所は左右の手首の手の平側の横ジワの中央です。 手首を曲げると出る2本のすじの中間。

押し方は、親指を大陵にあて手首をつかむように押します。 3分間繰り返します。

 

今の自分を認めてあげましょう

 

責任感が強い人や頑張り屋さんほど更年期に心の症状が出やすいです。今まで出来ていたことがうまくいかなかったりすると、自信を失って自分を責めてしまうことも。

 

体力も落ちて、そこに更年期の不調があれば若い頃のようにはいかないのは当たり前です。そんな自分を責めるのはやめましょう。

 

子供が巣立ったらそこまで育てた自分に誇りを持ってくださいね。

 

家事はそこそこに。今までがんばってきた人はたまには手抜きしましょう。お掃除ロボや食洗器など活用するのも良いですね。

 

自分を褒めてあげよう

 

更年期って思春期と似ています。些細なことで傷ついたり不安になったり。でも、親であったり上司であったり・・・50代にもなるとゆらぐ心情を正直に表すことは難しいです。

 

この年代の悲観的になる心は、女性ホルモンの仕業、そして取り巻く環境によるストレスが原因です。ストレスになる外的な要因を取り除くことはなかなか難しいかもしれません。

 

まず、今の自分を認めて何が起きても責めないことです。「自分はよくやっている!」と褒めてあげてくださいね。

 

そして、ハーブのティータイム、アロマ入浴など取り入れてしっかりリラックスする時間を持ちましょう。

 

好きなアーティストの音楽を聴くことでも、写真集を眺めることでもなんでも良いです。自分が心地良いと思える時間を大切にしましょう。

 

まとめ

 

更年期の心はとってもデリケートです。情緒が不安定になっていると自覚する女性も多く、イライラだけでなく不安感や神経過敏になっていると悩む人の割合も多いのです。

 

  • 気分が沈むことが多くなった
  • わけもなく不安感におそわれる
  • 急に涙が出て止まらないときがある

 

その他にも「何もする気が起きない」「たまらなく寂しい」などネガティブな感情に支配されてしまうことも多くなります。

 

何もやる気がおきなくて人と会うのも億劫になって外出もしなくなったり、布団から出られなくなって会社を辞めてしまったという人もいます。

 

専業主婦であっても、家事もできなくなったりすると怠けていると言われることも。そんな自分を責めて、さらに症状が悪化すると更年期うつになりかねません。

 

更年期の心の不安定さは思春期のそれとよく似ています。傷つきやすい繊細な時期なのだと自覚して、しっかりケアしましょう。

更年期のつらい症状!ほてり・のぼせのホットフラッシュ、大汗かいた時の対策

更年期の体の不調の原因と対策

 

更年期かな?と思い始めた頃、顔のほてりやのぼせで戸惑った経験ありませんか?

 

急なほてりやのぼせのホットフラッシュ、大量に汗が出るといったスウェッティングは、更年期の症状の中でも多くの人が悩んでいるポピュラーなものなのです。

 

ホットフラッシュの起きる原因と起きてしまったときの緊急対策、予防について紹介します。

 

ホットフラッシュはなぜ起きる?予防はできないの?

 

更年期の代表選手ともいえるホットフラッシュも、エストロゲンの急激な減少で自律神経が乱れることが原因です。自律神経が乱れるということは、交感神経と副交感神経がうまく調節できない状態!

 

  • 交感神経-活動する神経
  • 副交感神経-リラックス神経

 

自律神経は、体の状態を一定に保とうとする大事な働きがあります。真夏の40℃近い日でも真冬でも、人間の体温は一定温度を保たれているのはそのおかげです。

 

熱いときは血管を拡張させて熱を放出します。反対に寒いときは血管を収縮させて熱が逃げ行くのを防いでいます。

 

その調節がうまくいかなくなって、暑くもないのにのぼせたり汗が出てしまうわけです。

 

  • 血管が拡張→のぼせ・ほてり
  • 血管が収縮→冷え

 

ここで、見落としがちなのが冷えのぼせです。

 

更年期の冷えのぼせにご用心!

