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更年期の諸症状を市販の漢方薬で乗り切る!賢い選び方を紹介!

更年期障害の漢方療法

更年期の症状と漢方は相性がいいと言われています。婦人科でも更年期障害の治療で処方されることもありますね。

 

でも、なかなか病院へ行く時間がとれないという人も多いはず。今回は市販の漢方薬の選び方を紹介します。

 

市販の漢方薬でも自分に合ったものを!

 

更年期を迎えると、大なり小なり女性は不定愁訴とよばれる不調が起きてきますね。寝ても疲れが取れない、なんとなく体が重いなど、病院に行くほどでもないけどなんとかしたいと思っていませんか?

 

そんなとき、思いつくのが市販薬ではないでしょうか?

 

薬局に行くと、更年期対策のサプリや医薬品が並んでいます。今回はその中でも、更年期と相性の良い漢方薬について紹介します。

 

更年期の症状は人によってさまざまです。体質や状態によっても合う合わないがあります。

 

  • 漢方薬を試してみたいけど何を選んでいいか迷う
  • 病院で処方されたけど効果がいまひとつで不安
  • 漢方薬局が近くに無い
  • 漢方薬局は入りづらい

 

こんな人にぜひ参考にしていただきたいと思います。

 

ドラッグストアで更年期対策といえばカミショウヨウサン

 

街のドラッグストアの漢方薬の陳列棚を見た人であれば、更年期対策といえば加味逍遙散(カミショウヨウサン)を真っ先に思い浮かべますね。

 

プレートだけみると1点押し!と勘違いしてしまうほどです。確かに、更年期障害対策のファーストチョイスといわれる漢方薬なので試してみる価値はあります。

 

実際、私もしばらく飲んでいました。そのおかげか、ホットフラッシュや関節痛はとても楽になりました。

 

加味逍遙散(カミショウヨウサン)は10種類の生薬が配合されていて、幅広い作用を持っていること、特にイライラや不安感など精神神経症状に効くことも特徴です。

 

覚えておいて損は無い!女性の三大漢方薬

 

上記の加味逍遙散(カミショウヨウサン)を含めて、ぜひ覚えておいて欲しい漢方薬が3つあります。

 

更年期障害だけでなく月経困難症など女性ならではの悩みに用いられるものです。たいていのドラッグストアに置いてあります。

 

  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
  • 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

 

 

パッケージには更年期に、とは書いていないものもあるのでメモってくださいね。裏書には書いてありますが字が細かいですから。

 

三大処方についての詳細はこちらの記事を参考にしてください。

 

 

 

漢方薬はオーダーメード!あなたの更年期症状に合うのは?

 

漢方薬は更年期障害にはこの処方!と決まっているわけではありません。同病異治という言葉があらわすとおり、いわばオーダーメードの治療法です。

 

Aさんにはよく効いたけどBさんには効かない、ということがあるのです。

 

実際に漢方に詳しい婦人科医や薬剤師さんなどは、証を立ててその人に合った漢方薬を処方してくれます。自分の証や状態はどうなのか見極めて選んでくださいね。

 

実証タイプの更年期症状別おすすめ漢方薬

 

漢方に詳しい婦人科医や漢方薬局で、実際によく処方される漢方薬を紹介します。まず、比較的体力のある実証タイプの人によく用いられる漢方薬です。

 

症状 漢方薬名
のぼせ・ほてりが強く赤ら顔。イライラして落ち着かない人 黄連解毒湯(オウレンゲドクトオウ)
のぼせ・不眠・肩こりで興奮しやすい人、便秘症の人 三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)
下腹部に圧痛があり便秘症の人 通導散(ツウドウサン)
頭痛・のぼせ・めまい・足腰の冷え、便秘の人 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
精神不安による動悸、不眠、便秘 柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレウトウ)

 

 

体力が中程度の中間症の人におすすめ漢方薬

 
症状 漢方薬名
皮膚がカサカサして色艶が悪く、のぼせのある人 温清飲(ウンセイイン)
慢性の関節痛・手足の荒れ・皮膚の乾燥など 麻杏ヨク甘湯(マキョウヨクカントウ)
急性の皮膚湿疹・じんましんなど皮膚トラブルのある人 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

 

 

虚証の人の更年期症状によく用いられる漢方薬

 