 

ホットフラッシュと間違いやすいのが「冷えのぼせ」です。これは冷え症が慢性化して悪化した状態です。50代の女性に多くみられる症状ですが、最近は20代でも目立っています。

 

これも自律神経の乱れが原因ですが、更年期のホットフラッシュとは予防や対策が違うので、自分がどちらなのか知っておくことが大切です。

 

冷えのぼせの特徴

 

  • 上半身の冷えは感じないが手足がとても冷たい
  • 気温の高いときや運動後に胸より上がカーッと熱くなって汗が多量に出る
  • 手の平や足の裏にじっとり汗をかく
  • 手足は冷えているのにのぼせのような感じになることがある

 

ひとつでも当てはまったら要注意です。

 

ホットフラッシュは予防できる?

 

ホットフラッシュをはじめ、更年期症状の多くは自律神経の乱れによるものです。その原因は卵巣で作られてきた女性ホルモン、特にエストロゲンの急激な減少。

 

卵巣機能の衰えは誰もが避けて通れない現実なのです。

 

そのため、予防としては根本治療であるホルモン補充療法(低用量ピルを含む)や、体全体を整える漢方療法、自律神経の乱れを少なくする訓練法や生活習慣が大事になってきます。

 

HRT(ホルモン補充療法)

 

急激に減少する女性ホルモンを外から補って、体が徐々にエストロゲンの少ない状態に慣れることを目的にしています。

 

誰でも受けられるわけでもなく、また日本では受けている人の少ない治療法ですが、ホットフラッシュなど自律神経失調症状には高い効果があります。

 

漢方療法

 

女性ホルモンの減少は自然なことととらえ、症状や体質にあった方法で不調を取り除きながら、体全体を整えていくのが漢方の考え方。HRTとの併用もできます。

 

自律神経のバランスを整える

 

自律神経の乱れる原因はホルモンバランスの崩れだけではありません。その人が生まれつき持っている体質も大いに関係しています。

 

さらに、性格やそのときの精神状態、環境や社会的ストレスも大きく影響します。更年期だから仕方がない、とあきらめないで、生活や環境を見直してみましょう。

 

ほてりやのぼせの緊急対策はコレ!持っておくと便利なアイテム

 

急なのぼせや顔のほてりは想像以上につらいですね。私もキッチンに立っていて急にホットフラッシュになったこと数知れず。そんなときは無理をしないで横になりましょうね。

 

とりあえず冷やして熱を逃がす

 

冷たいタオルで首筋を冷やすとだいぶ楽になります。他に冷やして良いのは顔、頭部、脇の下。手足の先は一時的ならOKです。

 

ただこのとき首の後ろは絶対に冷やさないように!自律神経をますます乱すことにもなりかねませんよ。お腹やお尻も冷やさないように。

 

外出時の注意点と便利アイテム

 

体を締め付けるデザインは避けましょう。通気性の良い天然素材がベストです。ポイントは襟元が詰まっていないこと。熱が逃げやすいデザインが良いです。

 

重ね着でこまめに温度調節できことも大事です。ストールやカーディガンを活用しましょう。

 

私が重宝しているのが扇子。お気に入りの扇子にアロマを香らせて仰ぐだけで気分も落ち着きます。

 

おすすめのアロマ

 

リラックス効果として使いやすいのがラベンダーです。その他、ペパーミントなど爽快感のあるアロマもおすすめ。

 

発汗抑制作用のあるセージはホットフラッシュ対策に特におすすめです。フローラルウォーターを持ち歩いていれば、いざという時にシュッとひと拭き!

 

大量の汗をかいて恥ずかしい!スウェッティング対策

 

ほてりやのぼせといったホットフラッシュと、そこに大量の汗が噴出すスウェッティングが起こる場合もあります。

 

顔や胸より上にだらだらと汗が滝のように流れることも。 本人がつらいのはもちろん、人の目が気になって恥ずかしいという人も多いですね。

 

そのせいで外出も気が引けてしまったりするのは避けたいです。

 

外出時の汗対策を万全に!

 

これはホットフラッシュ対策と同じで、通気性の良いデザインを選んで重ね着を!脇の汗染みが気になるときは汗取りパットを使いましょう。

 

吸湿性のあるハンカチ(大き目が良いです)を数枚持ち歩くようにしましょう。

 

緊張でさらに汗をかいてしまうことも!