体力が中程度以下の人に向いている漢方薬です。

 

症状 漢方薬名
冷え・しもやけ・手足がほてり、唇が乾く人 温経湯(ウンケイトウ)
神経が高ぶってイライラする人・不眠 抑肝散(ヨクカンサン)
めまい・ふらつき・立ちくらみのある人 半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)
体力がなく神経過敏で気分がすぐれない・胃腸の弱い人 香蘇散(コウソサン)
冷え・頭痛・腰痛・胃腸炎 五積散(ゴシャクサン)
体力がなく貧血気味、動悸・息切れ・神経過敏の人 柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)
皮膚の乾燥・貧血気味・手足の冷え・臍上に動悸 四物湯(シモツトウ)

 

 

虚証の人の体力増強によく用いられる漢方薬

 

虚弱体質で元気がなく疲れやすい人、病後など体力の向上に用いられる漢方薬の代表はこちら。

 

  • 十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)
  • 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
 

また、冷えが強くしもやけができるほどの人、冷えによる下痢や下腹部痛のある人には

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)

こちらの漢方薬がよく効きます。

 

ちょっと独特の苦味があるので錠剤がよいかも。

 

漢方薬の剤型の種類について知っておきましょう

 

漢方薬の薬の形状は、湯剤(とうざい)、散剤、丸剤、膏剤、エキス製剤などがあります。 湯剤とは煎じ薬のことです。

 

漢方医の処方に基づき、生薬を漢方薬局で調合してもらいます。服用も手間暇かかるため、現実問題として難しいです。オーダーメードという点では一番なのですが。

 

今一般的なのはエキス製剤といわれるものです。煎じ薬をフリーズドライしたもので、湯剤と薬効はほとんど差がありません。服用が楽で保存や携帯に便利です。

 

ただ、製造過程で有効成分が損なわれるため、煎じ薬よりは効果が少なくなることは否めません。

 

市販薬の形状は顆粒・錠剤が主流

 

処方される漢方薬はほとんど顆粒になっていると思います。市販の漢方薬は顆粒のものや錠剤タイプがあります。

 

例えば、私も飲んでいる桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)で言えば、ツムラは顆粒・クラシエは錠剤タイプです。

 

漢方薬の服用方法

 

本来はエキス製剤の服用方法は、コップ半分以上のお湯によく溶かし、少し冷ましてから飲みます。

 

でも、漢方薬の味が苦手な人も多いと思います。その場合は、口にふくんで白湯か水で飲んでもかまいません。

 

それでも、どうしてもダメな人は市販薬の中には錠剤になっているものもありますのでそちらでも良いと思います。

 

ちなみに、ツムラの漢方薬はすべて顆粒です。処方のものより細長いスティック状なので、口にふくみ易いです。

 

漢方薬(エキス製剤)の保存方法は?

 

エキス製剤は吸湿性が高いので、直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所で保管します。通常はアルミシートで包装されています。

 

アルミ包装を開封してしまった場合は、タッパーなど密封性の高い容器に乾燥剤と一緒に入れて保管します。

 

もし、湿気で黒く固まってしまっていたら、カビが発生していることがありますので飲むのは止めましょう。

 

まとめ

 

更年期は不定愁訴のオンパレードです。そういうときに漢方は効果を発揮します。婦人科や更年期外来でも、HRTと並んで漢方は二大治療法となっているくらいです。

 

市販薬を購入する場合でも、処方される場合でも漢方について少し知識を持っておくと理解が深まります。

更年期の不定愁訴に漢方薬が効果あり!おすすめの三大処方薬

更年期障害の漢方療法

更年期障害には漢方が効く-よく耳にしますね。実際に産婦人科医など専門家の書いた著書や、女性誌の更年期特集ではHRT(ホルモン補充療法)と並んで必ずと言っていいほど漢方薬が紹介されています。

 

ドラッグストアの漢方薬の棚を見ると、「更年期症状に」と書いてあるプレートを目にします。でも、実際に試してみようかな・・・と思っても、何を選んでよいか見当がつかなくなってやめてしまうことってありませんか?