 

恥ずかしいと思うと緊張してますます自律神経が乱れてしまいます。事前の汗対策をすることで安心感にもつながります。

 

それに、汗をかいても案外まわりの人は気にしていないものです。ハンカチでこまめに汗を拭うようにしましょう。

 

お気に入りのハンカチや扇子を揃えて小物を楽しむくらいの気持ちでいましょうね♪

 

自律神経を整えることが予防に!簡単訓練法を紹介

 

自律神経を整える方法に、自律訓練法というのがあります。これはベルリン大学のシュルツ氏が考案したもので、1回3~5分でできる方法です。更年期の女性にはぜひ覚えて欲しい訓練法なので紹介します。

 

自律訓練法の流れ

 

7段階の標準練習から成り立っています。自律訓練法では、標準練習のことを公式と呼んでいます。

 

  1. 背景公式(安静練習)・・・気持ちが落ち着いている
  2. 公式1(重感練習)・・・両腕・両足が重たい
  3. 公式2(温感練習)・・・両腕・両足が温かい
  4. 公式3(心臓調整練習)・・・心臓が静かに規則正しく動いている
  5. 公式4(呼吸調整練習)・・・呼吸が楽だ
  6. 公式5(腹部温感練習)・・・胃のあたりが温かい
  7. 公式6(額部涼感練習)・・・額が涼しく、心地いい

 

最後に、消去動作をします

 

  • 両手を強く握ったり開いたりする
  • 両手を組んで大きく伸び
  • 首や肩をよく回す

 

その他、体をほぐして自己催眠状態から覚める動作をします。

 

自律訓練法のポイント

 

安静練習は椅子に座った状態、または仰向けで手足を軽く開いた上体でリラックスします。できるだけ静かな場所で、時計やベルトははずします。

 

公式1のとき、最初は「右手が重い」(※利き手から)次に「左手が重い」「右足が重い」「左足が重い」と続きます。

 

このときの注意点は、「~重い」と頭の中で唱えたら、同じようにすることです。「~重たくなる」など変えるのはNGです。

 

慣れてくると両手が重い・・・でも良いです。公式2も同じようにします。最初は公式1と公式2ができればOK。それだけでリラックス効果があります。

 

時間の目安は3分~5分。うまく感じることができなくても終了します。これは公式1と2だけでも、公式6まででも同じです。

 

まとめ

 

更年期の女性の約半数が経験するといわれているホットフラッシュ!そのつらさはまわりの人には分かりづらいことも悩みどころです。

 

治療法としてはHRT(ホルモン補充療法)が比較的効く症状でもあります。あまりに頻度が多く症状も重い場合は婦人科で相談してくださいね。

 

漢方薬で体のバランスを整えることも効果的です。 また、ストレスも自律神経の乱れの元です。今回紹介した自律訓練法はぜひ役立ててください。

 

ホットフラッシュやスウェッティングを気にし過ぎることもさらに症状を引き起こす要因になります。気にし過ぎないことも大切ですよ。

更年期女性に自律神経失調症が多い理由は?ホルモンバランスと自律神経の関係

更年期障害と自律神経

更年期の不調は自律神経の乱れよって起こります。直接の原因は、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少すること。

 

その体の変化がなぜ自律神経のバランスを崩すことになるのでしょう?

 

自律神経はどんな神経をいうのか、どんな働きをするのか、バランスを崩すと心身にどんな影響があるのかをみていきましょう。

 

自律神経ってどんな神経?

 

自律神経は交感神経副交感神経のふたつから成り立っています。対照的な作用があるふたつの神経がバランスをとりあって、体内の環境を一定範囲内に保っています。

 

このような恒常性を保つ状態や機能をホメオスターシスといいます。

 

  • 交感神経・・・活動する神経
  • 副交感神経・・・休息する神経

 

交感神経と副交感神経は体にどんな作用がある?

 

交感神経と副交感神経の相反する作用をまとめました。

 

体の部位 交感神経 副交感神経
瞳孔 拡大する 収縮する
皮膚 発汗、鳥肌を立てる 乾燥する
呼吸 激しくする ゆっくりさせる
心筋 収縮する 弛緩する
心拍数 増加する 減少する
血圧 上昇 下降
消化器・消化液の分泌 抑制する 促進する
膀胱 尿をためる 排尿する
生殖器 子宮を収縮・排卵促進 子宮を弛緩させる
ホルモン分泌 促進する 安定させる
血糖・血中脂質 上昇させる

安定させる

 

交感神経と副交感神経

 

自律神経の働きと感情の変化

 

自律神経は人の精神活動にも影響を与えます。

 

交感神経と副交感神経がバランスよく働いているときはリラックスして平穏な気分になります。反対に驚いたり恐怖を感じたり激しい怒りを感じたときは、交感神経が極度に興奮している状態です。