漢方薬の基礎知識を知っていて欲しい理由

 

漢方薬は現在は西洋医学の医師も処方していることも多いです。漢方薬はドラッグストアでも購入できますし、専門的な知識を持った薬剤師がいる漢方薬局も街中で多く見かけます。

 

病院で処方してもらう漢方薬は別として、保険のきかないドラッグストアや漢方薬局で購入するとなると、そうそう安いものではありません。

 

漢方薬は病名に対してではなく、その人の体質やそのときの症状を含めた全体の状態を診て処方されます。

 

西洋薬ほどではありませんが副作用がまったくないわけではありません。 店頭やネットのドラッグストアで購入する際には、一通りの知識は必要です。

 

それに、婦人科や漢方薬局で処方してもらうときも、言われるがままに飲んでいるだけでは漢方の力を十分活用したとは言えないのです。

 

漢方は日本の伝統医学!歴史をちょっと知っておきましょう

 

漢方薬の中で一番有名なのが葛根湯ですね。配合されている成分(これを生薬と言います)を見ると、葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)です。

 

漢方薬の名前も漢字だらけ。漢方って中国の医療と勘違いしている人もいるようです。でも、漢方はれっきとした日本の伝統医療なのです。

 

漢方は中国医学を基礎に日本で独自に発達した

 

2千年以上の歴史を持つ中国医学ですが、日本には5世紀から6世紀頃遣隋使や遣唐使によって伝えられたと考えられています。

 

飛鳥時代末期には典薬寮(てんやくりょう)という医療機関が設置され、医師や鍼師、按摩師がいました。 飛鳥時代から奈良時代にかけて中国から人参や大黄などの生薬が持ち込まれています。

 

その後平安時代に編纂された日本最古の医学書「医心方」から、中国医学を基礎にしながらも日本の気候風土、文化が反映され、漢方は日本独自の発展を遂げて行ったことがわかります。

 

鎌倉時代になると、禅宗の僧侶が医療の担い手になったことからそれまで貴族階級のものだった漢方が一般庶民も恩恵を受けるようになりました。 その後いくつかの流派が切磋琢磨して漢方医学は大きく発展していきます。

 

明治時代~現代の漢方

 

明治時代になると漢方は一気に衰退します。近代化を推し進めていた明治政府によって医療は西洋医学に一本化されたためです。漢方医は医師と認められなくなったわけです。

 

漢方は医学としては否定されましたが、漢方薬の薬効は民間レベルでは根強く伝えられてきました。そこには、生薬から有効成分を単離させる研究など薬効を解明しようとする研究者の力もあります。

 

戦後になって医学会にも変化が起きてきます。

 

1950年には漢方医学を体系的に発展させる目的で日本東洋医学会が発足しました。 この時代、慢性疾患の増加や西洋薬の副作用の問題など、西洋医学一本では対応できなくなっていたという背景もあります。

 

そして漢方薬の薬理作用や作用のメカニズムなどの研究が盛んになっていくのですね。 現在では148処方の漢方製剤と200種類以上の生薬が保険適用となっています。

 

更年期障害に対する漢方のアプローチは?

 

ざっと漢方の歴史について説明してきましたが、ではどうして漢方が更年期治療に高い効果を発揮するのでしょう?

 

更年期障害の治療でもっとも効果があるのが西洋医学のHRT(ホルモン補充療法)です。これは、足りなくなった女性ホルモンを外から補う治療法で、原因に直接アプローチする方法。

 

対して漢方の考え方はちょっと違います。

 

閉経による女性ホルモンの減少は自然な生理現象と捉え、そこに治療の主眼を置くのではなく、つらい症状を取りながら生体バランスを整えていこうというアプローチをするのです。

 

不定愁訴は漢方薬の得意分野!

 

漢方では、病気を体全体のバランスが崩れた状態ととらえます。「なんとなくだるい」「手足が冷える」「頭が重い」など自覚症状があっても検査では異常がみられない、いわゆる不定愁訴は漢方の得意とするところです。

 

西洋医学では病名がついて治療方針が決められます。漢方は「」と呼ばれる独自の診断基準があって、治療方針を指示する物差しでもあります。

 

証は、その人の体質や心身の状態(病態)など総合的に判断されます。病態は変化していきますし、治療をしていく上で体質も変わることもあるので、一度決定したらずっと変わらないというものではありません。

同病異治と異病同治

 

漢方薬は証をもとに処方されます。そのため、同じ症状でも人によって違う漢方薬が出されることがあります。

 

これを同病異治(どうびょういち)といいます。

 

また、違う病気でも同じ薬で治療することもあります。例えば、先ほど例に出した葛根湯の場合、風邪だけでなく、神経痛や乳腺炎、肩こりの治療にも用いられます。

 

これを異病同治(いびょうどうち)といいます。

 

そのため、ひとくちに更年期障害といっても、自分に合った漢方薬を選ぶことが症状改善のためにとても重要です。

 

ひとつの処方で多方面に効果が期待できる

 

異病同治の補足になりますが、漢方薬は複数の生薬から作られています(例外はありますが)。

 

そのためそれぞれの生薬のもつ成分の相乗効果によって多方面の薬効が現れるのも漢方薬の特質なのです

 

例えば、イライラ感、肩こり、冷えなどの更年期の症状がひとつの処方で楽になることも期待できます。

 

更年期障害によく用いられる漢方薬は?

 

では、実際にどんな処方が合っているのでしょう。判断するためにはまず自分の証を見極める必要があります。

 

次に現在の体の状態を把握します。 漢方医は四診と呼ばれる独自の証の判断法を用います。(証を立てる)これは長年の経験と知識が必要になってきますので、おおまかな証の見当の付け方を紹介します。

 

体力・抵抗力は「虚実」でみる

 

漢方で使われる概念に虚実があります。ざっくり言うと

  • 虚証-痩せ型で体力がなく、病気に対する抵抗力が弱い
  • 実証-筋肉質のがっちりした体型で体力があり、病気に対する抵抗力が強い

 

虚証と実証の判定基準 どちらにも当てはまらない場合が多いときは「中間証」です。

 

病気の進行度合いは「陰陽」でみる

 

陰陽はすべてのものを陰と陽のふたつに分けて考える古代中国から伝わる自然界の法則です。

 

陰は活動が鎮静的で冷たい性質を持つもの、陽は活動が活発で温かい性質を持つものの象徴です。

 

  • 陰証-顔色が青い・発汗が少ない・手足が冷える・下痢気味・体温が低い・脈が遅い・血圧が低いなど

 

  • 陽証-顔色が赤い・汗をかきやすい・暑がり・便秘気味・体温が高い・脈が速い・血圧が高いなど

 

気・血・水は体を構成する大切な要素

 

漢方では体をめぐるエネルギーや液体、さまざまな生体活動の要として「気・血・水」の概念があります。この3つの要素が滞りなく循環しているとき、人は健康だと考えます。

 

 

「気・血・水」は概念上のものなので、実際に目に見えるものではありませんが、現在では西洋医学における自律神経系が「気」、循環器系が「血」、循環器系以外の体液やホルモンなどが「水」を指しています。

 

「気・血・水」が乱れると・・・

 

気滞(きたい) 気が滞って流れが悪くなる 頭が重い・喉が詰まる・胸や脇の痛み・腹部膨満・抑うつ
気逆(きぎゃく) 気が逆流する 発作性の冷え・のぼせ・動悸・頭痛・げっぷ・発汗・不安・焦燥感
気虚(ききょ) 気が不足した状態 元気が無い・倦怠感・疲れやすい・食欲不振・意欲低下
血虚(ちきょ) 血が不足したり栄養機能が衰えた状態 肌荒れ・不眠・貧血・こむらがえり・血行不良・過少月経
お血(おけつ)
うっ血して古い血がよどんだ状態 月経痛・口の渇き・色素沈着・痔・肩こり・頭痛、腰痛などの痛み
水毒(すいどく)
水が体内に停滞した状態、偏って存在する状態 浮腫・吐き気・嘔吐・排尿障害・下痢・めまい・立ちくらみ

 

更年期症状はまさに「気・血・水」のバランスを崩したことによる不調だとわかりますね。

 

女性に付きまとう「血の道症」

まだ若いとき、月経が重く仕事にも支障が出る時期がありました。その時、年配の女性から「血の道症ね」と言われてきょとんとした記憶があります。

 

「おけつ・・・って言うのよ」とも言われました。

 

その後出産を機に月経にまつわる悩みはキレイになくなったのですが、更年期になって再び重く脳裏に浮かんできました。

 