 

失望感や抑うつ感、憂うつ感、疲弊や悲哀を感じているときは、交感神経と副交感神経のどちらも抑制された状態になります。

 

不安や怒り、緊張、興奮が長く続いているような場合は、交感神経と副交感神経がバラバラに興奮している状態です。

 

 

自律神経は意思とは関係なく動く

 

自律神経の大きな特徴は自分の意思ではコントロールができないということです。

 

神経系は大きく2つに分類されます。脳および脊髄を中枢神経、その他の神経を末梢神経と呼びます。

 

末梢神経は中枢神経とつながっていて、中枢神経を木の幹、末梢神経を枝と表現されます。 末梢神経はさらに2つに分類されます。

 

  • 体性神経・・・自分の意思によって動かせる
  • 自律神経・・・自分の意思によって動かせない

 

体性神経は手を動かしたり、皮膚に触ったときに温度を感じたりする神経のことです。動物神経ともいわれます、対して自律神経のことを植物神経といいます。

 

自律神経失調症とは?

 

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態です。

 

 

説明したとおり、自律神経は自分の意思で動かすことはできません。心臓の動きや消化液の分泌などは、こうなれっ!と願ってもどうにもなりませんね。

 

自律神経失調症や更年期障害の自律神経失調症状は、気持ちの持ちようだけでどうにかなるような簡単なことではないのです。

 

でも、食事や生活環境、ちょっとした訓練法などで自律神経を整えることは可能です。

 

 

自律神経はなぜ乱れてしまうの?

 

交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまう自律神経失調症は何が原因で起こってしまうのでしょう?また、どんな人がなりやすいのでしょう?

 

自律神経が乱れやすい体質

 

生まれつき自律神経が乱れやすい体質の人がいます。子供のころから乗り物酔いしやすかったり、朝礼で倒れやすかったりした人は注意が必要です。

 

慢性的なめまいや肩こりに悩まされていたり、大人になっても虚弱な体質だったり低血圧のことも多いです。

 

神経質な性質の人

 

自律神経の調節機能に問題はないのですが、不安感や恐怖感などの心理的要因が強く自律神経を乱してしまいます。自分の体の変調に敏感な人、ささいなことでも気に病んでしまう人です。

 

心身のストレス

 

日常生活での心身のストレスが原因となって発症するタイプ。人に気を使いすぎる人がなりやすいです。

 

自分の意見や感情を後回しにして周囲にあわせてしまうので、ストレスが溜まって心身に不調があらわれてしまいます。

 

自律神経失調症と診断される日本人の約半数の人がこのタイプです。

 

うつ状態からの自律神経の乱れ

 

慢性的なストレスにさらされることによってうつ状態となり、疲労、倦怠感、不眠、食欲不振など体の変調が主な症状となってあらわれます。

 

几帳面な人や完全主義者がなりやすい性格です。

 

生活習慣の乱れ

 

最近増えているのがこのタイプです。夜更かしや昼夜逆転の生活によって体内リズムが崩れることが原因です。

 

更年期の女性に自律神経失調症が多いのはなぜ?

 

更年期の女性の体に起きている大きな体の変化は女性ホルモンのバランスが大きく乱れることです。

 

卵巣機能の低下によって、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌が急激に減ります。 ホルモン分泌の司令塔は大脳の視床下部です。

 

視床下部は体中のホルモンバランスを常に見張っていて、ほんの少しでも増減があると、瞬時に分泌を促す指令を出します。

 

更年期になると、卵巣の機能が低下してくるので、指令どおりのエストロゲンを分泌することができなくなってきます。

 

それでも、視床下部は矢継ぎ早に指令を出し続けます。しかし、指令どおりにエストロゲンが分泌されないので視床下部は混乱してしまうのです。

 

自律神経の司令塔も同じ視床下部なので、その混乱が自律神経の乱れをも引き起こしてしまうのです

 

まとめ

 

自律神経は意思だけではどうにもなりません。睡眠不足やストレスですぐにバランスを崩してしまいます。

 

それに加えて更年期はホルモンバランスが急激に変化するとき!それが自律神経を乱す要因のひとつというのは、なんとも悩ましいですね。

 

更年期の不調を改善するためには、まずは40代50代は自律神経失調症になりやすい年代ということを自覚することから始まるといえます。