血が滞って起こる症状は先にあげたものだけでなく、めまいや動悸・ほてり・のぼせ・冷え症にもなります。女性特有の月経痛や子宮筋腫、そして更年期障害も重くなります。

 

そのため、更年期障害にはお血を取る駆お血剤が良く使われます。

 

駆お血剤とは、当帰(とうき)、川?(せんきゅう)、桃仁(とうにん)、牡丹皮(ぼたんぴ)、紅花(こうか)、延胡索(えんごさく)、大黄(だいおう)などを多く含んだ漢方薬です。

 

覚えておきましょう!更年期治療の3大漢方薬

 

証を見極めて気・血・水がどうなのか、どの漢方薬を選べばよいのかますます迷ってしまいますね。そこで、更年期の三大処方といわれている漢方薬を紹介します。どれもたいていのドラッグストアで販売されています。

 

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 駆お血剤の代表的な漢方薬で、比較的体力のある人に処方されます。肩こり・頭痛・下腹部痛・冷えのぼせなど血管運動神経症状によく効きます。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン) こちらも駆お血剤ですが、体力の無い人にはこちら。疲れやすく貧血気味、冷え症、むくみなど抹消循環障害に効きます。
加味逍遙散(カミショウヨウサン) こちらも体力のあまりない人に用いられます。10種類以上の生薬が配合されていて多方面で作用が期待できます。のぼせや肩こり、頭痛以外にもイライラや不安感など精神神経症状にもよく効きます。

 

 

漢方薬の副作用と合う合わないの判断基準は?

 

漢方薬も西洋薬に比べれば少ないですが、副作用がないわけではありません。重篤な副作用としては1996年に慢性肝炎や肝硬変の治療に使われた小柴胡湯(ショウサイコトウ)の副作用で間質性肺炎が起こり、患者さんが亡くなりました。

 

また、証に合わない場合は胃の不快感やアレルギーを起こすこともあります。

 

気をつけたい副作用
  • 麻黄-血圧上昇・動悸・発汗・食欲不振・吐き気など
  • 甘草-血圧上昇・むくみ・だるさなど
  • 桂皮-発疹・皮膚のかゆみなど
  • 附子-動悸・のぼせ・発汗・不整脈・舌の痺れなど
  • 大黄-下痢・腹痛など
  • 石膏-胃もたれ・食欲不振など

 

これら以外にも胃の弱い人が注意する生薬もあります。不快感の原因が空腹時の服用や量によるものであれば、食後に服用する・量を減らすなどで対応することもあります。 (通常、漢方薬は食間に服用します)

 

また、漢方薬は西洋薬と併用できるものが多いのですが、病状や体質によります。処方されている薬がある場合は必ず医師に相談しましょう。

 

漢方薬の副作用を避けるには?

 

飲み始めて少しでもおかしいと思ったらすぐに服用を中止しましょう。飲みはじめから2週間は特に注意して体調をみましょう。

 

漢方薬が合っているってどんなとき?

漢方薬の中には急性症状に使われるものもあります。そういう方剤の場合は即効性がありますが、更年期障害の治療では比較的ゆっくりと体質を改善していくので2週間程度は服用を続けて様子をみます。

 

もちろん、副作用やアレルギー症状など、おかしいなと感じたら中止します。 ただ、漢方薬ではなんらかの症状の改善がみられれば合っていると判断して服用を続ける場合があります。

 

更年期のつらさが一気になくなったわけではないけど、便秘が解消された、冷え性が改善されたといった場合です。

 

最後に~更年期からの漢方との付き合い方

 

更年期の症状は人によって現れる場所も程度も違います。それに日によって不調の場所が変わったり一定しません。

 

今日は頭痛がするから鎮痛剤、だるくてたまらないから栄養ドリンクでも飲もうか・・・。入れ替わり立ち代り現れる不定愁訴には本当に悩まされます。

 

漢方薬は乱れた生体バランスを整え、自然治癒力を高める作用があります。証に合った薬を使えば、効き目は緩やかかもしれませんが、気がつけばなんとなく体が楽かも・・・ときっと感じるはずです。

 

閉経によって女性の体は大きく変化します。自分の今の状態はどんなだろうと客観的に見ることは、アフター更年期を健康に過ごすためにもプラスになること間違いなしです。